2015年6月28日日曜日

安倍・自民党政権はいつから気が狂ったか

安倍系保守がリベラルを駆逐か
自民党本部
自民党・安倍政権はいつから気が狂ったのか。そんな危惧が出てくる今日であるが、安倍さんが自民党総裁選に出て来て勝利し総理の座に就いた。安倍さんは何をしようとしたのか。取り敢えずは日本経済の再生だろう。そして持論である憲法改正、独自憲法の制定だ。メデイアでよく報じられる岸信介さんを越え、安倍晋太郎さんの出来なかったことをやろうとする意欲が大きいのだろうか。

その過程で多くの抵抗に遭うが、何を思ったのか異論にも耳を傾ける姿勢はなく異論を封じる言動に出た。権力者になると怖い物はない。人事にも介入し政策をごり押し、党内のリベラルを押さえ込んでいる感じだ。こんな安倍政権にいつまで追随するのか。

先の衆院選は「大義なき選挙」といわれたが、願っていた勢力拡大は達成出来た。でも主要な経済政策のアベノミクスの恩恵にあずかる国民は少ない。70%が「恩恵なし」と答えていた。これでは選挙戦に不利と思ったのか自らテレビに生出演しアベノミクスを訴える戦術に出た。

ところが、TBSニュース23での生出演で放映された街角インタビューの映像でほとんどの人が「アベノミクスの恩恵なし」だったために安倍さんが猛烈に反論した。「チョット可笑しいのではないか」というのだ。そして今まで聞いたこともないような経済指標を矢継ぎ早にまくし立てアベノミクスによる経済の好転を主張し反論したのだ。

この番組を見ていたが呆気にとられた。インタビューでは恩恵を感じていない意見が多かったことは分かるが、成績の良くなった数値の経済指標をあげての反論はつまみ食いだ。

この件以降、官邸が「報道の公平性」を求める通達(?)をメデイアに出しメデイア牽制の批判が上がった。安倍さんの意向を忖度した側近の勇み足とも取られたが本気なのだ。

自分の進めようとする政策に異論を唱える報道にはシビアに反応するようになりメデイアの牽制につながった。安倍さんは国会審議で百田発言に対して「自民党は新聞社に圧力をかけるようなことはしない」という意味の発言をしていたが、どう思っているのか。自分たちのやっていることを忘れて正論を吐く安倍さんは信用できない政治家になってしまった。

アベノミクスも評価が難しい。大胆な金融政策も日銀任せ、財政政策、成長戦略も財政健全化と一体ではなかなか難しい。2020年度にPBの黒字化を政権は約束するが10%消費税増税でも9.4兆円が不足する。それを歳入改革、歳出改革で達成しようとしているがどうなるか。経済財政諮問会議の民間議員の提言で赤字額/GDP比も経済指標に加えたが、歳出削減で分子を小さくし経済成長で分母のGDPを増やせば計算上は達成出来るというのか。

2%の物価安定目標達成も日銀は期待感を煽るが民間エコノミストのほとんどは否定的だ。先の朝日新聞で元日銀副総裁の山口さんのインタビュー記事が載っていたが、山口さんは「目標が高すぎる。日銀は早く現実に目を向けるべきだ」とアドバイスした。

自らの経済政策がそんな状況であるにもかかわらず、今度は本論である集団的自衛権行使容認を国会審議を経ずに閣議決定し、今安保関連法案として11本の新しい法案と改正案を1本の法案にして一括提案した。先の訪米時にオバマ大統領に確約した手前、何があっても会期中に成立させるのが今の自民党の命題なのだ。会期中には難しいとみてか会期の延長を決めた。95日という過去に例を見ない長さだと言う。

ところが安倍さんにしてみれば「丁寧な説明」(?)をしているつもりだが、国民の理解が進まず世論調査でも69%が「丁寧な説明になっていない」という。野党は同じ質問を繰り返すし国会外では「9条を守れ」「戦争をさせない」「安倍政権打倒」が盛り上がってきた。

安倍さんのイライラは募るばかりだろうが、そこに自民党若手、中堅の安倍さん寄りの国会議員で立ち上げた「文化芸術懇話会」での百田発言、報道機関弾圧発言だ。

情報番組のMCも「こんな発言が出ることが悲しくてニュースにしたくない」と言わしめた程乱暴で、幼稚な発言だった。「これが自民党の今なのだ」と付け加えた。

国会審議で責任を追及された安倍さんは、正式な会合ではないことを理由に謝罪を拒否したが、「事実であれば大変遺憾なこと」と言わざるを得なかった。これに関連している議員や講師は安倍さんに近い人物で安倍さんをヨイショする気持ちが大きかったのだろう。

そしてこの安保関連法案は「合憲か」「違憲か」で論争になったが、3人の憲法学者と自公所属議員、一部評論家を除いては大方が「違憲」とみている。政府は砂川判決などを持ち出して合憲の根拠にしているがそもそも無理である。この法案を公明党とまとめた高村さんもテレビ番組などで説明するが理解はされていないようだ。

安倍さんに取っては不利な状況が続く。理解も出来ていない自民党議員、タダ安倍さんをヨイショするだけの議員がテレビなどに出演して失言、暴言を吐くことに危機感を抱いた自民党は情報番組への出演を取りやめるように指示したという。
それでもまともに(?)答えられるのは安倍さん、高村さん、中谷さんだとすると、岡田さん、志位さんは頑張っているではないか。蓮舫さんも「ソーリ、ソーリ」と頑張っている。

安倍系保守が幅をきかせリベラルが影を潜めた今の自民党がこういった不祥事を露呈させているのではないか。

安倍さんも他人の意見に耳をかさず自分のやりたいことをごり押しする政治姿勢に不安を感じるが、総理の資質にかける人間が一旦権力を握ると人事を振りかざして周囲を恐れさせる。

チンピラ議員が安倍さん寄りの言動をしてチャンスを狙う。党内でOBを除いてブレーキをかける人材もいなくなった。

昔なら戦争に導いても可笑しくない状況であるが、今はそんな事は出来ないから助かっているだけだ。


0 件のコメント: