2014年7月11日金曜日

政党政治:亀井静香さん曰く「政治とは「良い権力」で政策を実現すること」?

政治とは、「良い権力」を作って政策を実現することか。久しぶりで亀井静香さんを見た。朝日新聞(2014.7.9)の「政党政治を問い直す」の新聞紙上だ。そこで亀井さんは「権力を握って主張を実現してこそ」政党政治なのだという。

亀井さんは自民党で要職につきその名を知らない人はいない重鎮だったが、小泉さんの郵政民営化に反対し総選挙ではライブドアの若き社長が刺客として送り込まれ、かろうじて(?)議席を守った。

その後国民新党を結成したが弱小政党で選挙の度に勢力を減らし綿貫代表さえ落選する始末だ。

その後、日本未来の党、みどりの党に加入したが、いずれも失敗し今、無所属だ。

その経験から、いくら良い政策を掲げても、有権者は目先の利益のことを優先する。長い目で見てみんなの利益になることには、なかなか耳を貸してくれないとぼやく。

野党再編で政党の離合集散が続くが、大体は失敗する。政策がぴたっと合っても同士的結合がないから闘う前に負けが分かっていたというのだ。

先に衆院選で小沢さんの生活の党と嘉田滋賀県知事、亀井さんで「日本未来の党」を作った。その時、亀井さんは確か1億円以上の選挙資金を提供したと新聞に出ていた。嘉田さんが「これで小沢さんからバトンタッチですね」という2人の会談がテレビで流れていた。

しかし、亀井さんと嘉田さんは選挙前会ったのは、たったの10分だという。政党の離合集散、新党結成もそんな物かと驚く。これじゃ勝てるはずがない。案の定、大事なときに小沢さんは雲隠れし打ち合わせなど出来ない状態が続いたようだ。嘉田さんは「こんな人だったのか」と嘆いていたが、そんな事は誰だって知っていることだ。

亀井さんは、小沢さんのことを「良い権力者」とは思っていない。

自民、社会、さきがけの3党で政権を作るとき、亀井さんは社会党の村山委員長(当時)に「大事なことは良い権力を作ること。小沢から権力を奪い取ることだと思わないか」と言ったら村山さんも「その通りだ」と言ったそうだ。

小沢さんは、今では弱小政党「生活の党」の党首だが、今までは常に政治の世界で権力を握った。しかし、ことごとく失敗し折角の政権交代も権力の二重構造、党内ゴタゴタで政権の座から降りた。

亀井さんの言う「良い権力」とは、「良い政権」のことで国民のために政策を推進する政党政治だ。

今までの政権を振り返って、そんな政権があったか。

何で登場したのかよく分からない小渕政権、金のばらまきで「日本一の借金王」と言ったほどだ。その後、密室で選ばれた森政権へたらい回しが始まる。「神の国」などの発言で辞任、小泉政権が始まった。

政財官の癒着構造が批判されると見ると「自民党をぶっ壊す」「小泉政権に反対する者は抵抗勢力」と打って国民の人気を集めた。ライフワーク(?)の郵政民営化は自民党に衝撃が走った。賛否を問う総選挙では反対者には刺客を送り込み、yesかnoの二者択一を迫った。

このとき、郵政民営化に反対する亀井さんに、刺客としてライブドアの社長(名前は忘れた)が送り込まれ若者中心の選挙運動を実施した。メデイアは小泉劇場を煽り、選挙期間中の注目選挙区になった。

都会では又違った結果が出ただろうが、広島の田舎選挙区だ。長年支持者を固める亀井さんが勝った。

小泉さんの後、安倍さんが総理となり第1次安倍政権が出来たが、体調を崩し途中で政権を投げ出した。

その後、本格政権として福田政権になるが、自分では総選挙は戦えないと辞任し、麻生内閣へたらい回しが続いた。「解散・総選挙」管理内閣だったが、リーマンショックで経済対策が優先し、1年後に解散・総選挙になった。

自民党政治に飽きた国民は、この辺で一度民主党に任せてみてはどうかというという気運が高まり民主党が政権の座に着いた。権力者・小沢さんの功績は大きかったが、民主党が野党時代は若手・中堅議員が国会審議で自民党政権を追求する姿は頼もしい限りだった。

民主党最初の鳩山政権はひどい政権だった。政策はくるくる変わる。小沢さんとの権力の二重構造に泣かされたが、ツートップの政治資金規正法違反容疑は共に引責辞任しなければ民主党政権は持たなかった。

続く菅政権は、市民活動出身と言うことで期待も多かったが、東北地方太平洋沖地震、それに続く福島第一原発のメルトダウン事故の処理をめぐり国民、被災者の不満が高じた。「イラ菅」と揶揄されたが本領を発揮したようだ。「解散・総選挙は何時か」と野党から問われたが、次々に新しい政策を打ち出し先延ばし戦略に出た。

最後になった野田政権は、海外では一定の評価を得ていたようだが、国内では「何時解散/総選挙」、「近いうち」が決まり文句になった。そして国会改革、衆議院議員数削減等を自民党がのめば「3日後に解散します。呑みますか」との党首討論になり、解散に言明した。攻める自民党・安倍総裁は「解散するんですね」と驚きを隠さなかった。

党首討論らしい状況を見たが、野田さんからすると自民党に裏切られた感じだろう。

そして、解散・総選挙で与党民主党は敗北し、野党自民党が圧倒的多数の議席を確保し、第2次安倍政権の誕生になった。

安倍さんは円高、株安対策に、日銀総裁を更迭してインフレターゲット、異次元の金融緩和策をとり、その経済政策はアベノミクスと言われるようになった。

経済再生への大きな評価を得て、安倍総理は次々に成長戦略、財政再建策を打ち出したが、閣議による憲法解釈見直しを可能にしたことで支持率を落とす事になった。

公約にない政策を恣意的に進める安倍総理に多くの国民が違和感を持ち出した。いつまで持つのか。「驕る安倍総理久しからず」だ。

亀井さんは、「良い権力」を作ることが重要だと述べたが、政党にいるからこそ連立、連携の声がかかるのであって、一人ではそういうチャンスはないという。

今、野党再編が叫ばれているが、政策の一致と共に、国と国民に命をかける覚悟のある奴が一緒になってやるのが基本だという。

亀井さんは、良い政策を「良い権力」(良い政権)で進めて行くことが大事だと言っているようだ。小沢さんとくっついたり離れたりの政治から学んだ教訓あのだろう。

今の自民党も肝に銘じるべきだ。

0 件のコメント: