2013年4月14日日曜日

福島第一原発地下水槽汚染水漏れ(2):原因究明を妨げる複雑な地下水槽構造

検知孔挿入口の損傷は無く、東電の
当初の原因は否定された
2013.4.14テレビ朝日
報道ステーションSUNDAY

東電・福島第一原発地下水槽汚染水漏れ事故原因究明を妨げるのは複雑な地下水槽構造にあるのではないか。4月14日テレビ朝日報道ステーションSUNDAYで、当初東電が漏洩原因箇所ではないかと公表していた漏洩検知孔挿入箇所を原子力規制委員会が撮影した現場写真が公開された。

施工業者の前田建設も私も指摘していたように、溶着部が伸びて損傷し、そこから汚染水が流入したことは否定された。現場写真ではパッチ当て補修もされており、損傷の跡は無く、負圧とマジックで書かれていたので漏れテストも合格していたのだろう。

そうなると、漏洩の原因究明も大変なことになる。私も先の記事で法面、底盤の仕上げ不良、地下水集水の不備で遮水シートの継ぎ目、シート自体が損傷しているのではないかと推測した。

地下水槽の現場写真では、大きな表面にカバーを掛け、雨水の混入を防いでいるので、実際にどういう地下水槽の構造になっているのか分からなかった。

地下水槽断面図
地下水槽から汚染水漏洩拡散
防止対策
東電HPより
そこで、東電のHPから、「地下貯水槽から汚染水漏洩拡散防止策 平成25年4月10日」、「地下貯水槽漏洩の原因調査(No2貯水槽現地調査)」平成25年4月10日」の資料を開いた。

しっかりした構造のようで、私が最初予想していたより複雑な地下貯水槽の構造だ。

地下水槽の上部は、遮水シート、スペーサーが設置されその上に保護土、砕石が敷かれて雨水が汚染水に混入しないようにされている。

水槽内部は、プラスチック貯水槽が6層設置され、法面には6段砕石が充填されプラスチック貯水槽を支持している構造だ。

法面2カ所に遮水シートとベントナイトシートの間に検知孔が挿入されているが、ここに汚染水がたまっているのが見つかったのだ。

貯水槽の底盤は図面でははっきりしないが、地盤改良で締め固められた地盤の上4辺に地下水を集める排水の為に砕石が敷かれ、その上にコンクリートが打設されている。ただこの底面に遮水シートが敷設されているかどうかは図面からは不明だ。
漏水の原因と考えられるのは、法面の地下水湧水対策、土羽仕上げの不良で地盤があれたこと、その上に敷設された遮水シートの上に砕石が充填されていることで、砕石の突起で遮水シートの継ぎ目、シート本体に損傷が発生したことになる。

底盤のコンクリートの上か下に遮水シートが敷設されていなければ漏水の原因になるだろうが、敷設されていると思う。

地下水も結構湧水しているだろうから、地下水の集水、排水には特段の配慮必要だ。

施工図面もはっきりせず、施工技術も分からないので原因が何かを判断するのは難しいが、設計上は善し悪しは別として、よく検討されたのではないかと思う。

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