2015年6月3日水曜日

医者が安易に診断する患者、薬の過剰投与の抑制で医療制度の根本改革を

医者が検査基準値から安易に診断し増える患者、薬の過剰投与などが社会保障費のうちの医療費の伸びの要因になっていることを考えると医療制度の根本的改革が必要である。かかりつけ医師、かかりつけ薬局などの制度は提案されているが、大切なのは医師や患者の意識改革である。

以前からよく言われているのが「この程度で医者に来る必要はない」という医者には「この医者は薬もくれない」と避け、大したこともないのに「薬を出しておきましょう」という医者は患者から評判が良い。本当は逆なんだけど患者自身の意識改革も必要だ。

年を取ると体のあちこちが具合が悪くなり診療科目が多義にわたる事もある。しかも高齢になると医療費は1割、2割負担だから当然に国の負担が多くなり財政的に苦しくなる。

2020年度にPB黒字化を唱っている以上は財政健全化が喫緊の課題になる。

歳出改革で出てくるのが医療制度の改革だ。経済財政諮問会議で民間議員が2016年度予算で診療報酬の改定に不退転の決意で取り組めと言うし、財政制度等審議会も保険給付範囲の見直し、サービス単価の抑制、負担能力に応じた公平や負担、医療の効率化を建議している。

具体的には、ジェネリック医薬品の使用割合を80%へ、市販品類似薬の保険からの除外、薬価の改定、診療報酬の適正化、75歳以上の2割負担などが挙げられている。

しかし問題は医者が病人を作り出していないか。患者への薬の過剰投与になっていないかだ。

特に高血圧症や高脂血症には問題がありそうだ。いつも週刊誌などで騒がれている。

私も医者の前や血圧測定になると緊張して血圧が高めに出る。若い頃から本態性高血圧と言われてきたが普段の血圧は高くないのだ。特に人間ドックなどを受けると血圧が高めで「要観察」となる。

大きい病院に行くと待合室に血圧測定器が置かれて自分で血圧を測り記録紙を医者に提出するようになっている。これだと血圧も基準値(135,85)よりも5~10高い事がある。医者もこれなら特に薬を飲む必要はないという。
ところが病院が変わって医者が血圧計で測ることになると高めになる。医者は「高い」と言うが「薬を飲め」とは言わない。1回目は高いが2回目は正常に近いのだ。余りにも「高い」と言われるので1年間の家庭での血圧測定記録帳を見せたことがある。「問題ないんだな」という。

でも医者の前で高いのも事実なのだ。医者は「気をつけろ」という。こう言うやり取りがあって降圧剤の服用になるのだろう。しかし本来は正常(?)なのだから下がりすぎになることに注意すべきだ。

こう言う例もあった。マンションの管理人さんが管理室で倒れて病院に運ばれた。原因は血圧が下がりすぎたことらしい。医者の前での血圧測定値に頼って降圧剤を飲んでいたためで、家庭での血圧測定でチェックするようにしたというのだ。

又、別の医者では家庭での血圧は「135以下、80以下」を奨励しているという。私の測定値では135,85を越えているので飲んだ方が良いというのだ。迷ったが一度降圧剤を飲んでみるかと思い一番軽いのを2週間分もらって様子を見ることにしたら1回飲んだだけで血圧が逆に180~190に上がってしまった。まずいと思い服用を止めた。

2週間でいつもの血圧値に戻ったが、高血圧の基準値も「140以下、90以下」になり健康体になった。最近は家庭での血圧測定を止めた。病院に行っても血圧のことを気にしなくなったら医者も何も言わなくなった。

人間ドックで同時に総コレステロールも260と高かったために高脂血症になり薬を服用するようになった。LDLコレステロール値が高い。

ところが最近、人間ドック学会が基準値を発表し178まで正常だとした。私も医者に言って1ヶ月間服用を止め再検査したところ174で医者は「飲み続けたほうが良い」というので服用しているが人間ドック学会の基準値以内なのだ。

そして最近、アメリカの専門学会がガイドラインを改正したというニュースが流れた。血中コレステロールを下げても心血管疾患が治療、改善された根拠はないというのだ。

これらのニュ-スを聞いて迷う。医者も説明できず相変わらず検査基準値での診断判定を行っているのだ。人間ドック学会以外の専門学会は「諸々のことを考えての判定基準だ」と言うばかりだ。基準値や新しい見解が出れば患者が1/10に減るというのだ。基準値で医者や製薬メーカーが大儲けしている実体が明らかになってくる。
診療科目が替わり医者も変わればそれぞれで投薬されることになる。患者が医者と対等に議論出来なければ医者の言うとおりになって、診断過誤、過剰投薬になってしまう。


高齢者になればなるほどその傾向は強い。医療の適正化、効率化は医者と患者の意識の問題なのだ。そして高齢者をどう援助するか。

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