2013年4月17日水曜日

衆院・予算委員会の集中審議が43時間:長ければ良いって訳でもない

今国会の衆議院・予算委員会でNHK国会中継がある集中審議が43時間に達し、最長となったと言う。朝日新聞(2013.4.17)に自民党・国対が「普通は20時間で、悪しき前例だ」と発言したことが掲載されているが、長ければ良いというわけではなかろう。

私も、NHK の国会中継は聞くようにしているが、内容より、やったという実績作りしか見えない。

何でもそうだが、法案・予算案成立の日から逆算して審議日程が作られる。否決されても60日の自然成立が国会会期一杯であれば良いのだ。

3月6日に審議入りし、4月16日に衆議院を通過した。約40日の間にどういう審議日程が組まれたのか分からないが、82時間30分審議され、そのうち総理が出席した集中審議は43時間30分だったと言うことだ。

総理が出席し、NHK国会中継があると言うことで、質問する委員はフリップまで用意しカメラ方向に向け質問の補足資料にする。見ている方も質問の内容がよく分かる。

ところが答える閣僚側は、役人の作成したペーパーを読み上げるだけなので、どういう根拠で答弁しているのか、計り知れない面もある。

もっと悪いのは、堂々と数分持論を述べた後、大臣に質問し数秒で答弁した例も過去にあった。

民主党政権時、自民党の重鎮が質問に立ったとき、延々と説教じみた発言で閣僚席は唖然としていた例もあるし、最近では日本維新の会の石原代表が自説を述べまくった例もある。

問題は国会審議のあり方だ。

予算委員会だから、質問内容も多義に渡るのは当然であるが、肝心なことが曖昧なまま、質問に立つ各党委員が同じ質問を繰り返す様子を見るにつけ無駄な時間が過ぎるばかりだ。

2年で2%の物価目標、「アベノミクス」の妥当性。日本の財政の本来の姿はどうなのか。債務残高1000兆円、対GDP比200%の是非。財政再建への工程ははっきりしているのか。消費税増税は景気を後退させないか。日銀の金融緩和の政策の正当性をどう考えるか。白川前総裁が警鐘を鳴らす金融緩和の副作用にどう対応するのか。
 
知りたいことはいっぱいあり、一通りの質疑はあってもコンセンサスを得るには至っていない。だから度毎に同じ質問が繰り返される。
 
審議内容よりも「やったという実績」づくり、各党予算委員の選挙区有権者へのアピールに使われているのではないか。
 
旧態依然とした国会運営、国会審議をやめて実質のある審議に向け改革が必要ではないか。
 
国会審議は長ければいいっていうわけではない。
 
こんなことでは官僚の思うままではないのか。

 

 

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