2013年5月31日金曜日

市場にカネがダブついているのに何故、量的緩和を継続するのか

どう見たって市場にカネがダブついているのに何故、量的緩和を継続するのか。今方向転換すると市場は一気に円高、株安に転び「2年で2%物価目標」が達成不可能になり、責任問題が発生するためか。

とにかく混沌とし、市場は戦々恐々となり、先行き不安なのだ。政府、日銀、一部のエコノミストは「調整局面にはいった」というが、100円台前半まで円安になった為替、15000円台半ばまで上がった株価をどう調整しようとしているのか。もっと円安、株高に進む途中の様子見なのか、異次元の金融緩和前の状態に戻ろうとしているのか。

このような経済状況下であっても政府は6月にまとめる成長戦略、第3の矢に期待を持たせるし、「アベノミクス」を評価する国際会議では、ノーベル経済学賞受賞者が3本の矢を評価する。もちろん政府が招いたのだろうから、ほめてくれるのは当たり前だ。

市場にカネがダブついているのは確からしい。日銀当座預金残高も2013年3月29日時点で58兆1300億円にまで膨れ上がった。これでは日銀が国債を買い上げても市場に出るカネは増えない。物価も押し上げないのだ。

おまけに日銀は0.1%の金利を付けている。これではこのまま置いておいたほうが銀行としては得なのだろう。定期預金の利息が0.025%を考えると、異常な高さで日銀と市中銀行、金融機関はもたれないの関係だ。

投資先だって見つからないので、大都市圏は地価が高騰しているという.。株高で儲かったカネが不動産投資に回っているのだそうだ。そのうちに販売価格が上がり、金利も上がるので購買意識はおちることになる。

株価の大変動にはこまったものだ。1週間で2000円も下落している。22日に15627円だったのが30日は13589円に下落した。「日本株を買え」から逆転し流出が始まった。海外ファンドだけ大儲けして逃げ切られるのか。

とにかく量的緩和で市場に流そうとするカネの使い先を実体経済へ向け成長分野に投資しようというのだが、その成長分野も第3の矢の成長戦略にかかっている。

円安を機に国内経済への投資(内需拡大)で賃上げ、雇用の創出に期待したいが、円安だけでは海外から国内に呼び戻すことは難しいらしい。製造業は中国、韓国から東南アジアへ展開している。

1兆円以上の営業利益を記録したトヨタだって、設備投資は抑えて、生産台数を確保することにより雇用を維持するという。

黒田総裁の異次元の金融緩和以降、予期せぬ金利の上昇など予想外の展開(日銀だけ?)もみられるが黒田総裁は「長期金利のコントロールはできない」と弱音を吐いたり、国債の信認を維持するために政府に財政健全化を要求している。

財政健全化は白川前総裁も常に政府に要求していたことだ。

財政健全化には、消費税増税が必須の状況で、国際会議に出席した経済学者も増税を含め税収増の必要性を説いている。

ところが、消費税増税を先延ばしする考えも出てきている。経済顧問の浜田内閣参与を始め確か石破幹事長も言っているようだ。消費税増税は景気回復の腰を折る危険があるのだ。

しかし、消費税増税を先送りすると、財政健全化は遠のき市場は一気に円高、株安に動く危険もあり政権は難しい判断を迫られることになる。

市場におカネがダブついているのに、なぜまだ量的緩和を継続するのか。黒田総裁は異次元の金融緩和、2年で2%物価目標を約束して総裁の座を射止めた。まだ就いて数カ月だから方針転換するのは無理だろうし、ここで量的緩和を引き締めると市場が一気に円安、株高から逆転するだろう。

このまま量的緩和を継続し、好ましくないインフレを招けば、どうしようもないことになってくる。

ポール・ボルカー元FRB議長が、大規模な量的緩和を進め、大量のおカネを市場に流しこんで、その影響でインフレが起きる可能性があるとし、中央銀行は「物価や通貨の安定に集中すべきだ」と警告している(朝日新聞2013.5.31)。

市場の動向が気になって、必要な手を打て難い状況になっているのではないか。2%物価目標まで不都合な事態が発生しないことを期待して、量的緩和を継続するのだろうか。




2013年5月30日木曜日

南海トラフ地震最終報告でわかったこと:確度の高い予知困難、自助第一か

巨大地震の震度と津波到達時間
読売新聞 2013.5.29
中央防災会議の作業部会の南海トラフ最終報告で分かったことは、予測が困難なこと、自助が第一ということか。M9クラスの巨大地震の「いつ、どこで、規模は」の確度の高い予測は困難なことは当然としても、いつ起きても大丈夫なように自助の精神で平素から取り組む必要があるのだ。

今回新聞で報道された内容を拾ってみると、「事前防災」、「避難者トリアージ」、「広域連携」、「事業継続計画策定」、「自助、共助、公助」、「1週間分の備蓄」が目につく。避難者に優先順位をつける「避難者トリアージ」は目新しいし、今まで3日間分の備蓄が言われていたが1週間分になった。

津波高さは30mを越える市町村もあるが、今まで報道されていた数値なので驚かないが、東海、東南海、南海地震の同時発生なので、静岡、三重、和歌山、高知では津波到来時間が2~6分と早い。予知に期待が出来ないのでグラッときたら直ぐ高台へ逃げることだが間に合わないのではないか。

肝心な事である「どのぐらいの時間大きな揺れが継続するのか」はわからない。今まで地震が発生しても、たかだか20~30秒我慢すれば収まると考えていたが、3.11東日本大震災では長く感じたのではなく本当に長かった。東京の私の住んでいるところで2~3分だろう。

讀賣新聞に出ていた記事で、古文書の記述を今風に解析すると10分以上揺れた事になるという内容を見た。そうなると海岸近くの町では逃げる暇もなく津波に襲われることになる。

「避難者トリアージ」は優先順位をつけて避難所に収容しようという制度なのだろう。皆が避難所に集まればその対応が大変なことになるのは3.11東日本大震災からでも分かる。

高齢者、生活弱者が優先して入ることには賛成だ。東日本大震災で救急医療で応援に入った医師が、「必要なのは災害医療ではなく、老人医療だった」というコメントに実体が想像できる。

高齢者でも自分で何とか出来る者は、自宅で支援を待つことは重要だろう。そのためにも自助精神は大切だ。東京・大田区では町内会、自治会毎に支援があるという。その場所は確認しておく必要がある。

ところで、予知は本当に難しいのか。「いつ、どこで、規模は」を満たす予知は難しいだろうが地殻変動などで「近いかもしれない」ぐらいは出来るのではないか。

予知に貢献するか スロースリップ
南海トラフ地震予知は困難
2013.5.28 NHKニュースウヲッチ9
3.11東日本大震災の後、検証していた研究者が、北の方からスロースリップ地震が南下し、止まったところが東日本大震災の震源域だったと言う研究成果を報告していた。

他にも電磁波異常から予知を試みている研究者もいるが、測定結果から確度が高いとして公開するがいずれも外れている。不思議に公開しなかった事例では当てているのだそうだ。

測定結果を「どう読むか」で混乱しているのかもしれない。

南海トラフ地震は当初、東海地震単独で測定や対策がとられていたが、今は東南海、南海地震の3連動、日向灘を加えた4連動から南海トラフ寄りを加えた5連動を主張する研究者も出てきた。

2030年代半ばには必ず南海トラフ地震が発生するという権威ある研究者の検証結果も週刊誌で発表されている。必ず発生することだけは確かなのだ。

海岸縁の町では、数分で津波が押し寄せてくるところもある。NHKラジオを聞いていて緊急地震速報が出たと言って、NHKテレビをつけて地震の内容を確認する時間はないのだ。

まず高いところに逃げること。

津波の心配のない私たちのところでは、家の中の安全な場所を確認して家族に教えておくことだ。長周期地震動の影響を受ける高層ビル、マンションでは10分以上の揺れ、家具が飛ぶことを考えて対策を考えなければならないことになる。


地震・津波対策は「自助第一」なのだ。

南海トラフ巨大地震 2013.5.29 読売新聞

2013年5月29日水曜日

参院選後辞任可能性発言:橋下さん 辞めるのは今でしょう

都議選候補者のツーショット政治ポスター
東京・大田区にて
今回の橋下共同代表の従軍慰安婦問題発言で、記者の質問に答えて、参院選後に責任をとって共同代表を辞める可能性の発言が飛び出したが、「辞めるのは今でしょう」と言いたい。今回の騒動は、橋下さんの「うぬぼれ」と脇の甘さ、メデイアの安易な情報収集にあったのではないか。

「従軍慰安婦問題は世界各国の軍隊であったことで、何故日本だけが批判されるのか」、「沖縄で米軍の一部の人間の不祥事を回避するためにも風俗業を活用したらどうか」と言うような意味の記者会見の発言から大騒動に発展し、外国人記者クラブでの記者会見で「慰安婦問題を正当化する意図はない」「日本以外の国ぐにも戦場で女性の人権を蹂躙した過去とむきあわなければならない」「河野談話は強制連行の有無が曖昧で、きちんと明確に表現すべきだ」と主張点を明確にしたようだ。

言っていることは正論であり、批判されること自体が問題であるが、問題提起のあり方に問題があったのではないか。

メデイアは、「今度こそ発言を撤回するのではないか」と期待して記者会見に臨んだが、橋下さんは自己の主張を正当化することに累々としたために、火に油を注ぐ結果になった。

橋下さんは、「政治家として自分はそこら辺の政治家とは違うんだ」という「うぬぼれ」が強かったのではないか。そして脇の甘さが目立ち、その度に弁解を繰り返しはぐらかす戦法に出た。

一方、メデイアにも責任がある。橋下さんは「一つのワードを・・・・」と言ったり、自分の言ったことがうまく伝わっていないと見ると「理解力が足りない」とメデイアを批判し、新聞によってはその発言を検証する記事を載せていた。

メデイアは橋下さんの記者会見を安易に重宝し過ぎていたのではないか。毎日記者会見をしてくれて面白そうな(?)発言をしてくれ絵も取れる。その一部分をテレビで流す。

橋下さんとメデイアは共存関係にあった。橋下像はメデイアが築き上げた虚像ではなかったのか。

記者会見で、記者の質問に答えて「参院選の結果次第では共同代表辞任の可能性」に触れていたが、これほど世界的な騒動になり、国内でも他の党から距離を置かれるようになり、海外でも会ってくれる相手がいなくなり訪米を中止するまでになったようだ。

日本維新の会と言う野党の共同代表であるが、国益を害する結果にもありそうだ。

ここは、即辞任して沈静化を図るべきではないか。

選挙を控えて党の顔を変えることは大変なことだが、橋下さんが続投しても失点が大きすぎないか。石原さんのブランド力(?)も地に落ちたし、平沼さんも国民に人気の出る顔ではない。

日本維新の会は国政進出を諦めて、地方政党の大阪維新の会の原点に帰った方が良いのではないか。


これ以上の政治混乱は避けなければならない。選挙を控えて自民党を利するだけだ。

2013年5月28日火曜日

東京・小平市の住民投票で問われる直接民主主義

東京・小平市の住民投票を報
じる読売新聞 5月25,27日
東京小平市の住民投票は「不成立」に終わったが、直接民主主義の是非が問われているように思える。雑木林の中の1.4km区間の道路建設の是非をめぐる直接請求の住民投票は住民投票の成立条件である50%の投票率に達しなかったために不成立に終わったが、政治の政策決定における最も理想である直接民主主義に重要な問題を提起している。

行政が実施する公共事業などは昔の古い構想で押し通そうとするために住民との間でその是非をめぐって紛争が絶えない。

地域開発に関連するのであるから、地域住民の意向を取り込むことが重要だと思うが、話し合いはするが行政側に押し切られてしまう。背後に大きな利権が絡んでいることもある。

議員を動かす方法もあるが、地域住民の意向通りには行かないケースがほとんどだ。

そこで住民による直接請求と言うことになる。直接民主主義は手間暇のかかる政治形態だ。

小平市長は、「投票は市民の総意であるべきで、信頼性を担保するためにも投票率は50%が必要」と高いハードルを作った。

身近な政治課題に多くの住民が参加し、賛否を表明する事は当然であるが、小平市の場合は明らかに住民投票を拒否したい意思がありありだ。

結果は、投票率35%で「投票は不成立」→「開票せず」で住民側は公開を要求している。

しかし、ここは開票すべきではないか。あの憲法改正のための国民投票だって過半数の賛成を条件にしているが、投票率で縛るようなことはしていない。

考えてみよう。小平市長が言うように「市民の総意で、信頼性を担保する」為に50%が必要と言うのであれば、4月の小平市長選の投票率は37%なので投票は不成立になるのではないか。

小平市ばかりではない。多くの自治体の首長選を見ても先の千葉市長選は31%、八千代市長選は41%、高率な自治体もある。愛知県西尾市71%、高知県土佐清水市77%だ。岡山県瀬戸内市の無投票当選はどうなるのか。信任投票をやるべきではないのか。


行政の横暴、議員への不信などを考えると、直接民主主義のあり方を考える機会にしたらどうか。

国の借金:秒速370万円で迫る1000兆円越え

国の借金が秒速370万円の早さで1000兆円を越えようとしている。国債と借入金、政府短期証券を合わせた国の借金が3月末時点で991兆6011億円だったが、来年3月末には1107兆円に膨らむ見通しを財務省が公表した(讀賣新聞2013.5.27)。

GDPを470兆円とすると国の借金992兆円は対GDP比211%になる。これに地方分が含まれるとすでに1000兆円を超えて先進国一悪い財政状態だ。

一方で、資産もあるが、財務省は純債務残高でも対GDP比130%を越えており、こちらも先進国一悪いというのだ。ところが資産は500兆円あるので債務残高は何ら問題ないというエコノミストもいる。

更に油断している要因に、国民の資産は1400兆円あり、後5年ぐらいは国民が国債を買い支えてくれると言う意見もあるが、今国債を購入する海外の投資家が8%を越えている。海外投資家が何らかの原因で売りに走ると大変なことになると警告する意見もある。

消費税を上げる前に、国家財政の状況を国会で真剣に議論すべきであるが、その姿は見られない。

バラマキ予算を止め、財政再建が急務であるとする動きから、財政健全化を目指し、2015年に赤字対GDP比2010年度の水準から半減し、2020年に黒字化する国際公約をし、財政の健全化を目指すG20では例外扱いされている。

民主党政権ではマニフェストの目玉政策もあって92兆円のうち新規国債発行を44兆円に押さえた。対GDP比9.3%になるが、それでもギリシャの9.1%より悪い。

安倍政権は、甘利大臣が2015年目標は必ず達成するという。その内容は、成長戦略で税収を上げ、消費税を10%まで引き上げることらしい。

ところが、「経済成長のみでは財政健全化は達成出来ない」と財政制度等審議会が警告し、消費税増税だけでなく、社会保障費の効率化を含めた15兆円に上る収支改善のために更なる取り組みの必要性を政府に求めた(讀賣新聞2013.5.28)。

経団連も経済成長と両立した財政健全化の取り組みの強化を求め、2020年度までのPB黒字化には毎年度3.9兆円の収支改善が必要との試算を示した(讀賣新聞2013.5.28)。

再生制度等審議会の15兆円程度の収支改善、経団連の毎年3.9兆円の収支改善野志産を見ると消費税増税でも追いつかない感じがする。

問題の年々増加する医療、介護などの社会保障給付について、経団連は効率化と重点化しろと言うが、田村厚生労働相は公費の投入を増やし、現役世代の保険料負担を抑えるために、財源として法人税という考え方を示した(讀賣新聞2013.5.28)。

経団連は「法人税を25%以下にしろ」と要求しているが、共産党に言わせると企業は相当優遇されていることになる。

国民は勿論だが企業も財政健全化にしっかり協力すべきではないのか。法人税のあり方と、成長戦略にどう応えていくか、しっかり対応することだ。

2013年5月27日月曜日

好ましくない金利上昇:安倍総理は日銀、日銀は政府任せか

金融緩和でダブついたカネで株は乱高下、長期金利も上昇気味で、好ましくない金利上昇に警戒するも安倍総理は日銀任せ、黒田総裁は政府任せでは何か覚束ない。27日の株価に注目したが、日経電子版では10時の平均株価は353円安の14258円台後半、NYドルは100円91銭で日本市場の様子見だ。12時には585円安の14027円台、ドルは100円80銭で円高傾向で投資家の不安が続く。

株高、金利も低水準を保っていたときは安倍政権もアベノミクスを評価する発言をしていたが、都合が悪くなってくると「総理の立場としては話せない」とコメントする。

2年で2%物価目標、2年で通貨流通量2倍の大胆な金融政策発表時は、長期金利の上昇は想定していなかった。

政府は当初、意に介さなかったが急激な上昇は経済、財政、国民生活に大きな影響を及ぼすことを懸念して、安倍総理は「日銀に適切な対応を期待している」と言うだけ。

その日銀も、「出来るだけ回避していきたい」と言うだけで、市場関係者と意見交換するだけのようだが、政府には財政健全化に向けた取り組みを強く要望している。日銀自身には妙手はないようだ。

この財政健全化への道程は厳しい。世界各国が緊縮財政から成長路線へ舵切りをしていることからもわかる。

経済財政諮問会議でも民間議員が「財政健全化へ法整備をした方が良いのではないか」と提案したが、麻生財務相は「財務省は十分に頭に入れているので、その必要は無い」と即座に否定した。

財務省としては、予算編成で足かせになる事を警戒したのだ。

財務省によると、国債、借入金、政府短期証券をあわせた国の借金が3月末で991兆6011億円だったと発表した。来年3月末には1107兆円に膨らむという(讀賣新聞 2013.5.27)。

秒速370万円で国の借金は増えている。

日銀に打つ手はない。政府も頭にいれて対応する(麻生財務相)だけでは市場の信認は得られない。

アベノミクスも雇用の創出、賃上げと実体経済で効果が現れないと「ただの期待感」を煽っただけの効果しか無かったことになる。期待が大きかっただけに失望は計り知れない。

この急激な株価の乱高下、金利の変動をどう押さえていくか。安倍総理も黒田総裁も正念場を迎えることになる。


2013年5月26日日曜日

経済界は、日本の経済社会をどうしようとしているのか

日本経済団体連合会
経済界は、どんな経済社会を構築しようとしているのか。日本の経済社会をどうしようとしているのか。第3の矢・成長戦略が発表されると経済界トップは評価するが「おねだり」ばかりの経済界で、自らは何をしようとしているのか。「円安の今、やるなら 今でしょう」ということになるのだが、「政府・日銀笛吹けど企業踊らず」の構図ではないか。

期待感だけで株価、金利は乱高下する有様で、実体経済への波及としては「名目3%成長」、「雇用の創出」、「賃上げ」で「内需拡大」が目に見えてこなければ、一気の日本売りが始まる危険にさらされている。

円安傾向で、製造業の国内回帰が始まるのかと思っていたが、中国、韓国からミャンマーへ生産シフトするばかり。企業が設備投資を急いでいるが海外戦略転換で収益構造を変えるだけなのだ。

確かに国内は、未曾有の課題を抱えたままだ。

デフレ脱却、円高/株安対策、景気対策を目指す財政政策の一方で財政再建、原発再稼働に絡んだ不安定な電力供給、社会保障負担増、法人税率見直し、失業なき労働市場、TPP交渉など課題が多く、それがすべて企業活動と関連している。

デフレ脱却を目指した大胆な金融政策は、円高→円安、株安→株高へ転換したかに思えたが、1日に1000円も変動する株価、長期金利の上昇、それに伴う為替相場の急変動は企業活動の安定化には支障となる。

「日本経済再生に向けた基盤
整備 」 日本経済団体連合会
HPより
経済界は、今の状況をどう考えているのか。「日本経済再生に向けた基盤整備(2013.5.22 日本経済団体連合会)」が目にとまった。

「期待」を実体経済に波及させる「実感」に変えていくチャンスだと言い、需要の創出、投資や消費を喚起する成長戦略が欠かせないという。

そのために、国際的な事業環境のイコールフィッティングの確保のために5つの政策課題を考察している。

電力の供給不安、節電要請、電力料金の高騰は55%国内設備投資を減らすと、原発再稼働、買い取り制度の見直し、地球温暖化対策税廃止を提言している。指摘の通りだと思うが、原発再稼働問題は国民的コンセンサスが必要だ。原発は安全文化の劣化の張本人だ。

社会保障負担増で、経済界は賃上げ、雇用に慎重になっているという。事業主負担、法人所得でGDP比7.6%(2009年)になっており米5.0,韓国6.3,英国6.7に比べても高いというのだ。だから自助、共助、公助で社会保障改革をやれといい、税負担増を要求している。

法人税率実効税率も2012年38.01%、15年35.64%になるようだが、アジア諸国並みに25%に下げろという。でも、日本共産党の主張では企業は30%より低い税率になっているのではないか。日本は大企業、富裕者を優遇する税制なのだ。

それ相当の負担をするべきだ。

労働市場でも、失業率を低くするために、長期のデフレから脱却出来ず、構造改革の遅れる結果になっている。成長産業への失業なき労働の移動のために労働者派遣制度の見直し、職業照会機能の強化、公的職業訓練の拡充が必要だという。

昔の経済学書では、「労働力はスムーズに衰退産業から成長産業に移行する」と書かれていたと思うが、これは嘘だ。職業訓練は採用した企業が実施すべきで公的機能訓練など役に立たないのではないか。

要は企業がより良質な労働力をどう再生産するかだ。使い捨ての労働力の考えではうまくいかない。

経済循環の中での企業活動
(同上)
この資料で、「経済循環のなかでの企業活動」が紹介されている。

企業による付加価値生産額は275.1兆円で、政府の財源になる租税公課に9.1兆円、社会保険給付である社会保険料負担などに22.6兆円、政府財源と設備投資に当てる営業利益29.7兆円、雇用者報酬177.3兆円になっている。

ところで、260兆円を越える内部留保はどうなっているのか。クルーグマン教授が言うように労働者の犠牲の上に成り立っている企業利益を考えると複雑な思いだ。

最後に、企業自らが主体的に進化して競争力や生産性を高め、付加価値生産額の増加に努める必要があると言い、安全、安心な経済社会の構築といった諸課題についても、解決に向けた企業の取り組みが求められると企業活動の重要性を力説、政府の第3の矢をしっかり受け止めて、民主導の力強い経済成長に向けて貢献する決意を表明している。


政府は規制改革、構造改革を進めるとともに、企業は雇用の創出、賃上げに果敢に挑戦する姿勢が必要だ。長く続いたデフレ下での利益確保の構造に浸ることなく、内需拡大の向けた意識改革が必要なのだ。

2013年5月24日金曜日

23日、株急落1143円安:量的緩和に対する市場の不安の表れ?


23日の日経平均株価終値の1143円安には驚かされた。各国が続ける量的緩和に対する投資家の不安の表れなのか、景気回復過程での潮目の変化なのか。それでも24日の東証は10時10分には443円高の14926円台とテレビニュースが流れた。目まぐるしい乱高下に何に反応しているのか知りたいところだ。

市場にカネを流せばインフレになり、金利も上がることは常識らしい。問題はマイルドな変化か、急激な変化かかで違うのだ。今はカネ余り、実体経済への効果がまだない期待感だけで急激な回復過程にあるのだ。

23日は、アジア市場でも下落したが1~2%、日本だけ7%もの下落は「アベノミクス」に対する市場の警告になるのか。

日銀も想定外だった長期金利の上昇は、期待感だけの景気回復へ水を差すことになる。今まで意に介さなかった政府も円安、株高に重大な関心を持たずには入られなくなった。

エコノミストは、実体経済への効果を出すための成長戦略が必要だと言うが、政府の成長戦略を読んでもよく分からない。これで企業家が動くかと言うことになる。今までの政権とどこが違うのか。経済団体の幹部は評価するが、評価するのであればもう一歩踏み出せないのか。

市場は何に反応しているのか、新聞記事を漁ってみた。

米国経済指標での好転、FRB・バーナンキ議長の出口戦略発言、為替変動、長期金利、中国景気への先行不安、短期儲けでの手じまい、市場過熱に対する警戒感、欧州経済危機の静穏など世界的な変動に対応しようとしている。

上昇傾向が続けば、何時下落に転じるかに戦々恐々としている。こんな時は、ネガテイブな情報に反応しやすい。

逆に低水準であれば、何時上昇に転じるかが気になるもので、こんな時はポジテイブな情報に反応しやすいのではないか。

そして、投資機関は投資家に同じようなアルゴリズムのソフトを提供している。チョットした変動を読み取ってのコンピューター取引をしているので、その変動は大きい。
歴史のある十文字屋証券が、今のようなコンピューター取引にはついて行けないといって証券業を廃業したのはまだ新しい。

一定の株を持ち続ける安定株主が少なくなったのだ。当然だろう。今は海外投資家の売買代金シェアーは60%を占め、買い越しも半年で8.5兆円になるのだ。

その外人ファンドの最優先投資先は日本株だというが、注目しているのは「雇用」「賃金上昇」だという。

アベノミクスも雇用、賃上げで実体経済に効果が出てこなければ、一気に日本売りに走ってしまう危険もある。

円安、株高の取り敢えずの水準をどこに置くか。リーマン・ショック前と見るのが常識だろう。

2013年5月23日木曜日

黒田・日銀総裁の本音:金利上昇は想定外でも量的緩和修正できず?


黒田日銀総裁は、金利上昇という想定外の現状にあっても、量的緩和の修正が出来ないのだ。22日の政策決定会合後の記者会見での黒田総裁の表情を見ていて苦悩していることがありありだが、景気判断を上方修正し量的緩和を継続することを強調した。

米・FRBのバーナンキ議長も、縮小意見もあるが緩和継続の方針を打ち出した。

注目される長期金利も22日には0.885%で上昇しているが、株高、円安がすすんでいるなかでの限定的な現象で、「急に跳ね上がることはなく、実体経済には大きな影響はない」と従来の見方を繰り返した。

それでも国債購入を断続的に行うなどの対応を強調し当初の量的緩和の続行を決めた。

当然だろう。買い入れペースを落とすと、市場は一気に円高、株安に動くのではないか。それは大胆な金融緩和を約束して総裁に就任したばかりの黒田さんには出来ないことだ。

時期尚早な金融引き締めは景気回復が減速するか、終了する著しいリスクを伴うことになるのだ(讀賣新聞2013.5.23)。

黒田総裁もFRB・バーナンキ議長も、そう考えているのだ。

2013年5月22日水曜日

みんな、維新の選挙協力解消で都議選はどうなる

都議選に向け政治ポスター花盛り
東京・大田区久が原にて
都議選告示まで1カ月を切った今、橋下共同代表の従軍慰安婦問題で、みんなの党と日本維新の会が協力関係を解消した。都議会第一党構想も消えたことになり、来る都議選、続く参院選はどうなるのか。

もともと渡辺さんは、江田さん主導での維新の会との選挙協力構築に不快感を示してたので、今回の問題は解消に向け絶好のチャンスと見たのだろう。早くから見直しに言及していた。

一方の維新の会も都議会第一党、第三極構想を目指し、「地方から国を変える」と並々ならぬ意欲を示していた。みんなの党からの協力解消申し出に最後まで見直しを迫っていたのだ。

そもそも今回の都議選は、民主党の凋落、自民党の圧倒的強さで政策の争点が見えなくなっていた。猪瀬都政に対抗する政策が見えないのだ。

猪瀬知事が誕生したことも不可思議だった。

1年半前、石原さんが勇退し、後継に元神奈川県知事を押したが、元宮崎県知事に勝てないということが分かって再び立候補することになったいきさつがある。この時石原さんは「猪瀬ではだめだ」と言っていたのだ。

その猪瀬さんを後継に押しての前回の知事選だった。1年半で「猪瀬以外に適任者はいない」となったのだ。猪瀬さんはなかなか立候補の表明をせず、後だし表明で430万票を勝ち取った。

私に住んでいる大田区での都議選立候補予定者の顔触れを見てみた。

定数8人に14人が立候補している。

自民党現職が3人、公明党現職2人、民主党現職1人、共産党1人に維新の会1人が現職だ。

この維新の会の現職は民主党から移った議員で、民主党は新人を立てて2議席回復を狙っている。維新、みんなも新人を立てての混戦模様だ。有権者がどう判断を下すか興味がある。

予想では自民党の圧勝と言われているが、自民党は有頂天になってはいけない。地方の市長選で自民党候補者がは破れているのだ。

近くに政治ポスターが貼られる場所がある。都議選候補者のツーショットのポスターをみると、自民党候補者が安倍総理と猪瀬さんとの2種類のツーショット写真を使っている。アベノミクスで支持が高い安倍総理を使う一方で、430万票を勝ち取った猪瀬さんの力にもあやかろうとしている。

民主党候補者と言えば、松原仁衆議院議員と細野幹事長のツーショットの2種類を使っている。松原さんはこの選挙区では2000票差で石原さんに敗れたが比例で復活したのだ。あれほどの民主党逆風下でも議席を得たのだから人気はある。

不思議に海江田代表とのツーショットは見られなかった。菅内閣で経済産業相になったのは良かったが、東電・福島第一原発の事故処理で菅総理とうまくいかず委員会席で泣いたのがまずかったのか。根本的に人気がないのか。

都議選告示が迫っている。維新の会、みんなの党に有権者がどう判断を下すか。注目だ。

維新の会、みんなの党の政治ポスター
維新の会の現職候補は民主党からの
鞍替えぐみ、他に新人1人を立てる。鞍
替候補者が支持を得られるか。
みんなの党は候補者を1人に絞った。
でも、これは決裂前か決裂後かわからない。
東京・大田区久が原にて








2013年5月21日火曜日

財政制度等審議会が「日本経済の構造改革」提言:「内需拡大」はどうなったのか


果てしなく続く「日本経済の構造改革」提言だが、言われている「内需拡大」戦略はどうなったのか。財政制度等審議会が提出する報告書に、また「財政支出に頼るのではなく、日本経済の体質を構造的に改善すべきだ」と提言するそうだ。

讀賣新聞(2013.5.21)によると、「経済成長すれば財政健全化が実現する訳ではない」と指摘し、プライマリー・バランスの国際公約を堅持するには、財政支出に頼らず、日本経済の構造改革を提言している。

何時の政権も経済政策に「内需拡大」を唱えているが、うまくいっていない。家計に刺激を与えて内需主導の経済成長を目指しているのだが、企業は利益を上げても家計に分配されない事が要因らしい。

内需拡大というと「前川レポート」だ。

1986年、当時巨額の貿易黒字が国際問題となり、米国などからの外圧もあって内需拡大を謳い、具体的な提言を行ったが、外需主導の経済を転換することは出来なかった。

その後、2008年にも当時の福田総理の肝いりで「「日本経済の構造転換」をめざす「21世紀前川版レポート」」が提言された。国際競争力も低下し、今後は人口減もあり、「若返り」が必要で10年後に出生率1.8まで回復するなど5項目の政策提言があった。

この21世紀版前川レポートでも、成長の果実の配分の考え方に賛成できないとして、内需拡大への重要な視点は示されず、具体的な戦略はなかったと言われている。

そして政権が変わり、民主党・鳩山政権はG20サミットで「内需拡大に思い切って経済を転換する」と国際公約した。G20ではオバマ大統領が米国は過剰消費を是正し、日本、中国、ドイツは内需拡大に努める不均衡是正を主張していたのだ。

当時民主党政権が掲げた「子ども手当」「コンクリートから人へ」「高速道の無料化」「ガソリン暫定税率の廃止」などマニフェストの掲げられた政策も輸出主導から内需拡大での経済成長を目指すものであったのだ。

しかし、「内需拡大」は大きな課題であるが、構造改革も難しく、今後人口減で一層内需は減ると見られているのだ。

安倍政権は、経済界に向けて賃上げの要請をしているし、規制改革を含め成長戦略を打ち出している。それが内需拡大にどう影響するか分からないが、家計に刺激を与えて消費を拡大することは大事だ。

取り敢えず、円安が進むことにより海外生産委託が国内に回帰する傾向はあるようだ。

テレビ東京だったと思うが、情報番組でデパートの紳士服売り場の責任者が、今まで縫製を海外に委託していたが円安により縫製を国内で委託することにしたという。国内回帰の傾向が出てくればしめたものだ。

米国でも、オバマ大統領はドル安政策、減税などで生産設備の海外から国内回帰を目指している。

実際に米国の製造業が国内回帰で復調の兆しを見せているという。

微妙なサイズがあわない品質に問題があり、顧客が逃げていたが中国の高騰する賃金、輸送費が重荷になり米国内で製造してもコストに大差がないことになり中国への外注を解消したという。食品でも指定した原材料を使っていなかったようだ(讀賣新聞 2013.5.21)。

何時の時代の審議会も内需拡大への経済構造の転換を提言するも、規制改革を含めてなかなか進展しないのも事実だ。

デフレ下でも収益を上げる経済構造を作り上げ、それにしたっている企業の意識改革こそ、内需拡大には必要なのではないか。円安を機に「内需拡大」策をしっかり議論すべきだ。

2013年5月20日月曜日

北朝鮮ミサイル発射:飯島会談不調の証しか、軍部の抵抗か


北朝鮮がミサイルを発射した。期待していた飯島内閣参与との会談が不調に終わった証なのか、対話を嫌う軍部の抵抗なのか。本当に北朝鮮って不思議な国だ。あれだけ厚遇(?)されていた飯島内閣参与の訪朝を、飯島内閣参与が北朝鮮を離れた途端に、日本海に向けたミサイルを3発発射したという。なぜだろうと思うが、飯島内閣参与との会談が不調に終わったの証し(腹いせ)か、それとも対話を嫌う軍部の抵抗ではなかったのか。

飯島内閣参与は「真摯な話し合いができた」「本音で話し合った」と感想を述べていたが、相手は長年日本との懸案事項を担当してきた宋大使だ。今までの方針を大きく方針転換することは考えられない。従来の北朝鮮の考え方を繰り返したのではないか。

それでも拉致問題のほかに中央本部の競売など重要な案件があるために、NO2といわれる金永南氏が、「重要な使命を持って・・・」とおだてながら「駄目押し」で、懸案事項に「何とかならないか」と念を押したのではないか。

通訳も日本人ではなかったようだ。飯島内閣参与の発言を正確に相手側に伝えているかは疑問だ。都合のいいように通訳されたらどうするのか。

飯島内閣参与が「御用聞き」のつもりで訪朝したが、重い課題を背負って帰ってきたことになる。

一方で、抜けがけ外交と見る米国の不信感を増長させた外交上の失点は大きい。拉致問題は日本特有の懸案事項だと言っても、今は日本単独で解決できる問題ではなくなってきている。

メデイアは何も言っていないが、ミサイル発射は、対話を嫌う軍部の抵抗ではなかったのか。北朝鮮もまとまっていないのだ。








2013年5月19日日曜日

原子力行政:安全が政治を越えられるか

読売新聞 2013.5.16

原子力規制委員長が「これで欧米並みの基準になってきた」と言う新規制基準が7月から施行されることになったが、これで原子力行政において安全が政治を超えられるか。今、原発は再稼働を目指して、敷地内の活断層の存在が原発企業と規制委員会の間で激しい議論になっている。

安倍総理は率先して海外での原発施設の商談に余念がないし、政界では「原発の再稼働を促進する議員連盟」が立ち上がり、安倍総理も「規制委の新基準に基づく原発の安全審査を尊重する」と言いながら経済界からの要望が強い再稼働に意欲を燃やしているようだ。勿論「地元の理解を得つつ」と条件を付ける。

しかし、原発敷地内の活断層の存在は、企業にとっては存続の危機だし、周辺自治体、地域住民にも死活問題として生活に大きく影響する。

何故、「今頃こんな問題が」と思うが、「原発建設促進」の考えで建設計画時の審査が甘かった点もあるが、建設後に活断層が見つかった場合の規定もないようだ。

新聞報道では、日本原電・敦賀発電所の直下の活断層は「耐震設計上考慮すべき活断層」と初めて認められ、廃炉の可能性が出てきた。

その時、原子力規制委員会の委員長代理が「これまで事故がなかったのが幸い」とコメントしていたが、市長は「活断層としても耐震設計されていれば原発は動かすべきだ」と地元の意見を代弁していた。

確かに耐震設計されていれば安全のように聞こえるが、敷地がグラグラ揺れる程度ならいいが、活断層真上なら地割れ、大きな亀裂が発生するのだ。

高速増殖炉の「もんじゅ」も安全意識、安全管理に重大な疑問が出てくる。規制委員会は安全文化の醸成、安全確保の取り組み、責任の明確化を指摘し、準備作業中止命令をだした。10,000件に及ぶ点検漏れが指摘された時、理事長は「形式的ミスは避けられない」と強弁していたが、辞任に追い込まれた。

敷地内の断層が問題になっているのは、敦賀以外に北陸電力志賀、関電大飯など5か所あるという。

規制委員会の専門家チームが活断層とみとめたものを覆すのは並大抵のことでは無理なようだ。日本原電は、規制委に対して見直しを要請する一方で、海外の専門家に検証を依頼している。徹底抗戦の様相を呈してきた。

企業の存続にもかかわることだから必死だろう。

経済産業省の試算では、再稼働せず廃炉にしたときには、総額で4.4兆円かかるらしい。このほかに電気代の値上げは企業の生産活動、国民の生活にも大きな影を落とすことになる。

各種発電コストを比較してもウラン1gは石油2000リットルに該当するなど原子力発電はメリットが大きく発電単価は56円/kWhと低いが、実際には2倍ぐらいかかっているようだ。太陽光49円、風力1014円だが自然エネルギー活用が進んでいるドイツでは風力発電、太陽光発電での電気代の家庭負担は驚くほど高い額だ。

安倍総理が、一つ一つの原発の再稼働にどう判断を下すか。「安全が政治を超えられるかどうか」は、安倍総理の決断一つだ。

東電・福島第一原発事故の反省から
浜岡原発の運転停止を要請したこと
を伝える菅総理記者会見
2011.5.6NHKニュースウヲッチ9
思い出してみよう。民主党・菅総理(当時)が、東電・福島第一原発の事故後、浜岡原発のすべての原子炉の運転停止を中部電力に要請した時のことを。いつ起きても不思議ではない東海地震の震源域のど真ん中にあり、地震学者など学識者もその決断を評価した。

これを菅総理の勇み足と見るか、政治決断と見るか。

その浜岡原発も防潮堤のかさ上げ、非常用電源確保などの対策で再稼働を期している。

今、東電・柏崎刈羽原発を始め5基の原発が再稼働申請を予定しているらしい。地元の新潟県知事は「福島第一原発の事故の検証結果が示されるまでは再稼働の議論はしない」と、地元自治体の同意が取れるかどうかは、住民が納得する事故調査にかかっている。

規制委員会の安全性の判断か、政治判断が下されるのか。原子力行政から目が離せない。

2011.3.20 テレビ朝日


量的緩和を何時引き締めるか:米国は間近? 日本は拡大中


量的緩和を何時引き締めるのか。日本はアベノミクスと黒田日銀の「異次元の金融政策」で量的緩和を拡大中であるが、米国は引き締めが間近ではないかとの観測が流れ、市場は円売りドル買いが進んでいるという。

17日の日経平均株価は15、138.12円、為替は1ドル102円台半ばで、実体経済を伴わないバブル経済の始まりが危惧されているが、リーマン・ショック前にはまだ届かない。

米国経済もダウ平均で15,000ドルを超え雇用、住宅市場の改善もあって好調さを呈しているが、巨額な金融緩和が相場を支えており、自律的回復には疑問符が付くという(讀賣新聞 2013.5.9)。

この株高は、量的緩和政策で溢れたカネが株式市場に流れ込んだ「バブル経済」で、いつかははじけると警告するエコノミストがいる一方で、18,000ドルも可能性があり、決して「バブル経済」ではないというエコノミストもいる。

「バブルかバブルでないか」は、それぞれ議論があるようだが、見方をどこに置くかによって見解が分かれているようだ。不動産、金融に目線を合わせれば「バブルか」ということにもなる。

これが、緩和から何時、平時に移すかのポイントにもなる。

日本は安倍総理の強い要望もあり日銀は「2年で2%物価目標」を設定した。米国は昨年2%「見通し」を目安(ゴール)に変更した。インフレ目標を導入したことになる。これで市場に金融政策の狙いを理解してもらうためだと言うが、日銀も考え方は同じだろう。

これによりインフレ率が2%を下回れことが続けば追加緩和が必要になるが、2%に押さえるためには目前での金融引き締めが必要になってくる。

バーナンキ議長は、量的緩和継続の姿勢をとっているが、連邦公開市場委員会(FOMC)では、カネ余り、副作用から「資産購入のペースを増やすか、減らすか」の議論が出ている。

新聞報道をめくり返すと、3月19,20日には「年内終了」をにおわせ、5月1日には「ペースを増やすか、減らすか準備がある」と言い、5月16日にはサンフランシスコ連銀総裁が「今夏にペースを減らす」見方を示した。

中央銀行としてはリーマン・ショック後の異常な緩和政策から、平時の政策運営に持って行きたいのだ。

我が国でも、2%物価目標が審議されたとき、野党議員の「2%の見通しが出たときに止めるのか、2%を確実にしたときか」と出口戦略についての質問に、安倍総理は「専門家に判断を任せるが、中途で止めて効果が出なかった例がある」と日銀を牽制していた。

黒田総裁は「バブル経済はつきもの」と今現れている現象を意に介さないようで、量的緩和を拡大中である。

日銀が国債の買い入れを止めたとき、どのくらいの国債を保有しているかは大きな問題なのだ。

日銀は長期国債を今、99兆円持っているが、2014年末に190兆円まで増やす。総資産は173兆円から290兆円に増えるのだ。対GDP比約60%と言う先進国に比べて異常な多さだ。

日銀が国債を買います事で国債価格が暴落する危険もあるし、出口戦略で保有国債を売却するときもやり方によっては国債価格の暴落を呼ぶことになる。

リーマン・ショック後、米は通貨流通量を急増させ、今そのペースを落とす議論を始めているが、日本は緩慢な増加を続け、今量的緩和を拡大中である。

クルーグマン教授は、株式、債権ともにバブル状態にあるという根拠は弱い。バーナンキ議長は、バブルをぺちゃくちゃと主張する財界人達など無視し、自分の仕事をどんどん進めるべきだという(朝日新聞2013.5.16米国経済はバブルか)。

要するに、量的緩和を継続しろというのだ。

どちらが正しいのか、素人には分からないが「緩和策から何時、平時へ戻すか」。銀行の普通預金・金利が5~6%だった頃に1日も早く復帰してほしいと思うのだが・・。 

2013年5月18日土曜日

従軍慰安婦問題で四面楚歌:それでも「日本維新の会」を支持するか


橋下さんの従軍慰安婦の問題発言が弁解するも収まらず、基本的部分では撤回しない事で、国内はもちろんのこと海外からも激しい批判を浴び四面楚歌の状態だ。一度は擁護した石原共同代表も、余りの風圧に歴史観で橋下批判に転じたと思ったら、西村さんが橋下擁護のつもりが不穏当発言で除名処分になった。

橋下さんの発言は「本当はそうか」と思う面もあるが、ストレートに表現するのに躊躇するのが普通であるが、それを橋下さんは言ってしまうことに違和感がもたれる。

野党は維新の会に距離を置くようになったし、みんなの党は選挙協力を凍結すると言う。野党の不協和音をにんまりするのは自民党だろう。タカ派の安倍総理も自民党とは考え方が違うという。

選挙カーの上で、堅い握手をし、ひそひそ話しに相づちを打ち合っている橋下さんと渡辺さんの姿を「あれは何なんだ」と首をかしげたくなる。

それでも、「日本維新の会」を支持するか。

最近のメデイアの世論調査でも、日本維新の会の支持率は下落し、民主党とならんで5~6%だ。両共同代表が言うまでもなく、「賞味期限切れ、年内消滅」の危機だ。

そもそも、政党の体をなしていない。

2人の代表はバラバラなことを言う。国会議員団と橋下さんの間もしっくりいっていない。国会での記者会見を橋下さんがメールで批判するお粗末さは「それでも政党か」と疑う。

今回の騒動も参院選前だったことが唯一の慰みだ。選挙で支持した後に、こんな問題が起きたら有権者、支持者はどう思うだろうか。

石原さんも橋下さんも、「自民党一人勝ちを許すな」という前に、党をしっかり立て直すことが必要ではないか。政党助成金も出るはずだ。税金の無駄遣いであってはならない。

2013年5月17日金曜日

飯島内閣参与訪朝(2):その目的は北朝鮮要求の御用聞き?


飯島内閣参与の訪朝目的が見えてきた感じだ。テレビニュースで飯島さんが北京空港に着き、報道陣に揉みくちゃにされている映像を見て、飯島さん自身も事の重大性を再確認したのではないか。飯島さんは、その時報道陣に「どのような質問にも一切受け付けない。内容も答えられない」と言い、これから会談内容を精査するとも言ったようだ。

訪朝を極秘にしたかったようだが、北朝鮮の思惑でオープンになってしまったことは計算外だったようだ。

今回の目的は、拉致問題など停滞している懸案事項を進展させるためには、北朝鮮側がどう考えているのか、要求を御用聞きすることにあったのではないか。

北朝鮮NO2の金永南氏との会談の内容が、北朝鮮テレビ局の都合のいい箇所だけ細切れに伝わった。

金氏は「重要な使命を持って・・・」と言うし、飯島さんは「宋大使と十分に話し合った」といったようだ。

このことから、日本と北朝鮮に関わる懸念事項とその打開策について十分に話し合い、最後に金氏が最終確認し、次のステップに行くには安倍総理訪朝による首脳会談を経て拉致問題などを進展させると言うことではないか。

懸念事項には拉致問題を始め、中央本部の競売の問題、朝鮮人学校授業料の無料化などがありそうだが、飯島さんが帰国してからこれらの問題がどう動くかに注目しなければならない。

でも米、中、韓の基本方針は「非核化」を前提にした包括協議だ。日本は厳しい局面を迎えることになる。

他国のことは置いておいて、どうしても拉致問題を解決したければと北朝鮮に譲歩を重ねて首脳会談に持って行き、次のステップにつなげる事も考えられる。

一方、米国、中国、韓国の理解を得て日本特有の拉致問題に関わる懸念事項を解決して行くには無理があると考えるべきではないか。韓国は今回の飯島内閣参与の訪朝を「為にならず」と否定しているし、米国も拉致問題を解決しようとすることには理解を示しているが、「米国だって拉致問題には重大な関心を持っている」というように包括協議すべきだとの考えを変えていない。事前相談のない訪朝に不満を述べている。

安倍政権の北朝鮮外交から目が離せない。

GDP+3.5%、高級品、ブランド品消費伸び:どの家庭の話?、増税GOへの足慣らし?

内閣府が、1~3月期のGDP0.9%増、年率換算で実質3.5%増の成長になったと発表した。円安、株高で輸出が伸び、高級品、ブランド品も買われ、個人消費も好調だったというのだ。これも「アベノミクス」の効果だと甘利経済産業相はコメントした。

政府はなんでも「アベノミクス」の所為にして、政権の政策の正当性を強調するが、設備投資や雇用の面ではまだ見通せない。企業は低賃金、低コスト、株主還元、内部留保に慣れっこになって、政府が言う意識改革など期待薄だ。

消費の伸びといっても、一体どの家庭の話だ。我が家には縁遠い話だ。

確かに、今銀座のブランド店が並ぶ通りを歩いてみても、以前はドアマンと店員しか見なかった店内にお客の姿が目立つようになり、時計や宝石類の棚を覗き込んでいる。

環八を走れば高級外車のデイーラーにお客の姿が目立つ。中には若い2人ずれもいる。

私が住んでいる地域では、一戸建ての家屋を潰して集合住宅などの建設ラッシュだ。既設マンションの空き室広告、中古マンションの広告はめっきり減った。

しかし我が家は、そういった消費の伸びには無縁のようだ。

家内は毎朝の新聞の折り込みをじっくり見ている。「今日はどのスーパーの肉が安い」、「このスーパーはポイントが5倍付く」などと言って少しでも生活費を節約しようとする。

車も乗り出して8年になるが、車検を受けるつもりだ。高級車はいつまで乗っても飽きがこない。安いものはすぐ飽きて更新する。昔から「安もの買いの銭失い」とはよく言われた。

株も少し持っているが、売って何か買う予定も今のところない。アベノミクスの期待感だけで高価な買い物をする気持ちはない。

消費税へGO判断する条件に成長率があるが、増税は既成事実といわれているので、その足慣らしの数値ではないのか。

政府であれば数値などいかようにもねつ造できる。

経済は好転しているといっても「期待感」が主で、副作用として長期金利の上昇がみられる。その乱高下で「市場は壊れた」とまで言うエコノミストもいる。

しかし、実体経済への効果も出ていない、期待感だけのこの時期の増税は景気回復の腰を折り、冷え込ませる危険を指摘する声も大きい。自民党・橋本政権での増税は景気を後退させたことを忘れてはならない。

リフレ派で安倍政権の経済政策を応援するエール大の浜田さんも「増税を1年間伸ばす選択肢もある」と発言していた。

でも増税を伸ばせば、財政健全化で国際的信用を落とすことにもなりかねない。

安倍総理は、秋口に厳しい判断を強いられることになりそうだ。

















2013年5月16日木曜日

飯島内閣参与訪朝:厚遇される程、何かを勘ぐることになる


14日、飯島内閣参与が北朝鮮の平壌空港に降り立った映像には驚かされた。参院選に向けて何かサプライズをやるのではないかと言われていたが、北朝鮮への電撃訪問だったのだ。米、中が北朝鮮への制裁を強めた矢先に、窮地に立った北朝鮮に手をさしのべる格好になったのだから今後の外交に懸念が出てくる。

報道では、北朝鮮から触手を伸ばしてきたという。平壌空港での出迎え映像は、アメリカ、中国、韓国に「これ見よがし」と言わんばかりの映像だ。日本は極秘にしようとしたらしいが、北朝鮮はオープンにしてしまった。

今回の訪朝目的、会談成果は、北朝鮮側の会談相手次第だと専門家が指摘していたが、16日の報道で序列2位の金永南氏と会ったと言うのだからただ事ではなくなってきた。

米国のデイビース特別代表は日本の出し抜けに不満を表明していた。中国は経由するために事前に説明を受けていたのだろう肯定的姿勢だが、日本を無視する傾向の韓国は「為にならない」と批判する。

当然だろう。菅官房長官も韓国の批判を「よく分からないが、日米韓の関係は大事だ」というだけだ。

実際問題として何しに訪朝したのか。

対北朝鮮での課題は、拉致、核、ミサイル問題の包括的解決があるが、米は六カ国協議の場での解決を目指していたが、今回のミサイル発射騒動で停滞傾向だったが、何故か日本が出し抜いた感じだ。

国会で質問された安倍総理は「ノーコメント」と言うだけだ。これでは政府要人が訪朝した意味が分からない。「6カ国協議が行き詰まっている今、拉致問題を始め、日本や近隣諸国が危惧している核、ミサイル問題を打開する為のあしならしだ」とでも言えなかったのか。

招かれた訪朝とはいえ、老練な外交で知られる北朝鮮だ。常に何かを得、日本は国益を失う弱腰外交だった。何でも金次第の北朝鮮外交に日本はどう対応するのか。

テレビ朝日のインタビューだったと思うが、飯島さんは「進展に自信がある」といっていたが、拉致問題に打開策が見えてきているのか。
ただ利用されて終わりでは、日本の外交姿勢を問われるだけだ。

量的緩和→長期金利上昇:市場をコントロールできなくなった日銀?


日銀の大胆な量的緩和の結果、市場は反応し、円高から円安、株安から株高へ大きく動いた。企業の決算が大きく改善したこともあり、安倍総理の言う「強い日本経済を取り戻す」ことも夢ではなくなった感がするように思えた。

ところが株高は、債権より株へ市場はリスク・OFFからリスク・ONへシフとしている結果、国債下落→長期金利上昇という日銀の思惑とは逆に、景気を冷やし、国の財政にも大きく影響を及ぼす結果になりつつある。

株価が続伸し15000円台に入ると、長期金利も昨日(15日)は、一時0.920%まで上昇したが、国債を買い戻す動きも出て0.850%まで下がった。

アベノミクス、日銀の2年で2%物価目標、通貨流通量を2倍にする金融政策発表以来、円安、株高が進み長期金利も上昇する不安な面も出てきた。

この現象も、国会審議で安倍総理は「変わり目だ」と意に介さない答弁をしているし、黒田総裁は「急にはねることはない」と会見でコメントしていた。

しかし、最近になって政府(甘利経済産業相)は、「注意深く監視」と姿勢を変えてきた。

一体、長期金利はいくらを念頭に置いているのか。

調べてみようと思った矢先に、讀賣新聞(2013.5.16)「国債想定金利までは余裕」という記事が目にとまった。

それによると国債費(22.2兆円)の前提となる長期金利は1.8%が見込まれており、まだ余裕があるというのだ。でも1.8%を上回ると一般会計で国債費を追加する必要がある。財務省の予算編成の自由度がなくなってくる。

今までは、国は2%程度の金利を見込んでいたのだ。

好ましくないバブル経済の始まりは、政府、日銀が目論んだこととは違うはずだ。黒田総裁の言う「バブル経済はつきもの」がいつまで、どこまで通用するか。

日銀は、市場をコントロール出来なくなってきたのではないか。

2013年5月15日水曜日

大気中のCO2観測値 400ppm越え:「目を覚ませ」というが枠組み不調、人為説に疑問



大気中のCO2濃度が400ppmを越えた。「目を覚ませ」と言うが、枠組みは不調で、人為説への疑問も拭えない。

ハワイのマウナロア観測所で5月9日CO2濃度が400ppmを越え、NOAAは「温暖化が加速している」と警告しているニュースをメデイアが流した。4月にもアラスカ、アイスランド、ノールウェイ、カナダで400ppmを越えているという。

我が国でも気象庁が2012年3月大船渡市の観測点で4001.2ppm、4月に402.2ppmを観測、各地の月平均値が過去最高になっていることから北半球では400ppmを越えるだろうと予想していた。

朝日デジタル 2013.5.11
国連気候変動枠組み条約事務局長は「歴史的な境界を越え、新たな危険領域に入った」と「目を覚ませ」と警告(讀賣新聞2013.5.14)、400~440ppmを継続すると気温は2.4~2,8℃上昇すると言う(毎日jp2013.5.11)。

400ppmを越えたことが何を意味するのか。

1997年に採択された京都議定書は、先進国では経済成長を減速させ、削減に多大な費用を要することには抵抗があるし、これから成長路線を進めたい途上国ではCO2削減で足かせをはめたくないし、先進国からは資金援助を受けたい思惑が絡み合って枠組は不調続きだ。世界の排出量の44%を占める中国やアメリカが参加せず、日本など排出量の低い国が削減にがんばっても効果の程はしれている。

費用対効果の意識が出てくると、当然離脱者も出てくる。COP17で日本は期間延長を拒否し離脱した。

特に日本は、「20年に90年比で25%減らす」と民主党政権時鳩山総理が国際公約をしたが行き詰まっている。政治主導といって省庁間の密室議論に各界から批判が出た。更に原発が停止している状況では、2012年度は削減率1%に悪化するという。

2012年11月26日に開幕したCOP18では、「世界の気温が4度上昇する恐れがある」と警告した世界銀行の報告書は波紋を広げ、2020年以降の新たな枠組みを検討、米国、インド、中国すべての国が参加し、COP21で採択するそうだ。

国内問題も満足に解決出来ないのに、各国が協調して地球温暖化防止のための政策を決め、実行することなど不可能に近い政治課題なのだ。

うまくいかないもう一つの要因にCO2人為説に対する根強い疑問があり、世界的コンセンサスを得にくい面もある。

CO2人為説vs自然変動説だ。

悪いことに温暖化データのねつ造疑惑が発覚した。IPCCの第4次評価報告で、科学的立証がないのに誤った記述を載せ(ヒマラヤの氷河が2035年までに消失する可能性)、政策決定者や政治家に衝撃を与えようとした事件が起き、衝撃が走ったが検証結果「結論は変わらず」と言うことで1件落着した。

スーパーコンピューター地球シミュレーションで検証した結果、気温の観測値のトレンドは太陽放射変動や火山噴火などの自然起源の気候変動要因だけでは説明がつかないが、温室ガスや硫酸エーロゾルなど人為起源の気候変動要因を考慮すると合致してくることから、CO2人為説が通説になった。

これに天体物理学者、気象学者が異を唱え、「自然変動説」が出てきた。

アラスカ大の赤祖父先生は、今の地球温暖化の要因はCO2が絡んでいることは否定しないが、5/6は自然変動要因,1/6がCO2人為説と言う。以前CO2人為説と自然変動説、その他の専門家からなる議論を見たことがあるが、お互いに自分の説を主張しあい、データの取り方、読み方を批判し合うだけでいつも平行線の議論になる。

各分野の専門家が広く会議を起こし議論して疑惑を最小限にして、コンセンサスを得なければ、いまのような先進国と途上国の果てしない対立になるのだ。

地球温暖化を何で身近に感じるか。

よく映像では、海に浮かぶ割れた氷床の上で遠くを見ているシロクマの姿で、餌をとることが難しくなったので北極に近い村にまで出没するようになったというナレーションがあったが、イヌイットの村で長年暮らす日本人が一時帰国の際に言った言葉が思い出される。

彼は「専門家は何も知らない。シロクマはむしろ増えている」というのだ。学者は現場を知らずに発言しているとも言う。

私たちも、豪雨、洪水が増えれば温暖化のせい、夏日が増えれば温暖化のせいにしやすい。

環境省が温暖化の影響について纏めた報告書が出ている。洪水が起きる確率は1.8~4.4倍、東京、伊勢、大阪湾の海抜ゼロm地帯の面積が1.5倍までなる、ブナ林の分布適地68%減少、コメの収穫0.95,熱ストレス死亡リスク3.7倍まで増えると予想している(讀賣新聞 2013.4.10)。

枠組作りが不調で対策が遅れていることは、効果があるかどうか分からない温暖化対策に巨額の費用を出資することを避ける効果があるのではないか。

2013年5月14日火曜日

橋下さんの慰安婦制度発言:「行列のできる法律相談所」の延長線上の発想?

橋下さんの慰安婦制度に関する発言が物議をかもしている。橋下さん流の「行列ができる法律相談所」の延長線上の発想で発言しているのだろうか。人気のあるテレビ番組「行列のできる法律相談所」では、司会者が法律問題を出すと北村弁護士が正当論で論述するが、それに異論を唱えて橋下流の発想で正反対の解釈を披露し、番組を盛り上げるパターンが人気を博した。

政治の世界でも、橋下さんの考えは異に映ったが、考えてみれば正論であり、民意を反映しているものが多い。むしろ当たり前と思って通用していたことが、間違った考えであったことを認識できる事例が多かったのではなかろうか。

そうはいっても、すべてが理解を得られるわけではない。

日本維新の会の党内事情もあって、世論調査での支持も低く、両代表から「賞味期限切れ、年内消滅」発言が出る始末だ。

そんな中での、橋下さんの「慰安婦制度の必要論」が飛び出したのだから、「女性の人権軽視」と批判が渦巻いた。

「なぜ、今そんな発言で問題をぶり返すのか」が、多くの国民の本音ではないか。歴史問題は複雑で難しい。一度政府の統一見解が出ているのを「見直す」とか「村山談話はしっくりしない」と総理や与党の幹部が言い出しては「あれは何だったのか」と不信感がわいてくる。

橋下発言の背景に、普天間飛行場を訪問した時、「米兵の性的エネルギー解消に、法律で認められている範囲内の風俗業を活用してほしい」と米軍の司令官に行ったそうだ。司令官は禁止しているし、もうこれ以上この話はやめようと話を打ち切ったという(朝日新聞2013.5.14)。

米国防総省の報道官も「ばかげている」とコメントしたそうだが、どうして日本の政治家はくるっているのか。

だから、韓国も日本を無視して中国、米国に外交をシフトする行動に出ているのではないか。

橋下さんも安倍総理の「歴史認識」の理解を示し、政治での連携をもくろんでいるようだが、安倍総理は選挙も控えて守勢に方針転換したようだ。

橋下さんの考えに共感すべき点、教えられる点も多いが、国政に進出した以上は持論を押し通すことは控えるべき局面も考えなければならないのではないか。







2013年5月13日月曜日

民主党大反省会:一番大変な時に政権を担った菅元総理ではなかったか


11日の民主党大反省会のニュースを見て、参加者から批判ばかり受けた菅、枝野、長妻さん達だが、一番大変なときに政権を担った菅元総理達ではなかったか。政権を取る前は人気のあった菅さんだが、何故こうも評判が悪かったのか。

何しろ1000年に一度の未曾有の大震災に遭遇し、更にあってはならない東電・福島第一原発のメルトダウンによる広域の放射能汚染の対応に陣頭指揮を執らなければならなかった菅元総理の心境はどうだったろうか。

最高指揮官として一番情報が欲しいところだが、こういうときに限って情報は迅速に入ってこないものだ。訓練をしていたと言ってもペーパーのシナリオ通りの訓練では役に立たない。これは前の自民党政権時からの緊急事態への対応の不備であり、官僚組織も未曾有の事態に対応する能力に欠けていたことになる。

必然的にまず現場がどうなっているのかを知りたいものだ。自衛隊機で現場に向かった菅元総理の気持ちは分かる。東電本社に乗り込み対応を指示し、合同本部を設置したことも当然だろう。

現場に飛んだことが、現地の事故処理対応に影響したとか、東電に乗り込んだときの言動が批判されていたが言う者は何でも言うのだ。

汚染地域の住民の避難指示、汚染シミュレーションの公開が遅れたことは批判されてしかるべきだと思うが、生データの公表はいろいろな思惑が絡み合う。総理として一番混乱を少なくするのはどうしたらよいかを考えたはずだ。それがデータ隠ぺいであってはならない。

菅政権でなく、自民党政権だったらうまくいったのかと考えると、自民党政権だって同じことではなかったか。

菅さんは、自民党の谷垣さんに「与野党協調でこの大震災にあたらないか」と、副総理兼復興相での入閣を打診したが、重要な話を電話だけで進めようとした為に失敗に終わったらしい。

うまくいっていたらその後の展開も変わっただろう。また、自民党もここで協力してうまく処理し、民主党政権に点数を稼がせることに抵抗があったとしたら、自民党の了見の狭さを感じる。でも政治ってそんなものなのだろう。

中国漁船の領海侵犯事件での処理も誤った。直接は菅さんはやっていなかったようだが、APECを控えて中国の立場を考えて、那覇地検の判断で即時釈放し早期解決に出た。当時の仙石官房長官の「那覇地検の判断」という説明は政治不信に輪をかけた。誰だっておかしいと思う理由を真っ当らしく主張する官房長官の器の小ささに驚く。

そして参院選を控えて、唐突な消費税増税宣言も勇み足だった。菅さんも「多くの仲間を失ったことは申し訳なかった」と反省の弁だ。財務相経験から先進国一悪い政府債務問題を解決するために増税に打って出たのだろうが、民主党内での議論も熟して居らず大敗を帰した。

自民党も消費税増税10%を公約に挙げていたが、如何にせん与党と野党の違いだ。自民党は無傷に終わった。

また、民主党の一番の売りは「政治主導」で、その任務を負うのが国家戦略局で菅さんが担当相に就任し、期待されたが失敗に終わった。組織も法律の整備もされておらず、何から手をつけてよいか分からなかったようだ。

それが官僚たたきになった。事務次官会議の廃止などに手を付けたが、官僚も黙ってはいない。民主党政権、菅元総理のネガテイブな情報を流すことにより、政権の評判を落としていった。

さらに、鳩山さん、小沢さんの政治資金規正法に絡む疑惑の続出、大風呂敷になったマニフェスト、それでもマニフェスト回帰を主張する小沢一派、小沢さんとの確執は「民主党ってなんだ」ということになった。

民主党は一番大変な時に政権を担うことになったが、未熟な政権運営で国民の信頼を失うことになった。

民主党再生の道は見えてこない。自民党の圧倒的な強さに消滅の危機でもある。

落ち目の民主党が反省会をやるのだからネガテイブな指摘しか出ないと思ったし、実際にそうなったが、政治は魔物だ。その背後の事情もしっかり考えて反省すべきである。

経済の好転:何でも「アベノミクス」の所為にしていいのか


経済が好転しつつある気配だが、何でも「アベノミクス」の所為にしていいのか。

景気回復は実感出来ないが(76%)、安倍総理の経済重視の経済政策は評価され(65%)、内閣支持率は72%の高率を維持している(讀賣新聞 2013.5.13 本社世論調査)。

株高から企業収益も上がり経済の好転を受けて、家計収入も増加する「期待」から、個人消費も上がってきているのだろう。

それを政治家やエコノミストは「アベノミクス」の所為にする。

アベノミクスの第1の矢の大胆な金融緩和は、日銀がコミットし市場は円安、株高に動いた。第2の矢である財政政策は赤字国債発行でバラマキ予算(?)と批判され、財政再建に逆行する。そして問題の第3の矢である成長戦略は6分野ほどが候補に挙がっているが、どの政権でも検討してきたことが未だ成長していない。安倍政権で効果を上げるには官僚の利権構造を打破為なければならないが、出来るのか。

そして、アベノミクスの副作用ではないかという長期プライムレートの上昇、円安による輸入品の高騰でインフレが家計を襲うことも、安倍総理は「変わり目」と言い、黒田総裁は「はねあがることはない」と自信を覗かせる。

国民の「期待」は高まるが、企業の動きは鈍い。経営者は賃上げに足踏みする。従来の「先行き不透明」感が払拭できないのだ。企業が収益を上げて、賃金が上がり、家計に余裕が出来る実体経済への効果は出ていない。

それが明らかになるにはタイムラグがあると、政治家は今の副作用(?)も意に介さないのだろう。

淡い「期待」感をアベノミクスの所為にするのも良いが、今の経済動向を安易にアベノミクスの所為にするのではなく、しっかり解析するのも大切ではないのか。

アベノミクスの期待感だけで消費税を上げられたのでは、たまったものではない。

2013年5月12日日曜日

続く円安:狙った訳ではなく、結果的な円安と言うのか


続く円安:今の円安は狙った訳ではなく、結果的に円安なのか。麻生財務相、黒田日銀総裁はG7でも「「量的・質的金融緩和」の目的は、デフレ脱却であって円安誘導ではない」と従来からの苦し紛れの弁解をしているようだ。

「為替レートを財政・金融政策の目標にしないという国際合意の範囲内の政策と言いたいのだ。

日本国内では通用するかもしれない弁解が、どうして国際会議で通用するのか。お互いに金融政策と為替には後ろめたいことがあって必要以上に突っ込まない事が「お互いさま」となっているのか。

リーマンショック後、欧米先進国は大量に自国通貨を市場に流通させる金融緩和策を実施したが、日本は緩慢な増加で、その結果円高になったことを各国は認識して、仕方なく「理解を示す」ことになっているのだろう。

これから円相場は、取り敢えず105円、そして110円と安くなっていくだろう。続くG20,G7で同じ弁解が出来るとは思えない。

一方で、日本は債務残高が先進国で一悪く、1000兆円、対GDP比で240%になる。「財政悪化で円安傾向だ」とでも言うのか。

その財政再建も日本は例外扱いされていたが、成長路線とどうバランスをとっていくか。安倍政権は厳しい局面を迎えている。事の次第では、一気に国債の信認を失うことになるのだ。

我が国の財政については、もっと国会で審議すべきではないのか。我が国には債務も1000兆円あるが、資産も500兆円あるので心配ないというエコノミストもいる。財務省の言う債務残高を鵜呑みにしてはいけないのだ。

国家財政について、国民のコンセンサスを得ることこそ消費税増税への第一歩ではないのか。

原発再稼動、自民党参院選公約に


日本経済の成長、生活に大きく影響し、国論を二分する原発の再稼働問題だが、自民党が参院選公約で再稼働を謳うと言う。新聞に掲載された自民党公約原案によると「原子力規制委員会が安全と判断した原発」で「地元の理解を得つつ」国が責任を持って再稼働を認めるというのだ。

為政者の立場として当然に原子力規制委員会に責任転嫁した格好だ。

一方の原子力規制委員会は、活断層であるかどうかの問題で電力会社と論争に終始している。

原発は安全とすり込まれていたが、3.11以降危険な施設にかわり、民主党菅総理の時には、稼働中の中部電力浜岡原発を政治の力で停止させた。何時起きても不思議ではないと見られている東海地震の震源域の中に存在し、地震学者、地元住民からも稼働停止を要求されていたことから考えて、一面では英断と見られていた。

ところが原発停止は、代替に火力発電に依存するために原油輸入代金が嵩み、5兆円とも言われている。そしてその分を電気代に組み込むために企業、家計に負担増となる。生産を海外にシフトする傾向が増えるのも当然だろう。

「アベノミクス」での円安は、生産の海外シフトから国内回帰へ変わると思っていたが、逆効果にもなってきた。

又、3.11以降一気に高まった原発再稼働反対、民主党政権時には2030年までに廃止だったが、自民党政権でゼロベースでの見直しで、再稼働容認に変わった。

当然、原子力規制委員会の判断に注目が行くが、規制委員会の判断が国民生活の安全、電力企業の存亡、大きくは国の経済に重要な影響を与えるとなると、再稼働への安全判断は慎重にならざるを得ない。

地震多発国で安全に全責任を負うのであるから、電力会社と「活断層であるかどうか」、「付近の断層が動けば連動するか」で論争になる。つい先日は、規制委員会の「もっと調べろ」要求を拒否した電力会社も出てきた程だ。どういうわけか、同じ現場の地質調査で見解が相反しているのだ。

「活断層と判断」すれば、再稼働はダメになり、「地滑り」と判断すれば再稼働を認めることになるのだ。

一方、まだ東電・福島第一原発の事故調査が十分に行われていないと見られ、事故を踏まえた安全対策が不明なままで、再稼働は出来ないだろうという正論も聞かれる。

最近、東電が3.11では地震では大丈夫だったが、津波で機能喪失したという調査結果を発表した。

何故、東北電力女川原発は津波対策をやっていたのに東電・福島第一原発は怠ったのか。

東電内の研究で、想定津波の2倍の津波では防潮堤を高くしなければならず、その費用は80億円と言われていたのに何故、無視したのか。80億円をけちったために、想像を絶する被害が発生し倒産の危機に至った。経営者が安全をどう考えていたのか。

福島第一原発の事故に鑑み、防潮堤の増強、総電源喪失対策、活断層調査が進められているようだが、その是非はどうなのか。

原発立地の自治体は補助金目当ての再稼働容認であるが、それ以遠の住民が猛反対している現状をどう解決するのか。

政府は、規制委員会の判断と、住民の理解に立って再稼働を判断すると言うが、そのプロセスに注目したい。

2013年5月11日土曜日

自民党よ 何故、安倍一色なのか


自民党は何故、安倍一色なのか。最近自民党を見ていると、そう感じる。メデイアに登場するのは安倍内閣の閣僚、幹事長と2人の女性幹部、テレビの情報番組に顔を出す常連議員ぐらいで、他の中堅議員は何をやっているのか。総裁選に出た連中も注目を集めたが内閣に取り込まれてしまった。

そして安倍総理の打ち出した「アベノミクス」に市場は反応し円安、株高で狙い通りの効果を出し、内閣支持率は6070%の高率を維持し、その結果に恐れをなし黙り込んでいるのか。

確かに、支持率が下がり、選挙を控えて勝てそうになければ、「これではダメ」と騒ぎだし、次を狙う人物が出てくるのだが、今の安倍総理には誰も対抗できない。

その一方で政治課題は、憲法第9条の改正を狙った96条改正、靖国神社参拝問題、対中対韓外交問題ではタカ派色が目立ち、原発問題、TPP、アベノミクスの副作用にも「変わり目」として意に介さず、ねじれ国会解消に衆参W選挙を臭わすなど強気の姿勢が目立つ。

国民生活に大きな影響を及ぼす消費税増税に向けGO判断を下さなければならない時に、民意をどう反映させるのか。

そのエスカレート気味に、「このままで良いのか」と不安にもなる。

こういうときに、公明党の山口代表のような存在感のある発言をする自民党議員が出てこないのか。

考えてみよう。自民党が長期政権を担えたのは、党内に保守から革新までいろんな民意を反映することが出来るバランスの取れた政治が出来る党だったからではないか。それでも野党の存在感はあった。

今の安倍一色に見える自民党に政権を託すことに一抹の不安がある。

自民党の中堅議員に「がんばれ」と言いたい。党内に反対意見があってこそ政治課題の問題点が掘り下げられるのだ。与党内の反対意見と野党の存在では大きな違いがあるのだ