2013年4月29日月曜日

「アベノミクス」のブレーンは、何故自信があるのか


「アベノミクス」のブレーンは、何故自信があるのか。効果が出るのは2年後と見て、今のバブル傾向も意に介さないのか。本田静岡県立大教授が、28日のフジテレビ「Mr.サンデー」のキャスターに答えて、「何かやるのは、今でしょう」とチャレンジする意識が低いことを指摘し、何かやるとリターンがあるという意識改革が大事だと言い、何もしないリスクの方が大きいともいう。

今、「アベノミクス」でからっと空気が変わった。自信に満ちあふれているという。宮根さんの「日銀はバブル崩壊のトラウマがあるのでは?」との質問に「バブルのない経済はない。ある程度は起きるが、アベノミクスはバブルを目的にはしていない。円高が是正されるプロセスなのだ」と安倍政権と同じことを繰り返した。

円安で輸入品など物価が上がっている一方で、暮らしが良くなったという実感はまだ湧かない。

「給料はいつ頃上がるのか。秋頃か」との質問に、所得が上がるまでは時間がかかる。今は「予想の転換」(期待感?)で「企業の転換」(実体経済への効果?)は2年後だろうと言う。

懸念もない事はないのだ。内部留保がどうなるかだ。

本田教授は「それを言うとどうしようもない」と言い、「そうなれば企業経営者の資格はない」という。

確かに企業は、人件費の削減をやりながらも、260兆円以上の内部留保を確保している。これを取り崩せという意見もあったが、「すべてを現金化出来るものではない」と抗弁したことがある。

円安で、食用油、小麦、ガソリンなどが値上がりし家計は大変だと宮根さんが言うと、本田教授は「ガソリンの値上げがどれだけ負担になっているのか」と問いかけ、「日本経済にとってはプラスの方が大きい」という。

可笑しいことを言う。ガソリンも車のことを考えてのことだろう。でも輸入する重油が上がれば電気代も上がる。運送にはトラックが主流なので物流費も上がる。燃油が上がれば漁業にも影響するだろう。

食用油、小麦が上がれば朝食のパンなども値上げになる。家計は大変だが得するのは輸出に関連する業種だろう。経済全体を考えると本当はどうなのか。所得の大きい人は問題なかろうが、年金生活者などは大変なことになる。

しかし、これに対しても本田教授は、年金の原資を確保するには緩やかな上昇が必要なのだという。

低所得者を犠牲にしての「アベノミクス」なのだ。

何もしないリスクの方が大きい。「何かやるとリターンがある」という意識改革が必要だというのだ。問題は、タイムラグがあり、効果が出る前に意識が落ちてくることが怖いのだ。要は「気分」なのだ。

どうしてリフレ派は自信があるのか。

まだ安倍政権が始まって4~5ヶ月、世の中は変わろうとしているが「アベノミクス」の効果が現れるのは2年後ぐらいと見ているので、今の好ましくない状況など問題にしていないのだろうか。

もっと国会で今の経済の動きを丁寧に説明すべきではないのか。内閣府参与の浜田さんや本田さんがどう言おうと政治的責任はない。

世界から要求されている「財政健全化」も難しい課題だ。財政出動でGDPを伸ばせば、債務残高対GDP比も低く出来るだろうが、今は対GDP比245%だ。そんなに簡単に出来るはずがない。

こんなことでは2年後の効果が出てくる前に、安倍政権は終わるのではないか。慎重さにかける面が目立ってきた。

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