2013年6月30日日曜日

経済成長:麻生財務相曰く「これまでは政府、これからは民間の意欲だ」と

麻生財務大臣が、「これまでは政府、これからは民間の意欲だ」と28日の讀賣新聞国債経済懇話会で講演し、経済成長の鍵を握るのは民間だと強調したという(讀賣新聞2013.6.29)。

麻生財務大臣の考えは、経済財政諮問会議での議事録でも知ることが出来る。無借金企業が増えているのに、どうして投資しないのか。カネはダブついているが日銀と銀行間での話で、それから外へは出て行かない。そこが問題なのだ」という発言をしていた。これを受けて民間議員が「その点もストレートに話しあいましょう」と提案していた。

今回も「今までは政府が動いたが、これからは民間だ。意欲を示せ」という意味の講演をしていたようだ。

「民間はカネを使え」という根拠に内部留保が2012年度で280兆円になり、1990年度の127兆円の2倍以上になっている。しかも43%の企業が無借金経営をしているというのだ。設備投資や賃上げをしない経営に努めた結果だ。

でも、以前にも貯まる一方の内部留保への批判があったが、すべてが現金ではなく、現金にしにくいモノもあると経済界が反論していたのを覚えている。

麻生さんの講演から分かったことがある。

脱デフレ政策で、未経験のデフレに政策を間違えていた。いろいろな検討会でデフレ脱却には「3本の矢」の同時実施が必要と言うことで「アベノミクス」の3本の矢が出て来たという。

何かで読んだことがあるが、安倍総理がリフレ派の会合に誘われて出たそうだ。そこで今までと違った政策が必要と言うことでリフレ派の台頭になったのだろう。

2%のインフレターゲット設定も、白川・前日銀総裁との交渉に手間暇がかかったという。白川さんは「取り敢えず1%を目指し、それから上を目指す」考えだったから説得に時間がかかったのだろう。当時経済学者間でも「低金利の下で、インフレターゲット設定は効果が無い」というのが主流だった。

2%物価目標も2%に行くまで止めないという。だから今後は「日本買い」だという。
何時、量的緩和を止めるかは、最大のテーマだ。ある中央銀行の総裁が「量的緩和は始めるときより止めるとこの方が難しい」と言っていたが、その通りだろう。

2%のつもりがうまくいかず、6~8%のインフレになり、その後落ちてきたと言うがうまく止めることは難しいと言う英国の経験が新聞に出ていた。

鳴り物入りで始めた「アベノミクス」も賃上げ、雇用で効果が出なければ失敗したことになる。

そこで民間の意欲が必要なのだ。しかし、民間がどう考えているのか分からない。一度民間企業の経営者を招待して議論したらどうなのか。

恐らく、出席する度胸のある経営者は製造業にはいないのではないか。

ところで、麻生さんの講演では新聞記事の範囲内では、「財政健全化」の話が出ていなかった。財政再建に触れるとアベノミクスも可笑しくなるのだろうか。


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