2014年5月18日日曜日

党首討論の形骸化:必要ないと言うことか、与野党で工夫を

今国会で初めて(最初で最後)6月11日に党首討論が決まった。国会改革で党首討論が決まったときは週に1回ということではなかったのか。今はすっかり形骸化して13日の各党協議で月1回の開催が確認された。何故、形骸化したのか。

40~45分の間に野党3党の代表が総理と政策について討論し、国民にその是非を判断させる機会でもなかったのか。

大体午後3時過ぎから始まるので、時間の許す限りNHKテレビでの中継を見ていたが、今までで記憶に残っていることはそんなに多くはない。ほとんどが質問と答弁がかみ合わず、時間だけ過ぎて終了するのが常なのだ。討論の後、退席するときに総理が与党席は勿論、野党席まで挨拶するかどうかで各党の状況を把握することが出来た。

ほとんどが、与党席だけに挨拶するので政治もうまく進んでいないのだろう。

そんな中で、思い出すシーンがある。

一つ目は、自民党福田総理と民主党小沢代表の時だ。当時は民主党の誰と連絡すれば話が付くのか曖昧だった。民主党には権力の二重構造もあって代表まで話がとおりにくかった頃だ。福田総理は「困っているんです。誰に話を通せば良いのか分からないんです」と苦悩の質問をしていた。小沢代表は席に座ったまま苦笑いしていた。

小沢代表と話がしたくても連絡が付かない不思議な状況が続いていたのだ。

二つ目は、民主党政権の時自民党は谷垣総裁だった。質問と答弁がかみ合わずこれ以上質問しても仕方ないと谷垣さんが考え、「次の質問に行きます」と言ったとき、自民党席から「もっと突っ込め」「それで終わるのか」という声が飛び交い、谷垣さんは質問席で苦笑いしていた。

野党党首は質問するが、総理ははぐらかす手に出る。ほとんどがこれだ。

三つ目は劇的だった。2012年11月14日、誰だって思い出すだろう。野田総理と自民党安倍総裁の討論だ。

当時は、「近いうち解散」は何時なのか。国会改革での衆院定数削減、1票の格差問題など重要テーマが山積(いつでもそうなのだが)していた。安倍総裁は自民党総裁に返り咲いて初めての党首討論だ。始めに野田総理の総理としての激務を労い、「近いうちに解散」の言質を取ろうと質問した。野田総理は「近いうちとは近いうち」とはぐらかし、「嘘はつかない」とも言っていた。でも討論が進んで野田総理は「約束してくれるなら16日に解散します」と逆に安倍総裁にボールを投げた。

安倍総裁は相当驚いたようだ。一瞬シーンとなったが「解散するんですね。解散ですね」と確認を取っていたが、うろたえていたのは確かだ。

民主党の総理がいつも口にしていた「近いうち解散」が決まった瞬間だ。

これこそ党首討論の神髄ではないか。

野田総理は選挙で負けてもこんなに負けるとは思っていなかったのだろう。自民圧勝、民主惨敗で政権の座を降りた。

今、政治課題は山積している。集団的自衛権行使での憲法解釈見直しは「憲法改正」に匹敵する政治課題であるが、国会審議は進まず、安倍総理は「丁寧な説明」で国民の理解を求めると言うが、党首討論での討論を嫌っているのか。

一方の攻める民主党代表も党内議論が進まず、質問が難しい状況だ。

こんなことで実効性のある党首討論など期待出来ない。

国民に政策をどう説明し、理解を求めていくか。与野党でしっかり議論すべきである。



0 件のコメント: