2014年12月10日水曜日

麻生さんの「失言」:「経営者に能力がない」、「子どもを産まない」発言の本音?

麻生さんが6日と7日の応援演説(?)で、またまた失言したと言うが、「経営者に能力がない」「子どもを産まない」発言の本音?。決して間違ったことを言っているわけではないが、財務相という政策を進めていかなければならない要の立場にあっての「この発言」は問題なのだ。案の定、財務省での記者会見で「説明不足」だったことを横柄な態度で弁解した。

この発言はテレビのニュースで流れ、野党などが一斉に問題発言にし新聞報道も後追いした。

円高で輸出型大企業などを先頭に企業業績は大きく改善しており、政権側ではアベノミクスによる効果と主張する。新聞報道によると、そこで麻生さんは「その結果として企業は大量の利益を出している。出していないのは、よほど運が悪いか、経営者に能力がないかだ」と言ったそうだ。

前にも同じような発言をしたことがあると記憶しているので経営者の経験のある麻生さんの本音なのだろう。

今、日本経済は急速な円安により輸出型大企業などは空前の利益を出している一方で、内需型中小企業は独自の技術開発で負けない業績を上げている企業もあるし、設備投資を抑えて細々とやっている企業もあれば、円安による原料高が経営を圧迫し廃業している企業もある。

何やら2極化しているようだ。

「アベノミクスの効果は現れていない」、「仕事は増えたが儲けはない」という中小企業の経営者の声を良く聞く。TBSテレビのニュース23に生出演した安倍さんが、街の声としてこういた声を放映したとき、「今儲かっていると言う経営者はいないでしょう。言えばもっと負けろと言われる」とムキになって発言に疑問を呈していた。しかし中小企業の経営者の声は本当だろう。

これと言った独自の技術を持っていない企業は経営が大変だろうし、発注側の企業はコストアップに答えようとしないだろう。 まだまだデフレマインドから脱していないのだ。

そして、少子高齢化、増え続ける社会保障費に関して「高齢者が悪いようなイメージを作っている人がいっぱいいるが、子どもを生まないが問題だ」と言ったそうだ。

私も高齢者だ。社会保障と税の一体改革が問題になると「高齢者が・・・・」といわれ、聞くたびにイヤになる事がある。高齢者、高齢者と馬鹿にするなと言いたい。

「麻生さん良く言ってくれた」と思う反面、「子どもを産まないことが問題である」ことも事実だ。

過去に人口が爆発的に増えることを回避しようと出生率1.4を推奨したが、今度は人口減に歯止めがかからず、今後の人口減は社会機能を維持していくのも難しくなる社会問題になってきた。急遽出生率1.8を推奨しても急には増えない。また増えたとしても生産力に貢献出来るのは20年先だ。

テレビニュースで安倍さんが育児中の女性たちの集まった会合に顔を出したときに、若いお母さんが「働けるように保育園の充実」を訴えていたが、本当に保育園だけの話なのか。

まず若い結婚適齢期の世代が正規の仕事に就き年収300万円を確保できる環境が整っているのか。就業者が100万人増えたと言っても内容は非正規従業員のようだ。賃金は上がっていると言うが消費税増税などを考慮すると実質賃金はマイナス成長という。

企業の儲けを家計に再分配するには賃上げが大事で、政労使会合で安倍さんは更なる賃上げを要求した。大手企業は同意するが中小企業の経営者では思惑が違うようだ。

シングルマザーの問題も大きい。何かの理由で離婚し女手1人で子どもを育てるのは並大抵の話ではない。それなりの技術を持っていれば何とかなるが、それもなければ子どもを託児所に預けての夜の仕事となる。

歌舞伎町の街で仕事のために子どもを抱っこし託児所に向かう母親の後ろ姿が映り、子どもが左手を挙げて「お母さんきれいだね」と指さしている姿(?)を見ると同じ年齢の孫がいるので涙が出る。折角生まれた子どもをしっかり育てられるような支援も必要なのだ。

保育園に子どもを預けて働けても子どもが急に病気になれば休まざるを得ない。そういうことが続けば企業もいやがるだろう。共稼ぎ夫婦が交代で年休を取って対応していたがついには母親が仕事を辞めることになった例を知っている。親が遠くでは援助も大変らしい。

石破さんが講演会で「近居」に付いて話したが批判が相次いだようだ。「親が近くに住めるようになれば」と言うことなのだろうが、それが出来ないから困っているのだ。

麻生さんが言っているのは理解出来る面もあるが、財務相としての立場での発言であれば問題だ。

でも政府のやる政策には限界がある。今まで色々やっては来たが効果は不確実なのだ。寧ろ後は民間企業の意識の改革が大事だ。

日本の社会をどうやって維持していくか。良質の労働力をどうやって確保していくか。全ては企業存続にかかわる重要な問題点なのだ。

麻生発言を批判するばかりでは解決にならない。丁度、選挙選真っ最中だ。「誰に投票するか」で麻生発言に答えよう。


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