2014年4月5日土曜日

GPSでの南海トラフ巨大地震予測:それらしき大きな地震もなく無事に3月を過ぎたが

GPSによる南海トラフ巨大地震予測も幸か不幸か、それらしき大きな地震もなく期限の3月を無事に過ぎた。それを思わせるような前兆地震はあっても「これだ」という地震には当たらないが、予測はそういうものだ。私たちにとって期日は重要だが、地震にとっては数十年の違いはたいしたことはないのだ。

それが南海トラフ巨大地震となると予測もむずかしいのだ。東海地震、東南海地震、南海地震の単独あるいは3連動、更には日向灘地震、南西諸島海溝地震が加わってくると不可能ではないのか。

でも村井東大名誉教授のGPS での地殻変動での予測には期待している。それにいろんな現象を組み合わせれば時期は別として、方向、規模は予測できるだろう。

2013年7月、川内原発近くで地殻変動を観測し、年末までにM6クラスの地震を予測した。

この辺は1914年にM7.1の桜島地震、大正大噴火があり、1997年にはM6.5の鹿児島県北西部地震も発生している(日本列島「巨大地震史」全網羅マップ SAPIO2014年4月)。

おまけに川内原発の直下には活断層の存在が懸念されるが、九州電力は「活断層はない」と報告、夏にも再稼働が見込まれており住民が再稼働反対の集会を実施した(FRI 2014.4.11)。

2013年6月、和歌山県、四国、九州にかけて地殻変動幅が4cmを越える箇所が14カ所が出て、この南海トラフ震源域でスロー・スリップが見られ特に四国東部で増加、昨年末から今年3月までに南海地震の単独発生を予測した(SAPIO 2013年11月)。

同じく9月頃の地殻変動から今年3月までにM7以上の南海トラフ巨大地震を予測した(週刊現代 2013.11.23)。

しばらくそれらしき地震が発生していなかったが、2014年3月14日にM6.2の伊予灘地震が発生、広い範囲で震度4の揺れを観測した。たまたま村井先生は2日前のメールマガジン「週刊MEGA地震予測」で注意喚起していたので、的中させたことになる(女性セブン 2014.4.3)。震源域近くの高知県の平野部、沿岸部で地殻の隆起や沈降が確認されたというのだ。

村井先生は南海地震の前兆ととらえていた現象は、この伊予灘地震の前兆現象だったかもしれないと言うが、後3ヶ月は南海トラフ巨大地震の発生に注意してほしいという。

これほど左様に予測は難しいのだ。でも地震は地殻の変動だ。GPSで予め変動をキャッチすることは重要である。

海外ではGPS 観測や基礎研究の結果を基に長期予測をし、的中させた例があるのだ。2010年のチリ地震、2012年のコスタリカ地震だ(巨大地震の科学と防災 金森博雄 朝日新聞出版 2013.11)。

金森先生は重要なことを指摘されている。

地震学者と私たち国民の時間間隔が違うという。私達は短期的な現象に興味を持つが、地震学者にとっては10年、30年の違いは問題ないのだ。地震学者の時間間隔、予測には幅があること、限界があることをきちんと伝えることが大切だという(同上)。

私たちも短期の当たり外ればかりを議論してはいけないのだ。


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