2012年12月4日火曜日

小選挙区制から中選挙区制へ:復活当選、劇場型政治に「さようなら」を


今回で小選挙区比例代表並立制の選挙制度を改革しないか。小選挙区で落選した候補者が復活当選する怪、無党派層に支配されやすい劇場型政治による政党の獲得票数割合以上の議席獲得、カネのかからぬ選挙と言いながら後を絶たない「政治とカネ」の問題。二大政党による政権交代しやすい選挙制度と謳われていたが、弊害の目立ってきた小選挙区制から政治の多様化に答えるためにも中選挙区制へ再改革出来ないか。

今回の衆議院選挙では、12の政党から1492人が立候補した。民主党離党者に始まる政治家の離合集散で政党数も15→14→12とめまぐるしく変わった。今回も離党者、新党候補者などの選挙区には「刺客」が送り込まれメデイアの話題にもなっている。

消費増税、TPPなどで劣勢の民主党、政権奪還を目指す自民党の優勢が伝わる中で、民主党は小選挙区候補者267人全員を重複立候補させ、自民党は326人のうち重複立候補は277人だ。

16日の投開票では、午後8時の開票開始と同時に「○○大臣 ○○さん落選」、「○○党 ○○さん当選確実で返り咲き」なんて言う速報が相次ぐかもしれない。

民主党が全員、重複立候補したのは、それだけ劣勢だからだ。しかし小選挙区で「NO」を突きつけられた候補者が復活するとは、民意をどう考えているのか。自民党では比例当選を恥じて、改めて補欠選挙で選挙区当選を目指したしたベテラン議員もいるほどだ。選挙区を持たない議員の悲哀だ。

野田総理はインタビューで「負けたらどうするのか」と問われ、「負けた前提の話をするのは同志に申し訳ない」と言ったそうだが、自らの重複立候補には多くを語らなかったようだ。

社会保障と税の一体改革、消費税増税に政治生命を賭け、未成立ならバッジを外す覚悟をしていたのだから、小選挙区で敗れれば潔く退くべきではなかったのか。

民意を無視した救済制度、互助会制度は廃止すべきである。

今回の政党の多様化、政策の多様化に答えるには以前の「中選挙区制」に戻すべきだ。

細川政権で小選挙区制が導入されたときに、自民党総裁だった河野さんが述懐、反省していた新聞記事を思い出す。

当時、細川政権で「政治とカネ」の問題が議論されていたが、それがいつの間にか選挙制度の話にすり替えられ、政権交代の可能な二大政党制を目指す小選挙区制の導入になったそうだ。河野さんは、それを悔やみ中選挙区制への改正を強く主張していた。

死票が多く出る、ポピュリズムに走りやすい、政治の多様化に答えられないなど小選挙区比例代表並立制の弊害が上げられている。

また、「1票の格差」問題も最高裁から違憲判決を受け、弁護士グループが今度は選挙それ自体を阻止する「差し止め訴訟」を提起したが、東京高裁、最高裁で却下された。

当然の判断だと思うが、議員定数削減と併せて選挙制度自体を見直す事も必要で、来年の通常国会で結論を出すべきだ。野田総理の解散発言の時の条件にも上げられている政治課題だ。

今、国会議員の資質も問われているが、これが国民(有権者)の資質を反映しているのだ。

ここらで、毅然とした判断を有権者がすることが、国会議員の意識改革に役立つと思う。

政党の政権公約も不明確な点もあるが、選挙区での候補者の公約をしっかり確認し、国政を託せる人材を国会に送るべきである。


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