2013年2月28日木曜日

脱デフレ策:日銀を一人いじめしても脱デフレは出来ない


日銀一人をいじめても脱デフレは出来ない。2%物価目標は日銀の責任で早期に達成を期待するというのが安倍総理の口癖であるが、28日の衆院予算委員会で桜内議員(日本維新の会)が、「日銀一人をいじめても脱デフレは出来ない」と政府の責任を追及した。

その前に、桜内議員は、昨年4月は目途(英訳 GOAL)、今は目標(英訳TARGET)を使っているが、違いはあるのかと日銀総裁に質問した。

白川総裁は、米ではGOAL,英国ではTARGETEUではテクニシャンを使って、目途も目標も同じこと、柔軟な物価安定政策にむけ目標を導入したと言い、他の中央銀行も採用していると言う。

さらに桜内議員は、2%物価目標設置での共同声明で責任が曖昧になっていないか。日銀は推進責任に幅広い主体として政府、企業も含め3本の矢を1本に纏めているが、日銀一人をいじめてもデフレ脱却は出来ないのではないかと政府の責任を追求した。

麻生財務大臣は、「おっしゃるとおり」と言い、ヘリコプター・マネーという考えもあるが、日銀と市中銀行で口座の金額を知らせあっているだけで、実際にお金は市中銀行に留まったままだ。お金を市中銀行から外に出すには、第2、第3の矢を同時にやらなければならず、政策の基本に共同責任を負っていると言う意味の答弁をしている。

財務省の考えを代弁しているのだろうが、従来の麻生財務相の考えを繰り返し、安倍総理とはニュアンスが異なる。

しかし、その安倍総理は、2%物価目標は日本銀行の責任で達成することを期待していると言うが、物価目標を安定的にするには、財政でマクロ経済の運用、民間も成長戦略が伴わないと脱デフレは出来ないと、麻生財務相の考えを肯定した。

桜内議員は、2年前からの日銀の資産買い取り政策を高く評価するという一方で、日銀、市中銀行からカネが外に出て行かない。今、日銀がやっている非伝統的金融政策は財政政策ではないのか。買い取り基金は伸びているが、その他は30兆円も減ってきているのではないかと日銀に質問した。

白川総裁は、基金での買い取りは増加し、60兆円増加している。対GDP比でも高く、もっと増えそうだと言う。マネタリーベースでは確実に増えているし、バランスシートも確実に増えていると主張した。

桜内議員は、予め日銀に問いただしての質問だったが、白川総裁にとっては突然の質問だったようで、かみ合っていなかった。

今後は、直接市中へカネが出て行くような基金設置し、融資先を増やしていく工夫が必要ではないいか。

安倍総理は、政策は日銀に任せているが、今後2%物価目標にむかって経済財政諮問会議で4ヶ月に1回報告するようになっている。国会の場で議論し選択肢を選んでいく事になると言う。

2%物価目標達成の責任について、日銀、麻生財務相と安倍総理の考えにニュアンスの差がある。

ここは日銀、麻生財務相の言うように日銀一人の責任では無く、政府、企業の目標達成責任は大きいのではないか。

安倍総理および安倍総理を取り巻くリフレ派の日銀責任論に違和感を覚えないか。

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