2014年2月18日火曜日

南極観測船「しらせ」ピンチ:座礁から無事脱出できるか

南極観測船「しらせ」
国立極地研究所HPより
南極観測船「しらせ」が55次越冬隊を残し帰途についていたが、16日座礁し動けなくなったというメデイアのニュースが目についた。今年は氷の状態も良く接岸でき念願の作業が達成出来る期待があった。

今までは、接岸できず物資の輸送も大変だったようだが、今年はうまく行った。「良かった」と思っていたが、離岸しての帰途で陸地に近すぎたのか。

船底は二重構造で今のところ船は大丈夫そうだし、乗員、隊員にけがなどはないという。

脱出方法は満潮時を狙って脱出を試みると言うが、今まで2回失敗し、これから3回目を試みるという(hazard lab 2014.2.18)。後はアメリカに依頼して引き出してもらうかだ。

60年の南極観測史上で初めての経験と言うが、一番最初の南極行きで、その南極からの帰路、厚い氷に行く手を阻まれ、南極観測船「宗谷」が氷海に閉じ込められた。

当時の松本船長は越冬を覚悟したと後日談がある。アメリカの砕氷艦「グレーシャー号」が救援に駆けつけるが、現場まで1週間かかる。頼りになるのは「やっぱりアメリカだ」と思ったものだ。

そのうちにソ連の砕氷船「オビ号」が近くにいて救援に駆けつけ無事氷海から脱出できた。

思えば、南極観測は終戦直後の混沌とした時代に子ども達に希望を与えてくれる大事業だった。しかし、海外では「敗戦国に何が出来る」という目で見られたようだ。昭和基地は「接岸不能」と言われた場所であり、宗谷は訳ありの船でオンボロ船を砕氷できるように改修した船だった。

今まで接岸できなくても何とかやっていたので注目もしなかったが、「しらせ」の座礁のニュースに改めて注目することになった。

3回目の脱出に成功することを祈るばかりだ。


[追記]

hazard labによると、4回目の満潮時離脱が成功した。良かった。



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