2013年1月4日金曜日

地震、火山噴火の引き金:月、太陽の引力で地球が伸縮

朝日新聞 2012.12.18

太陽や月の引力で地球が伸び縮みし、それが地震や火山噴火の引き金になっているというのだ。2011年の震災が近くになるにつれ、引力の影響が強い時に地震が集中していることを防災科学技術研究所の研究員が明らかにした。

孫と自転車で買い物に行った帰り、孫が「じいちゃん 地球に引き付けらえているから、飛び出さず前に進むんだよ」という。「誰に聞いたの」と問うと、「本で読んだ」というのだ。子供のときから引力のことは知っているのだ。

月が地球に及ぼす引力のために、一日に満潮と干潮の潮汐が起きる。新聞で見ると1月4日の東京湾では満潮が9.08,21.14,干潮が2.37,15.21と2回ずつある。

この太陽や地球の引力によって、地球は伸び縮みを1日2回繰り返し、地表面が20cm程度上下し地震を起こす断層にも影響しているというのだ。この力に注目し東日本大震災の震源域で発生したM5以上の地震役500回分を分析した結果、東日本大震災が起きる前の3000日間では引力による力が断層の動く方向に強く働く時間帯に地震が起こりやすくなっていたのを突き止めた(朝日新聞 2012.12.18 月・太陽の引力、震災に影響か)。

研究員は「巨大地震が近づいてプレートにひずみがたまると、わずかな力が「引き金になる」と考えている(同上)。

地球潮汐と地震発生時刻の関係
潮汐による力が断層のすべりを
促進する方向に最も強く働く(三角
しるし)前後に地震が集中する傾向
月と太陽の引力と地震 平成22年
1月28日 防災科学技術研究所
同研究所は2010年1月28日にも同様の研究を発表しており、地震のメカニズムを解明させる有効な手がかりとなるとともに、巨大地震の長期予測にも役立つ可能性が期待されると言い、月の引力と太陽の引力が重なる満月や新月の日は、最大で±60cmの地盤の変動が起きるために地震の引き金になると言う(地震情報サイトJIS 月や太陽の引力と地震 防災科学技術研究所プレス発表資料)。

月や太陽の引力が海水の干満を生じさせることは知っていたが、この力が地球自身にも働き、地球を一日2回大きく変形させ、2004年12月のスマトラ島沖地震(M9.0)では、地球潮汐による力が最大になる時刻前後に地震が集中していたことも明らかにした(同上)。

潮汐力が地球の岩盤に影響を与えれば、当然考えられるのは火山の噴火も可能性が出てくる。

2004年9月の浅間山噴火
群馬県安中市より浅間山
を望む
過去の大地震や火山噴火のおおくは、地球潮汐の振り幅が大きい、満月や新月の前後に起きていると指摘している。1960年5月23日のチリ津波地震は新月の前々日、1995年1月17日の阪神大震災は満月、1986年11月15日三原山噴火は満月前日、2004年9月1日の浅間山噴火は満月翌日など多数の事例が上げられている(同上)。

それにしても引力によって地盤が±20cm、最大で±60cmも変動すると言うのには驚く。

孫に教えられた訳ではないが、ファインマン物理学Ⅰ 第7章万有引力の理論を開いてみた。

ニュートンは、太陽が惑星を引き付けていると言うことだけでなく、我々が地球上に引き付けられている力もみな一つの普遍的な力――あらゆるものが他のあらゆるものを引く力――によるとしたのだ。そして地球がその上にいる人間を引く力も地球が月を引く力も同じように距離の自乗に反比例することを計算で示している。

地球・月の系と潮汐
ファインマン物理学Ⅰ
さらに、いささか分かりにくい考えを示している。月に力が何も働いていなかったら、月は遠くに飛んでいるはずだが、そうではなく円に沿って運動をしている。だから、力が働いていなかったとした場合にあるべき場所から実は「落ちている」というのだ。もしも力がなかったらそれによって進むであろう直線から外れ落ちると言うことらしい。分かりにくいが良い考えのようだ。月と地球両方が一つの点の周りを回っており、この共通点に向かって落ちているというのだ。分かりにくい。

引力は自然界でもいろんな営みに関係している。地球の岩盤を±60cmも動かすなんて驚く。地震や火山噴火の引き金になる事は十分考えられることだ。日本全国で地震発生の確率が高まり、ひずみがたまっている。

これが地震予知に役立つかどうかは分からないが、噴火が予想されている焼岳、富士山、箱根山、巨大地震の発生が予想されている首都圏、房総沖、南海トラフは新月、満月には注意した方が良さそうだ。

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