2013年8月13日火曜日

消費税増税への判断:安倍政権もエコノミストも命運を懸けるときだ

消費税増税への判断は、経済指標の数値、読み方で賛否が分かれるところだろうが、安倍政権もコメント、解析するエコノミストも命運を賭けるときである。消費税増税は特別視すべき政治課題で政権はその消沈、エコノミストは信用を落とすことになりかねない。

注目された4~6月期の実質GDP年換算値(速報)が2.6%で、判断するには力強さがなく、中途半端な数値のようだ。民間エコノミストらは3%台を予想していたので、その感は強い。そのためか、9月のGDP改定値が注目される。

一番のポイントは、景気が好転していない時期での引き上げは避けるべきだと言うことになるが、消費税を上げたい財務省や経済担当相は経緯をたどれば悪くない数字が出ており、先送りの選択肢はないことを臭わす。

ところが安倍政権にとっては、どう判断しても難しい局面に立つことになる。

例えGO判断をすると、今でも生活の実感を伴わないと見られているのに、諸々の値上げに加えて更に増税という家計への負担が加わってくる。そうなると多くの国民は裏切られたと気づくだろう。内閣支持率は下落し、安倍政権は持たず、たらい回しの政権と言うことになる。

一方、ストップをかけるとどうなるか。G20から国の借金1000兆円に対して財政再建が突きつけられている。その一つの対策が消費税増税だから一時的に先送りするとしても安倍政権の信用は落ちるだろう。国債の信用下落は日本経済にも大きく影響し、アベノミクスなんてぶっ飛び、政権は消滅に向かう。

そう考えると、久々の長期政権ともてはやされる安倍政権も命運が尽きるのだ。

一方、エコノミストも行く行くは結果が出るのだから、自分の判断、コメントに責任を持つべきだ。

予想を外しても臆面もなく次も出てくる事があってはならない。エコノミスト自身も信用を落とすことになるのだ。メデイアも責任を問わない不文律があるのか、そのエコノミストの予想実績を無視してコメントを求め続ける事があってはならない。

「専門家の予測はサルにも劣る」と言うタイトルの本があったが、「「予測に自信がない」と言ったエコノミストの方が当たっている」という内容の記述があったような気がする。

そう考えるとテレビや新聞で数字を上げて自信ありげのコメントは嘘っぽく聞こえてこないか。

消費税増税へ向け、政治家も経済学者、エコノミストも自分の判断、コメントに責任を持つべきだ。デフレから脱却出来るか、成長路線に持って行けるか、企業と家計の間での再分配がうまくいくかどうか、重大な局面の第一歩なのだ。


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