2013年6月4日火曜日

日経平均株価の乱高下:大暴落の前兆か、一時の調整局面か

最近の日経平均株価の乱高下は大暴落の前兆か、一時的な調整局面なのか。エコノミスト10人が、10通りの見解を述べるほど検証が難しい。今日もどのくらいなっているのか注目しNHKのニュース7を聞いていたが話題にも上らなかった。

大したことはなかったのかと思い、日経新聞電子版で確認すると、4日の日経平均13,533.76円(+271.94円)、3日のNYダウ15,254.03ドル(+138.46ドル)、為替は1ドル100.19~22円、(-0.03円高)、長期金利は0.865%(+0.060)だ。

円、ドルも動いていないが、それでも株価は271円高の13,533.76円だ。15000円の時に比べると2000円近く下落している。

株価は大暴落が待っていると見るエコノミストもいるが、いくら位まで下落するのか。8000円をきってくるのか。一方調整局面と見るエコノミストはどの位まで上がると見ているのか。13000円から15000円前後で足踏みし、リーマンショック前の18,000円を目指すのか。

それには為替変動が大きく影響する。

円安に動けば輸出関連株が買われ株高の動きだが、数量が伸びずに為替変動で金額だけが増えているという。実体経済への効果ではない。

円安は輸入品の値上がりで物価を押し上げ家計に響きだしたと言うが、過去にも円高家庭で100円台は経験したはずだが、原子力発電の休止が影響して燃料費増加で電気代は上がる一方で当時とは比較できない。

でも、民主党政権時76円台になり、9兆円もの単独為替介入で79円台の円安に動かしたが直ぐに77~78円台の円高に戻った。9兆円という税金を投入しての結果なのだ。

だから、安倍総理が「2%の物価目標」「大胆な金融緩和」という口先政策を発表しただけで円安に動いたのには驚いたものだ。

これからどうなるか。110円が一つの目標ではないか。新聞報道によると107~108円が生産設備の国内回帰とみる経営者が多くなったらしい。110円だと日本に取っては理想的な為替だと見るエコノミストは多いのではないか。

それに量的緩和の引き締めの時期が問題になってくる。米国はリーマンショック後、大量のドルを市場に流し、今、バーナンキ議長が引き締めの時期を口にし出した。日本は緩和的増加でこれから2年で2倍に増やそうとしている。

米国が緩和引き締めに走れば、為替に大きく影響する。円高に進むだろう。

更に我が国は1000兆円を越えるという政府債務問題を抱えている。国内はもちろんのこと海外からも財政健全化を強く求められている。6月にまとまる「骨太の方針」に明記されるという。こんなに借金を抱えていると円は安くなり、国債は下落するはずだ。

しかし、国債の下落は量的緩和で市場に緩和マネーがダブつき、株に流入したためだ。当然、国債は下落し長期金利は上昇する。金利の上昇は住宅ローンの金利、民間銀行の貸し出し金利も上昇させ、景気回復の腰砕けが心配になる。

でも、本当に企業が儲かる事業が見つかった場合は、金利がどうあれ借金して投資するはずだが、今はその投資先が見つからないのだ。

経団連の米倉会長が総会で「経済成長を先導する気概を持って経営者の皆さんには果敢に挑戦を続けていただきたい」という意味の挨拶をしていたが、経営者は先行きをどう見ているのか。

エコノミストも私たちも個々のテーマについては、その影響がどうなるかは予測できるが、経済の全体像を見てどうなるはわからないのだ。

エリザベス女王がイギリスの大学の経済研究所の落成式に出席したとき「経済学は、どうして経済危機を予測し回避できなかったのか」と言う意味の質問をされたそうだ。経済学の重鎮が集まり検証した結果、「個々のテーマではいろんな報告を出すが、経済の全体像を見て検証する事はしていなかった」という内容の報告をエリザベス女王にしたという新聞報道を見たことがある。

確かに経済の全体像を見ての検証はむずかしいようだ。我が国には「京」というスーパーコンピューターがあるのだから、シミュレーションしてみたらどうなのか。


乱高下するときは一呼吸置いた方が良いのか。

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