2014年7月10日木曜日

驕る安倍総理久しからず?

驕る安倍総理久しからず? 公約にあるなしを問わず、人事にまで手を突っ込んで自分のやりたい政策を押し通す「危険な総理」の体を表してきたが、近づく滋賀県知事選では自民党候補者が苦戦する結果になり自民党は大慌てだという。

特定秘密保護法では国民との情報の共有の問題、集団的自衛権では閣議で憲法解釈が変更できること、法人税下げでは代替財源の確保もしないままでの大企業優先の税制など圧倒的議席数の物を言わせた安倍総理の驕りを垣間見ることが出来る。

内政ばかりでは物足りないのか、積極的平和主義、岩盤規制への風穴にドリルの刃となると言ったかと思えば、今度はアベノミクスで悪魔を退治すると外資の日本進出を誘う。

中国、韓国に対しては包囲網を構築し、集団的自衛権と共に抑止力を高めようとする。我が国では当然と思っても、相手国は日本の戦力強化を警戒する。

アベノミクスで日本経済を立て直そうとした当時は円高→円安、株安→株高で経済も息を吹き返した。自民党は一致団結して安倍総理を支持する結果になり、安倍総理も自分の総理の座を脅かすであろう人間を閣内に取り込み押さえ込んだ。

インフレターゲット、異次元の金融緩和では日銀総裁を更迭、集団的自衛権では法制局長官を更迭、北朝鮮問題(?)では最高裁長官人事に口出しした。言論界にも手を出し偏向報道を理由にNHK経営委員、会長人事にも影響力を行使した。

こんな総理は経験したことがない。

そして総理に対する不信感は、集団的自衛権行使での憲法解釈見直しを閣議でやってしまったことだ。久しぶりに国会周辺が反対運動で賑やかになった。集団的安保と言うことまでなると昔なら学生が国会を取り囲む事態になったと思うが、今の学生は無関心なのか。

こう見てくると、今後安倍総理にとってはマイナス要因が多く、プラス要因はほとんどない状態で、「驕る安倍総理久しからず」の感が強い。

マイナス要因としては、滋賀県知事選に続く沖縄、福島両県知事選だ。辺野古移設問題が争点になるだろうが、仲井間さんが立候補しようとしている。当初反対していたのが急遽賛成に回った裏には何か裏取引があるのではないかとみられている。仲井間さんの健康も心配だ。大きく書いたペーパーを体を前後に揺らしながら棒読みしている姿に大丈夫かと心配だ。

原発の再稼働は、経済にとっては重大な問題だ。電気料金の値上げ、電力会社の経営にも大きく影響する。自然エネルギーの拡大は買い取り価格で電気料金の高騰を招いているドイツが参考になる。

安倍総理はアベノミクスの評価を株価で見るという。20000円まで上がるだろうと言われている株価も今は15000円台だ。今の株は欧米の経済状況に大きく左右され、安倍総理が海外で発言しても株価には影響しない。

言わんや、今までやってはいけない事であった年金基金を株に投資しようとしている事だ。国民が拠出した年金基金をアベノミクスの評価のために株に投資し株価を上げるなんて姑息な手を使っている。

支持率も下落傾向だ。朝日新聞では40%台、読売新聞でも50%台で安倍総理にとっては気がかりなのだろう。安倍さんの出身母体の派閥の長である町村さんが「支持率の下落を気にせず、長期政権を築け」と激励している。

確かにメデイアの世論調査に右往左往することはないが、政権の命運は世論調査にかかっていることも事実だ。

マイナス面はまだある。

具体例が提示されても曖昧な集団的自衛権行使については、関連法案の審議が必要になるが統一地方選での影響を避けてそれ以降の審議になるらしい。安倍総理は常に「丁寧な説明」と言うが、国民への真っ正面からの説明を避けている。

消費税8%から10%への決断もある。増税での反動は想定内と言うが、本当のところはどうなんだ。軽減税率では大いに揉めそうだ。

インフレ2%が達成出来るのか。しかも好循環でのインフレだ。日銀は達成に自信を見せているが未達なら日銀総裁、副総裁は首だ。逆に悪循環でのインフレは総理に責任がある。

失業率の改善が見られると言うが内容はどうなんだ。正規従業員より非正規従業員数が伸びているという。少子化対策とも関連するが、若者が結婚し、子どもを育てるに十分な所得を得ることが重要だが、経済界の意識改革も先決だ。

企業の儲けを家計に再分配する課題は、前川レポート、21世紀版前川レポートでも指摘されていたことだが、うまく行かなかった。その要因は企業家の意識なのだ。

おねだりばっかりの経済界の期待に応えようとすると減税になるが、財政再建も重要な課題だ。今度は経済界が何が出来るかを提案すべきだ。

安倍政権は当然のことのように経済成長と財政再建は両輪だと言う。財政出動で経済成長へ持って行き、税収増で社会保障も潤うのが一番理想ではあるが、そうはいかない。

今、税収は46兆円を越えようとしているがこの税収増を社会保障に持って行くか、経済成長に投資するかは政権の力関係だろう。税制中立を考えるとどちらにも投資と言うことになる。

政治は大企業、富裕層のためにあるとは言われているが、安倍政権も定石通りだ。しかしそれで「アベノミクスを津々浦々まで」とは虫が良すぎる。

そして、来年9月の自民党総裁選だ。

滋賀、沖縄、福島県知事選の結果を見ることになるのだろうが、安倍さんでは選挙は出来ないと言うことになれば対抗馬が出てくるだろう。今考えられるのが石破さんだ。

先の総裁選では1次選では本命と言われながら2次選では自民党長老の支持が得られず敗退した。そこで国会議員の比重を落とす規約の改定をしたようだ。これで石破さん優位になるか。

自民党も派閥の存在感は希薄になってきた。入閣順送りが破滅したために派閥の長の権限も弱くなった。

安倍総理も恣意的政策を強引に推し進めようとすると国民は離れていくのだ。


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