2015年7月12日日曜日

新・国立競技場問題:大成建設は「地図に残る負の遺産」を造るのに加担するのか

ついに新・国立競技場は「負の遺産」になるのか。未だ批判続出の国立競技場問題で、施工業者の大成建設は「地図に残る負の遺産」を造づくりに加担することになるのか。新国際競技場の建設にGOサインが出たが、「今なら間に合う」と代替案の検討を主張する反対派が多い。一方で政府や関係者は「時間がない」と逃げの一手だが工事を施工するゼネコンの一つである大成建設はどう考えているのか。

大成建設はJSCから仕事をもらうゼネコンだから「どうのこうの」と意見を言う立場にはないだろう。ザハ案が選ばれる理由の一つに「この難しいデザインの建設をやってのけたという日本の技術をアピールできる」とすれば大成建設にとっては絶好の事業と言える。

でも、批判派の言うオリンピック後の維持管理などを考えると「負の遺産」になる。また万一のことがあれば工期も間に合わなくなる。そんなリスクの大きい建設を担うことのメリットはどこにあるのか。

JSCとの契約は新聞によると公募型のプロポーザル方式で施工業者になり随時契約になるという。大成建設のHPを見ても新国立競技場に関する記述はないが2015年3月期の決算説明会の質疑に技術協力業務契約予定者になったようで技術提案書が特定され発注者予算にあった事業契約に協力するというのだ。

よく分からないがJSCのいうようにやるので工事費の問題は心配なく施工業者にとっては「おいしい仕事」になるのだろう。

9日、JSCとスタンド部分の工事契約(1570億円)の一部である33億円分の資材発注契約を結んだという。財源が問題になりそうだが既に確保されている501億円を当てるという。2520億円のうち500億円しか手当出来ていないことに驚くばかりだ。

メデイアの報道によると政権側は「デザイン変更は無理、時間が間に合わない」というがラグビーW杯の開催を別の会場に移す方法も考えられるが森元首相がウンと言わないだろう。北海道で「国民に理解を求める」と講演したという。

今まで責任者かと思っていた下村文科相まで「値段とデザインは別々と考えていたのであれば杜撰」とまで言い出し、当時の選考まで検証するという。選考委員長の安藤さんに「出て来て説明しろ」というのだが、そもそも提案条件は1300億円と期されているようだし、ザハ設計案では敷地からはみ出ていたという。なら応募失格ではないのか。それを決定したことに無理が出て来た。

オールジャパンで取り組む必要があるのに国民、専門家、アスリートからまで批判続出なのだ。政府関係者が「安保関連法案より国民の理解がない」と言い出す始末だ。

大成建設のメッセージがないが大株主はどう考えているのか。一歩間違えば会社に大損害を与える建設計画とは見ていないのか。それだけ国の事業だから何とかなるとでも安易に考えているのか。

キールアーチのような難しい構造を持つザハ案をやってのけることは日本の建設技術の高さを世界にアピールすることは出来るだろうが、皆が考えていることは数倍の建設費をかけながらその後の維持管理にも莫大な金額がかかる「負の遺産」を造って良いのか。

このまま進めてオリンピックの失敗例として今後のオリンピックの教訓とするのか。

大成建設に「地図に残る負の遺産」を造って欲しくない。


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