2015年6月17日水曜日

立憲政治へ:国民の監視と健全な野党の育成が急務だ

立憲政治を取り戻すには国民の監視と健全な野党の育成が急務だ。安保関連法案の国会審議、衆院憲法審査会で安保関連法案の「違憲」がクローズアップされた。普段は何をやっているのか分からない憲法学者が「違憲」ののろしを上げた。
                      
時代時代で厳しさを増す国際安保情勢下で現憲法では対応が難しくなり憲法改正が必要と思われるが、その改正のハードルも高いと見た安倍政権は強引に解釈改憲に出た。今までの政府見解の整合性、砂川判決を表に出し政権は「違憲」に反論する。

先の政権交代の可能性が出てきた衆院選時、「日本再生」を請負、政権奪取を目指した自民党を支持した時、誰がこんな政治になることを想像したか。

アベノミクスという経済政策で日本経済を立て直したかのように見え政権基盤を頑強にした安倍さんの今回の集団的自衛権行使容認、安保関連法案に至っては恣意的政策の意味合いが強い。

おまけに自民党内ではリベラルと思えた弁護士出身の実力者までが安倍さんの毒牙にやられたのか精彩を欠き「違憲」に加担する始末だ。

おまけに安倍さんは権力を握るや人事権をフル回転してポスト安倍の芽を摘んでしまったかに見える。

それを可能にしたのも、多数の議席を得て一強多弱の体制を築いたことだが、それだけに満足せず今度は維新の会の創業者で最高顧問の橋下さんまで取り込んで野党再編にくさびを打ち込み自公+維新の会(橋下グループ)の与党体制の構築を狙っているようだ。

橋下さんは12月に政界から引退すると公言したのだから放っておけばいいものをその人気(?)を惜しんで安倍さんが支援要請したとの見方が広まっている。

どこまで安倍さんに権力を与えて恣意的政策を進めさせようとしているのか。そして憲法が邪魔なら解釈改憲するという荒技も使える国会の体制も出来上がりつつある。

やりたい放題の安倍さんは立憲政治を否定しだしたのか。

安保関連法案では多くの憲法学者が違憲とする中で政権を擁護する「合憲」としたのはたった3人の憲法学者だった。

国会で追及にあぐねる民主党をはじめとする野党だが憲法学者、有識者そして市民団体が「立憲主義の危機」「憲法9条を守れ」「戦争させるな」と声を張り上げ、「安倍政権打倒」
の声も聞こえる。

でも肝心なのは政権をよく監視し健全な野党を育成することが急務ではなかろうか。近くに迫った参院選へ向け真剣に考えるべきだ。

17日午後3時から党首討論が始まった。NHKラジオの中継を聞いていると岡田さんは「私の質問に答えていない」というし、安倍さんも「私の質問に答えていない」と反論したり、「そういう質問は予算委員会と同じではないか」と党首討論ではもっと違う次元で討論しようという意味の発言を安倍さんはする。

また相変わらず党首討論の会場はヤジでうるさい。安倍さんは発言を中断し「静かにしてください」「委員長注意してください」と要求する。予算委員会で不規則発言が多い安倍さんが自分のことを忘れたようだが、いつものことながら質問と答弁がかみ合わないのはどういうわけか。

安倍総理の答弁は野党にしているのではなく、国民に向かって説明していることを忘れてはいけないと維新の党の松野さんが忠告していた。

そういう状況の中で審議時間が来たので強行採決ということになるのだろう。衆院特別委員会に注目だ。

関連記事
2015.6.17掲載
維新の会の橋下さんという虚像に惑わされるな


0 件のコメント: