2013年11月28日木曜日

特定秘密保護:運用は官僚のさじ加減のお粗末さ、危うさ?

特定秘密保護法案を読むにつけ、その運用は官僚のさじ加減で、「国民の知る権利」、「国益」はどうなるといっても、踏みにじまれそうなお粗末さと危うさだ。どんなに限定的に、どんなに厳しく規定しようとも時の政権、官僚の恣意的運用は避けがたい。

秘密を規定する事項では、官僚お得意の「・・・・その他の・・・」という拡大解釈できる文言が多用されている。野党で削除を指摘していたが、当初案の通りのようだ。

チェック機関に当たる「第三者機関」もあいまいなまま、衆院を通過した。民間人の有識者を加えた考えもあったようだが、逆に秘密が漏れると政権、官僚が反対したようだ。

衆院を通過し、「良識の府」と言われている参議院に移ったとはいえ、参院も衆院の焼き直しで大きな期待などできない。会期末も迫っているので譲歩などしないだろう。

国家安全保障会議も4日には設置、国家安全保障局長には高級官僚OBが予定されているらしい。

何をやるにも、民間人より高級官僚が任用されやすい。それが官僚組織の肥大につながり、官僚利権につながるのだ。

そこには、「国民の安全」、「国益」を守ると言うが、官僚組織を守るために恣意的運用の危険があるのだ。

もう一度考えてみよう。

先の国会審議で、民主党議員が「「SPEEDI」のシミュレーション結果は特定秘密か」と質問した時に、森担当相は「秘密事項ではない」と応じていたが、その情報がうまく使われなかった事に対して
安倍総理は「民主党・菅政権の時の失敗だ」という意味の答弁をし、逆に質問した野党議員が「申し訳なかった」と謝罪していたという記事が新聞に載っていた。

これは、民主党・菅政権の責任だけではないと思う。自民党にも大きな責任があるし、勿論政権を補佐する官僚組織の責任は大きい。

当時の危機管理センターの官僚たちはどういう動きをしていたのか。菅総理の動きしか新聞、テレビに出ていなかったが、こういう時こそ官僚機構を最大限に生かす必要があるのに、官僚の動きは鈍かったのではないか。

勿論、シミュレーション結果を公表することによる社会の混乱を回避するために公表を遅らせた政治判断もあったのかもしれないが、避難住民への被ばくを回避するためにも官僚はしっかりすべきではなかったのか。

国の安全、国民の安全を守るためには、時の政権もさることながら、官僚機構が最大限動いていることが必要ではないか。

決して、政権、官僚による恣意的運用があってはならない。

どんな法律だろうが、運用するのは人間だ。



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