2015年5月15日金曜日

「安保法制」、閣議決定、国会審議へ:憲法改正、安保改定の裏技で抑止力強化を狙うのか

14日 安倍総理記者会見
2015.5.14 TBSテレビニュース23
憲法改正、安保改定の裏技とも言うべき安全保障法制(正式には平和安全法制)が10本の重要法案の改正を1本にまとめた一括法案が14日閣議決定され、通常国会へ、安倍総理は自信を持って「国民の命と生活を守る」と言えるのか。「切れ目ない備え」を急ぐと言うが最近の世論調査では80%の国民が反対または「チョット待て」と言っている民意にも反していないのか。

武力攻撃事態法改正案、重要影響事態法案、PKO協力法改正案、自衛隊法改正案など重要法案が一括で提案させるという。説明しやすい、国民に理解されやすい事項を表に出し、余り知られたくない事項を隠しての一括提案だ。

更に国会審議も覚束ない。会期延長しても90時間の審議が確保されるらしいが、国会の事前承認を前提にするにせよ集団的自衛権の限定行使など憲法9条改正の意味合いもある法案をこんな短時間にやるというのか。

おまけに今までの国会審議を見ていると、野党同士で同じ質問を繰り返している。質問事項は予め提出され、官僚が答弁書を作成し、大臣はそれを棒読みしているのだから同じ内容の繰り返し審議だ。いわゆる「やらせ審議」の疑いがある。

「野党の質問によっては法案内容の変更もあるのか」との記者会見での質問に安倍総理は答えなかった。与党間交渉では公明党が歯止め役を担ったと言うが、国会審議で野党が歯止め役を担うことが出来るか。安倍総理は「自公でごり押し」感を払拭するためにも野党案に譲歩する可能性もある。

又、法案の名称が変わったことも不思議だ。当初は「安全保障法制」と言っていたが正式名称は「平和安全法制」に変更された。戦争法案のレッテルを貼られることへの対応策なのか。

「平和」とは、武力で紛争を解決するのではなく、外交で解決するのが本筋だが、今の中国の軍拡、尖閣諸島領土問題、度重なる領海侵犯、北朝鮮の核ミサイル問題などを見ると外交での解決は無理だ。

当然に自衛権行使での抑止策を考えなければならない。我が国一国では無理なので米国との強調行動にならざるを得ない。

先のオバマ大統領との会見で今夏までに実現すると約束したことは安倍総理の本気度がうかがえる。米国も最近外交で負い目がある。軍事費も削減では日本の協力は必要だ。辺野古移設問題は日米での合意済みなのだ。

法整備が進めばガイドラインの裏打ちができる。国連の場を場中心にしたPKO拡大など更なる貢献が期待できる事は分かる。

安倍総理の記者会見でも厳格な歯止めが定めてあり、戦争法案という無責任なレッテル貼りは誤りで、米国の戦争に巻き込まれることはなく、イスラム国掃討作戦の後方支援することはないと今まで出ている疑問に答えている。

でも、日本が進んで戦争などしないということだけで、相手国が戦争を仕掛けてきたときはどうなるのか。米国と一緒に戦うことになるのか。

国会の事前承認など歯止めがかかっているというが今後の国会審議で明らかになるだろう。公明党が十分に歯止めをかけたとは言いにくい。「政教分離」で脅されればすぐに豹変する政党だ。

野党はこぞって反対のコメントを発表した。

民主党は党内の意見も集約できず苦しい国会審議を迎えることになるのだろうが、岡田代表は国民の命、生活を守れるのかと疑問を呈する。維新の党の江田代表は重要法案を一本化することは国民を無視していると対案を示すという。共産党は憲法破壊の企て、法案を葬り去ると力説する。

安倍総理は「変化に目をそむけず」というが、中国、北朝鮮、ロシアの国際ルールを無視した挑発行為から考えると賛成する向きが多いだろうが、「自信をもって」というには法案の内容がはっきりしなければ何とも言えない。

実質的には憲法改正、安保改正の内容だ。国民が十分に理解できるまで説明することができるのか。

時間切れでの強行採決、圧倒的多数の自民党議席に押し切られる姿が見えてくるのだが。


0 件のコメント: