2015年3月24日火曜日

これも野依イニシアテイブか:STAP細胞研究不正の責任は「現場の研究者」、理事長ではないという

これも野依イニシアテイブか。辞任が予定されている理研・野依理事長が23日記者会見でSTAP細胞研究不正について発言し、研究不正の責任は「現場の研究者」にあり理事長である自分にはないという。徹底した解明がなされなかったのは論文が撤回されれば記述はなかったことになり解明を打ち切るのが研究者社会の主流だと言う。一般社会では非常識に聞こえた。

自らの責任を回避する論法だが、今回の研究不正は所内にルールがありながら無視してトップダウンで不正を行った組織のガバナンスの欠陥があったのではないか。それは誰の責任かといえば組織の長である野依理事長の責任ではないのか。

そして日本の科学界の信用を大きく失墜させた責任も大きい。その認識が野依理事長にはないのか。

何やら研究者社会の常識と一般社会の常識の食い違いをあからさまにした感じだ。

「社会への説明をどう考えるのか」と質問され、「不正防止をして今後科学技術の振興に貢献出来れば、この事案はあったかいがある」という。何を考えているのか。この事案は世界三大不正事件とまで言われ研究者倫理の問題にまで発展した最悪に事案だ。

今後生きるとすれば、研究者倫理教育の代表事例として「理研・STAP細胞不正事件」としての資料なのだ。

また研究全体が虚構だったSTAP細胞研究に8360万円という突出した予算を使い小保方さんの研究には4600万円が使われたことが分かった。これが国の交付金すなわち我々の税金で処理されているのだ。理研の対応がもたついている間に経費がドンドンかかっていたのだ。

msn(2015.3.24)やメデイアの報道に目を通してみた。

今回の記会見は辞任の記者会見ではなく、大きな意味で真相が解明されたこと、外部有識者委員会の「改革の道筋がついた」との報告を受けてのことだったようだ。「人事についてはコメントしない」と相変わらず言う。

徹底解明がされていないことについて、経過は未解明だが詳細よりも全貌がどうだったかが大事で、その場その場で最適な判断をしたといい、研究全体が虚構だったというが最も大事なことは結論で法的処置は行わないことになったという。

野依理事長もSTAP細胞研究不正を最初は図版の取り違え問題に過ぎず研究成果はゆるぎがないとみていたが、学位論文の画像が転用されていたことで大変なことが起きたと考え始めたようだ。だから「未熟な研究者の仕業」と言うことになったのか。

論文を撤回すれば解明は打ち切るのが研究者社会の主流と言うが、失言を撤回して責任逃れする政界と同じむじなだ。

最大の責任は「現場の研究者」と言うが、では誰なのか。小保方さんかというと「チームとして大きな問題」と言い換える。

やっぱり今回の不正事件での一番の責任は当時の理研の若山研究室にあるのではないか。虚構の研究を日本に最初に持ち込んだのは若山さんだ。しかも理研を通さずに迎え入れたという。若山さんがもっとしっかり事前調査していれば防げた事件だったかもしれない。その点は故笹井さんが記者会見で言ったとおりではないか。

今回の理研の一連の対応を見ているとノーベル賞受賞者である野依理事長をどう守るかが至上命題になっていたのではないか。それが処理の判断を狂わす結果になった。ノーベル賞受賞者を組織の長にしてはならない良い例だ。

又、下村文科相も理研を視察し「道筋はついた」と感想を述べたようだが、特定国立研究開発法人への指定については「いつまでにとは言えない」と言ったそうだ。


理研の次の理事長候補に松本前京大総長の名前も挙がっている。国民に理解される改革を行って欲しいが、まずは調査委員会の報告書を公表すべきではないか。「STAP細胞はES細胞」の結論に至った経緯が分からないのだ。

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