2014年1月27日月曜日

「責任野党」とは安倍政権と政策実現を目指す野党、反対する党は「無責任野党」か

最近新聞を読んでいると、安倍総理の「責任野党」という言葉が気になりだした。責任野党というんであれば無責任野党もあるのか。それはどの党をさしているのか。

何かの会合で、みんなの党の渡辺さんが、安倍総理から「責任政党として政策協議に入りましょう」と言われ、渡辺さんが了承し、「施政方針演説で責任政党に言及されたことに感謝した」ことを紹介していたことが新聞に出ていた。

何のことだったのかと、改めて安倍首相の施政方針演説を読んでみた。

「おわりに」の項で、私たち連立与党は、政策の実現をめざす「責任野党」とは、柔軟かつ真摯に政策協議を行ってまいりますという。努力を積み重ねて定数削減など選挙制度改革、国会改革、そして憲法改正も必ずや前へ進んでいくことができるというのだ。

安倍政権と政策の実現を目指そうとする野党が「責任野党」で、反対ばかりしている野党は「無責任野党」なのか。

先の国会では思うように改革が進まなかった。国民には増税を強いるが自ら身を削る改革をやらないのかと批判を浴びた。

安倍総理は、みんなの党もこれらの改革を公約に挙げているのだから自公、みんなで協議すれば進むのではないかと期待しての発言なのだろう。

でも、野党を責任野党とそうでない(無責任)野党に分別していいのか。

私たちは、自分の信条により国政を託す代表として国会へ議員を送り込んでいる。その議員は志を同じくする者たちが集まって結党し、政権を担うため努力する。

政権与党と対峙する政策をとるのが野党と思っていたが、最近は多様性が見られ与党と目的を同じくする政策を掲げる野党も出てきた。必然的に是是非非の判断になるのだ。

あんなに反対が多かった特定秘密保護法の審議でも、みんなの党は渡辺代表が安倍総理と一緒に飯を食ったということで、修正合意し賛成に回った。安倍政権にしてみれば自民党単独ではなく公明党、みんなの党と共同で成立させたという意義は大きい。

今回どんな政策協議をするのか知らないが、党首、代表のさじ加減でいかようにもなる政党に国民の信頼が得られるのか。

結局は、渡辺さんも言っている「自民党渡辺派」の立場から行く行くは自民党に吸収されるか、国民の信頼を失って消滅する運命にあるのではなかろうか。

野党は、野党として反対ばかりするな。「この国を良くしたい」「国民のために力を尽くしたい」という志をもって国会議員になったのだから建設的な議論をして結果を出していこうではないかという安倍総理のメッセージだろう。

しかし、そのためには党首討論であれ、各種委員会の審議であれ、与野党ともに寛容の心を持ち相手の主張にも耳を傾け、積極的に修正合意していく必要がある。

しかし、今までの党首討論、国会審議を見てもお互いに自分の意見を主張しあい平行線で終わることがほとんどだった。

相手の意見を取り入れることは、結果的に負けたことになるのだ。党首討論や委員会審議でのヤジでそのことがよくわかる。

責任野党との政策協議もいいが、国会のあり方を根本的に考え直す必要があるのではないか。

自民党が野党時代、民主党政権の反対ばかりしていた。安倍さんの思考からするとその時は自民党は「無責任野党だった」事になる。それが多数の議席を確保し政権奪取に成功し責任与党になったのか、それとも無責任与党になったのか。

最近の安倍政権を見ると何やら無責任与党、無責任政権の様相を呈しているようにも思えるが。


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