2013年12月4日水曜日

4日参院・国家安全保障特別委:秘密保護法案、強行採決に向け政権vs野党の攻防激化

4日 参院国家安全保障特別委
初っぱなから委員会運営で揉める
2013.12.4 NHK国会中継より
4日、久しぶりにNHKで参院・国家安全保障特別委員会の秘密保護法案審議の国会中継を聞いた。6日の会期末に向け強行採決するのか、廃案または継続審議にするのか。安倍総理は「丁寧な説明でご理解を」と主張するが、野党議員に言わせればルール、内容も決まっていない法案の採決を何故急ぐのかと言うことになる。

NHKの国会中継が始まった途端に、委員会室にはヤジが飛び、委員長席を囲んで与野党理事が何か話し合っている。初っぱなから揉めていることが分かる。どうなるかと見ていたら自民党議員の質問が始まった。

自民党・佐藤議員の「第三者機関」の質問に、日本NSC法の成立と共に秘密が保全されていることが大切で、意見を求め報告する外部の有識者会議も重要になってくると言うのだが、今まで聞いたこともない保全監視委員会の名称が出て来た。規制、解除のルールを作り、保全委員会がチェック、総理が報告を受け諮問会議がチェックし意見をつけて国会へ報告すると言う。

第三者機関として、一体いくつの機関が出来るのか。

委員会室は野党議員のヤジが多く聞き取りにくくなった。安倍総理はたまりかねて「黙って聞いてください。法案の真意を国民は聞いているのです。知る権利を妨害するんですか」と冷静な議論を要求する。

野党・民主党の福山議員の質問でもめ事、法案審議、法案内容の不備が明らかになった。

福山議員は、委員長が勝手に日程を決めるなど横暴な委員会運営を追求、官房長官の出席を求めても福山への答弁は森でいいと出席を拒否したことを指摘していた。共同提案者であるみんなの党、維新の会も運営に怒りを持っているというのだ。

おそらく、委員長は政権側の意向である「会期末までに成立」を念頭に強行しているのだろうが、「強行採決はしない」と約束しろと総理に迫った。

しかし、総理は「丁寧な説明をしろ」といってもヤジを飛ばされては説明しにくいと野党議員の名前を挙げていた。安倍総理は「冷静に論理的に議論してほしい」と言うが、強行採決については無視した。

衆議院では41時間審議しているが、参院ではまだ半分もやっていない。「自民党総裁としてどう思うか」との質問に「「何故大切か、問題点は、その修正は」など議論してほしい。そしていつかは結論を出さなければならない」と応じた。

4日のさいたま市での公聴会も強行して開催が決まった。十分に審議されないままなので、「知る権利」を侵しているので中止したらどうかと迫られた。

福島議員に言わせると、与党からの第一声は「大宮で会場が取れた」だったと抗議した。

また、「この法案の主管大臣は誰か」との質問に、成立から施行までは森大臣で、それ以降は所管大臣は総理大臣だというが、福山議員は11月27日に総理から指示されたことで、それ以前は根拠のない大臣が答弁していたことは、誰も責任を持てる人間がいない法案ということではないかという。

また、「「報道の自由」に配慮しなければならないの主語は誰か」との問に、安倍総理は質問通告が出ていないことに苛立ったが「行政機関だ」という。それだと公務員は萎縮効果で情報を出さなくなるのではないかという心配もあり、法案への不安を煽る結果にもなっている。

テレビの情報番組でキャスターが「廃案にしなければならない」と発言したことに対して首相補佐官がブログで「放送法違反だ」と記述したことにも話が及んだ。「安全に大きな影響が出る放送法も大事だ」という意味の発言をしていたが、よく分からない答弁だ。

事ほど左様に、内容も権限もはっきりしない法案を6日に強行採決しないように福山議員が釘を刺していた。

何故、成立を急ぐのか。

安倍総理は、中国船が海上保安庁の船に体当たりなど無謀な行為をした際のビデオを公表した海上保安官の「そういうルールがなかった」という話を例に出し、「だからルールを作るんだ」という。

では、隠したことと公開したことでの「国益」、「国民の知る権利」はどうなのかには言及しなかった。

久しぶりの国会中継、特別秘密保護法案の審議だったが、6日の強行採決を前提にした国会審議で、世論調査でも賛成25%に対して反対が50%と大きく上回る民意をどう反映さそうとしているのか。

安倍総理は「秘密保護体制が出来ると重要情報が入るようになる」と説得するが、新聞に韓国でそういう仕事をしていた人が、「法案を整備しても重要な情報が入るとは限らない」と言い「どういう情報が提供できるかが重要なのだ」という。

兎に角、大事なのはギブアンドテイクなのだ。



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