2014年11月16日日曜日

STAP細胞捏造事件:最後は捏造の手口を明らかにして終わろう

STAP細胞捏造事件も小保方さん自らの検証実験を終わろうとしているが、最後は捏造の手口を明らかにして終わるべきだろう。ベル研究所のヤン・ヘンドリック・シェーンの超伝導材料、ソウル大の黄教授のES細胞論文捏造とともに世界三大捏造事件という悪名高き評価を受けてしまったが、前2件はそれぞれ検証され捏造の手口が公表された。

STAP細胞も今更、1件成功した事例があると言ってみたところで、その意義はあるのだろうかとも言われ出した。

小保方さん自らの検証実験の期日である11月末も迫り、理研は何ら中間報告もしていないが、朝日新聞と近畿大との共同企画で約30回の検証実験の概要が報道された。

それによると、各実験ごとに緑に光る細胞の塊、緑と赤に光る細胞の塊が確認されたが、遺伝子量が極端に少なく更なる実験を続ける必要性を見いだせなかったという。第三者機関での検証実験の詳細が発表されたのは初めてだ。

この結果、専門家や大方の国民が思っている「STAP細胞はない」という訳だが、小保方さんは200回以上成功していると記者会見で言っていた。

その実験段階がどのところか分からないが、笹井さんは緑に光ったところだろうという。だとすると、近畿大の実験でも確認されている。

しかし、小保方さんも遺伝子量が少ないことに気づきこのままでは次の実験に進めないとみてES細胞を加えたのだろうか。論文では複数の細胞の塊と記述されていたのでES細胞を加えても可笑しくはない。

でも、笹井さんは記者会見でES細胞の混入疑惑を聞かれてSTAP細胞は小さい細胞で他の細胞との混在などあり得ないということを言っていた。そういう考えはやったことのない人の机上の空論だとも反論していたが、理研の身内の研究者からも疑惑が指摘される始末だ。

小保方さんはこの細胞を若山さんに渡しキメラマウスの作成に成功、震えが来るほど驚いたと若山さんは述懐していたが、その実験にも若山さん自ら疑惑を呈している。

新聞の報道をつなぎ合わせてSTAP細胞捏造事件を考えるが、素人にはわかりづらい。

専門家の間でも、ES細胞の存在、複数の細胞の塊ならそれぞれの細胞での動物実験をなぜやらなかったのか、プロトコルで「STAP幹細胞にTRC再構成がない」と記されていること、STAP細胞論文画像と博士論文画像の酷似点、実験ノートの取り方等への疑問が呈されている。

小保方さんがどういう手法を使ってSTAP細胞論文疑惑に至ったのか。もう問いかけることはできないが笹井さんともあろう優秀な研究者が本当に気づいていなかったのか。

新聞報道では理研の組織改革が始まり、理研の神戸の発生・再生科学総合研究センターでは40ある研究室が20に削減された。一部幹部の交代があったと言うが、野依理事長等は今回の論文不正問題の責任を取って報酬の十分に一を3ヶ月自主返納すると先に発表した。

日本の科学界の信頼を大きく失墜させた責任がこの程度だとしたら、何ら責任を感じていないのではないか。不正をやったのは小保方さん、笹井さんだとでも言いたいようだ。

11月末までの小保方さんの検証実験、来年3月末までの理研によるSTAP細胞検証実験の報告がどうなるか分からないが、うやむやのうちに幕引きとなる可能性もある。そして理研は特定法人の認定を受けてジャブジャブ研究費を垂れ流す研究機関にもどるのか。

理研がどういう生き残りをかけた改革に取り組むか分からないが、今回のSTAP細胞論文疑惑での捏造の手口ははっきりさせるべきだ。

それには小保方さんが本当のことを自らの言葉で言うべきだ。弁護団を隠れ蓑にして逃げ切ることはあってはならない。小保方さんがどんなに取り繕う発言をしても誰も納得はしない。本当のことを言うしかないのだ。


関連記事

2014.11.13掲載
STAP細胞:やっぱり「STAP細胞はありませんッ」と言うことか

2014.6.5掲載
ベル研の「超伝導」、理研の「STAP細胞」:共通する論文捏造、何故騙されたのか


0 件のコメント: