2013年6月7日金曜日

円急騰、株乱高下:海外のヘッジファンドに食いつぶされるアベノミクス?

円急騰、乱高下する株価、海外のヘッジファンドに食いつぶされるアベノミクスの様相を呈してきた。6日のNY外国為替市場で円は96円台に値上がりし、7日朝は95円台とラジオが伝えるが、東京は99円台という。

この円高、米国の株価の下落、安倍総理が発表した成長戦略に対する失望から東証株価は13000円を割り、相変わらずの乱高下で市場は「期待」から「不安」に変わった。

この15000円からの下落の要因は、60%を占めるまでになった海外投資家の売り浴びせによるらしい。株高は海外投資家の買い越し、下落は売り越しで分かるのだ。

相場に大きな影響を持っているのは大手米系証券会社で最近は、株の先物を買う一方で債権の先物を売っていた。株が1日に1100円以上急落した5月23日に彼らは突然株の先物を売り、その分債権先物を買い戻し、これが株価の急落、長期金利の急低下をもたらしたという。(経済気象台 朝日新聞2013.6.5)。

週刊文春(2013.6.13)でも、ソロス・ファンド、ルネサンス・テクノロジーが売り浴びせたという証券会社幹部の話を伝えている。

そして、ゴールドマン・サックス、JPモルガン、ドイツ証券、シテイーグループ、野村證券等が続き、この大暴落劇で数千億円の利益を得たと見られている(同上)。

アベノミクス、日銀の異次元の金融緩和で日本経済は蘇ったと見ていたが、海外へッジファンドに食いつぶされていたのだ。

そして、不思議なことにメデイアの今後の経済見通しに、これら海外の大手証券会社の日本法人のチーフ・エコノミストが円や株価の見通しをコメントしている。大暴落の張本人達が見通しを言うのだから滑稽だ。

アベノミクス、日銀の「異次元の金融緩和」の裏で日本経済が海外ファンドに食いつぶされ、海外ファンドに導かれているのだ。

日本の投資家は、長期に保有し配当を得、企業を支援する事を旨としていたが、儲け第一の海外投資家に荒らされるのには忸怩たる思いがする。挑戦する企業を育成する為にも日本的経済を見直す必要があるのではないか。

新聞報道で「骨太の方針」を読んでみた。安倍総理は「3年の骨なし方針」と 民主党政権を批判して見せたが、今回の「骨太の方針」素案も「骨なし方針」、「骨細」と揶揄されている。

注目すべきは、経済財政諮問会議の専門調査会で「日本型資本主義」を目指す報告書をまとめたという。金融の規制緩和は、ヘッジファンドやアクテイビストに有利になるだけだと反対している(朝日新聞2013.6.7)。全く同感だ。

今まで第3の矢・「成長戦略」、規制改革、「骨太の方針」と次々に政策が打ち出されるが、きちんとした整合性がとれてているのか。これらを総合すると、どういう日本の経済社会が構築できるのか。

国会審議でじっくり聞きたいと思うのだが、国会を延長をしないのであれば開会日数はタイトになっている。民主党の海江田代表が党首討論を希望しているが国会対策委員会が「うん」と言わないらしい。

意気込みを示す安倍総理だから自ら党首討論を提案しても良さそうなモノだが、やりたくないのが本音ではないか。きちんと答えられない可能性が強いのではないか。

ハゲタカ・ファンドに食いつかれ、しゃぶられては思い通りの経済政策運営は難しいだろう。


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