2014年6月9日月曜日

週刊現代の日本の近未来?:人口減少で日本壊滅の危機

日本の近未来なのだろうか。生産年齢人口、若年女性の減少で日本壊滅の危機だという。先に日本創生会議が2040年には20~39歳の女性の人口が減少するために896自治体が消滅の危機にあると衝撃の発表をしたばかりであるが、週刊現代(2014.6.21)も「人口4300万人 ああニッポン 30年後の現実」も好ましくしくない日本の近未来を描き出している。

それによると、日本の人口は2008年の1億3000万人をピークに減少に転じ、2050年には総人口1億人を割り込み、2110年代には4200万人になると言うのだ。

以前、江戸時代の日本の人口が3000万人と聞いたことがあるので、それを考えると大変なことになるのだ。

その要因は、やっぱり20~39歳の女性の人口が減少し出生率が落ちているのだ。人口を維持するには2.07人の子どもを産む必要があるが、2人で安心してしまうと人口は減少してしまう。

歴史人口学の鬼頭先生は、社会運動が影響しているという。資源の枯渇と人口爆発で「成長の限界」が煽られたのが1972年、日本も人口白書で「出生率を4%下げれば2010年までに人口は減少する」と提言、日本人口会議は「子どもは2人まで」を奨励した。

そして、人口減少には成功したが、減少の勢いが止まらないのだという。今後人口減少の変化をはっきり感じるようになるだろうと警告を発する。

週刊現代によると、低賃金、低価格の薄利多売の小売りは行き詰まり、人手不足は宅配便、トラック輸送、配送を必要とするネット販売などに影響するだろうという。

宅配便の業者が言っていたが、一度で配達が終わることはほとんどなく、何回も伺うのでガソリン代はかかるし、時間サービスが加わって過酷な仕事になり若い者がやりたがらないというのだ。

土木建設工事も人手不足に悩むだろう。土木、建設現場を見ると作業員に高齢者が多い。「俺たちが文化を広めている」との自負があるだろうが、年には勝てない。

ゴミ収集、看護師、介護士にも人手が不足する。街中にゴミが散らばり、介護、医療にも支障を来すようになる。

9日のWEBニュースで、日本創生会議の増田さんが講演し、「都会には若者が流入する一方で、高齢者は地方へ行け」というのだ。都会では十分な介護、医療を受けることが出来なくなるからだそうだ。出身地、なじみの土地に行けという。

先日NHKが示唆に富む番組を流していた。島の現状が日本の未来を映していると言う。それによると、子どもを持った若夫婦が島を去って行き、高齢者ばかりが残り人口が減っていくので自治会活動、行政もと滞る現象が出ているのだ。島全体が老老介護になっている。

スーパーや百貨店も人口減で不振が続き苦境が深まるという。コンビニですら淘汰されるらしい。

出店を拡大するコンビニは地域のコミュニテイー的存在になっているが、遠く離れたスーパーまでは買い物に行けない高齢者の買い物難民化回避の一手段にもなっている。そのコンビニだって安泰ではいられないのだ。

バスや鉄道の公共交通機関の衰退、廃線は地域のコミュニテイーにも大きく影響している。
自治体が代わりに運行する交通機関への助成金は少ない予算を圧迫する事になる。

私も経験したが、お寺の廃止は葬儀にも影響してくる。人口が減ってくると、1人の住職が数寺を掛け持ちする現象が起こっている。

学校教育も学生数の減少は学校経営を圧迫しているようだ。大学全入時代が来て、私立大などはやっていけなくなるのではないか。それでも学校新設の申請が出ているのはどうしてか。

保険業も加入者が減少すると運用が難しくなり、海外へ展開することになる。銀行だって預金者が減り、貸し出しできる企業が減ると成り立たなくなる。

NHKだって受信料が減り、民放は広告収入が減れば経営は困難になる。

人口減少は、社会、経済システムに大きく影響を及ぼす。生産年齢人口の減少は日本経済再生にも影響する。

安倍総理は「骨太の方針」に、50年後に1億人保持、出産、子育てに予算を重点化することを掲げるようだ。

しかし、出生率には経済的要因が決定的に影響しているのではないか。

今、正規雇用に比べ非正規雇用が多いことは、結婚できない男性が増えてくることだし、女性の社会進出が声髙に言われているが、女性の選択肢が増える一方で出生率が下がるのか、あるいは逆に上がるのか。ここがはっきりしない。

又、教育費用も高い。公立は人気がなく親は私立を願うが如何にせん、授業料が高い。「費用対便益」の考えが出てくる。

教育は未来への投資、社会保障の改善策とも言われているが先立つものは「金」だ。

労働人口の確保のために移民の受け入れが考えられている。汚い仕事、単純作業に向けるのだろうが、逆に移民が日本人の職を奪っているという見方も出来る。

これもテレビ番組で見たが、大きな公営団地の1棟にベトナム人、カンボジア人が入っているが自治会活動が大変な一方でイベントなどの運用を支えているようだ。日本人は高齢者が多いので移民の若者に頼るしかないのだ。

すでに人口減があらゆる社会経済に影響を及ぼしている。

政府は出産、育児に予算を重点化すると言うが、大事なのは結婚して子育てできる収入を得る仕事を確保できるかどうかではないか。そのためには経済界を上げて取り組まなければならない。

優秀な労働力の再生産が出来なければ、その付けは企業に跳ね返ってくることを忘れてはならない。


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