2013年9月28日土曜日

国会経産委での汚染水問題審査:主体性の乏しい東電に当事者能力見えず

衆院経産委に出席した広瀬社長
NHKニュースヲッチ9
2013.9.27
やっと閉会中の国会で汚染水問題を審査したが、主体性の乏しい東電に当事者能力の見えない内容だった。国会の衆院経済産業委で東電・福島第一原発汚染水問題の審査が27日開催され、テレビや翌日の新聞がその内容を報道している。野党第一党の民主党政権での事故だったためにブーメランを心配して開催に躊躇する面もあったが、遅まきながらやっと開催された。

東電の広瀬社長が、与野党議員の質問に答えていたが、肝心の国際舞台で「コントロール下にある」、「私が責任者」と発言した安倍総理は不在だったので拍子抜けのする審議となった。

テレビや新聞報道を読むと、汚染水問題は総理の「コントロール下にある」発言に調子を合わせる内容で、「湾の外に影響を及ぼすことは全然ない」という主張で自分もそう考えると言い、「海への影響はしっかりコントロール出来ている]という。

読売新聞2013.9.11 「汚染水3つの課題」
讀賣新聞(2013.9.11)の「汚染水3つの課題」の記事の中に港湾付近の汚染の変化が図示されている。2号機護岸付近の井戸水のトリチウム濃度は減少しているが40万ベクレル、水中カーテンが設置されている付近の護岸の海水ハ上昇傾向で3000ベクレル、港湾の入り口は0ベクレルだ。

これから見ると、確かに海への影響はコントロール出来ているが、要は大量の海水で希釈されて検出限界以下なのだ。管理されているのではなく、監視しているだけなのだ。

広瀬社長も説明していたが、事故直後は建て屋前、外洋の両方で高かったが劇的に低下を示したという。でも建屋前は大きな下がりはないという。データでもその通りだ。

いつまで「コントロール下にある」が通用するのか。

今議論になっている建屋の敷地周りを凍土壁で囲い汚染水を封じ込める工事について、事故直後に遮蔽壁の構築の計画があったが、1000億円という巨額だったために東電がためらった疑いもあるらしい。

470億円の国費を投じて凍土壁工事をやろうとしているが、民主党馬淵議員が政権時代も主張していた「粘土壁の工事を国費の投入がなくてもやっていく覚悟があるか」との問に、「実現可能性調査を踏まえ判断していく」と主体性の乏しい答えをしていた。

東電のこの事故で、今でも破産処理を主張する専門家も多い。これからどれだけかかるか分からない処理を国民に負担させることへの疑問だ。経営責任、株主責任、メガバンクの融資責任を共産党の塩川さんが問いただしていた。

広瀬社長は、「支援機構法の下で責任を果たす」と応えるのがやっとだった。

ただ一カ所、東電の責任に触れて言ったのは、タンクからの汚染水漏洩は現場の作業、管理の問題に起因するところが非常に多く、我々の責任が大きいと言うのだ。


こんな主体性のない東電に、福島第一原発事故の処理が出来るのか。

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