2014年7月28日月曜日

NHKスペシャル「STAP細胞不正の深層に迫る」を見て:「この論文一つが科学界を震撼」という感じ

NHKスペシャル
2014.7.27
27日午後9時からのNHKスペシャル「STAP細胞不正の深層に迫る」を見て、この論文たった1つのために日本科学界のを震撼、信頼を失墜させた悔いは大きい。何故、共著者は立ち止まるチャンスを見逃したのか。これこそSTAP細胞不正の根源ではないか。

小保方さんや笹井さんにもっと謙虚さがあったら防げた不正事件ではなかったか。

NHKだからと言うわけではないが、メデイアの報道を100%信頼することは避けた方が良いが、内容的には納得がいくものだった。

番組の中で日本の研究者が5人ほど論文を検証していた。画像を含めかなりの箇所の疑惑が指摘される。その中の1人が「こういうのあり得ない」とショックを隠せなかった。

不備だらけの実験ノートが写されていたが、実験はうまく行っていないようで、「キメラ生まれず」と記されていたが実験の記録とは言えない内容だ。

STAP細胞のアイデイアはバカンテイ教授で受精卵のような万能細胞を作ることにあったが、ハーバード大のジョージ・デイリー教授は、論文が本当なら万能細胞の研究に新しい扉を開くものと言うが、論文通りに万能細胞を作ることは出来なかったと言い、細胞が緑に光る現象を確認したと言うが、細胞が死ぬ直前に起きる現象ではないかという。

今まで専門家から指摘されていたことだ。

実験成功のポイントになるマウスとキメラマウスの「TRCの確認」も論文では「TRCの再構成を調べた」と記述しているだけで結果はどうだったかの記述がない。

九大の中山先生は、「何でこんなデータを調べないのか。何で徹底的に調べたら分かることなのに何でやらなかったのか」と疑問を呈する。他の多くのデータの一つであり、それだけで初期化出来ることを立証する論旨にはなっていないと言うのだろう。

著者達が知っているとすれば、この論文のストーリーそのものが成立しない。もう一回やってみようと言うことになるはずだと指摘する。

理研の改革委員会が指摘していたように「論文作成への真剣味が足りない」のだ。

科学誌の編集者は、自らを反省すると共に、発表される論文が、ある程度の基準に達するように少しで良いから時間を使って欲しいと苦言を呈した。

では、どうすればこのようは不正が防止できるのか。

どうして不正に走ったのか、どうすれば防止できるか。そればかり考えておかなければ不正は防止できないと言う一方で、組織の風土を替えることも必要と言う。組織に不条理な命令が有れば大きなプレッシャーとなって不正は減らないという。

今回もstap細胞不正事件の背後には理研の思惑があったはずだ。

理研で検証をやった遠藤さんは「STAP細胞は調べれば調べるほど、存在自体が分からなくなってくるようなものだ」と言っていたが、今はまさにその通りなのだ。

ただ、相変わらず竹市センター長は「99%存在しなくても、1%の可能性はある。全解析をやってから結論を出す」というのだ。実験を手がけたメンツでもあるのだろう。確か8月に中間報告が成されるはずだ。

今まで一回でも成功していれば直ぐにコメントを出すだろうが、それがないことは成功していないのだろう。

研究のあり方、不正防止に説得力のある内容ではあった。

データの大部分が不完全で、説明不十分なSTAP細胞論文一つのために日本の科学界が信用を大きく失墜させたことは本当に残念なことだ。

逆説だが、小保方さんはいろんな教訓、警鐘を鳴らしてくれた功績は大きいのではないか。自らの現状をしっかり把握し潔く出処進退を決めるべきだ。

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