2015年7月14日火曜日

ギリシャ支援合意:チプラス政権は何だったのか、次に騙されるのは?

やっとギリシャ危機回避あるいは先送りでEUによる支援合意にたどり着いたが、顧みればチプラス政権は何だったのか。国民、議会を騙し続け今度は誰が騙されるのか。チプラス首相とユーロ圏首脳の長時間にわたる交渉の結果はギリシャ支援で合意されたと言うが、ユーロとの交渉は反緊縮どころか更に厳しい緊縮政策を飲まされユーロと11兆円に上る支援に合意した。これによりギリシャの借金は対GDP比で200%を越えるという。

その間のチプラス首相の変わり身の早さに天才的ペテン師の姿を見るが、ドイツ、フィンランドを中心にチプラス首相に不信感を抱きギリシャが呑んだ構造改革の実効性を担保するために15日までに法制化を突きつけられたのは当然だ。

結果的にはチプラス政権ではなく、以前の緊縮政策推進派の政権がそのまま居座れば良かったことになるがチプラス政権は一体何だったのかということになる。かえって厳しい緊縮政策になったのだ。

チプラス首相はギリシャの尊厳を維持できたと言うが、財政破綻し借金返済どころか国民の日々の生活にも窮する国に尊厳などありはしない。

ユーロ首脳会議では強気の姿勢を示していたチプラス首相だったが身勝手とも思われる支援を受けることなど並大抵のことではなかった。逆に折れる感じで支援を得ることになった。

一方、国内でのチプラス政権の立場はどうなるのか。反緊縮を訴えながら裏切られた国民はどう出るか。議会はチプラス政権を支持できるのか。 求められている構造改革に関連する法案が成立する可能性があるのか。

考えられることはチプラス政権の総辞職か解散総選挙か。

チプラスさんが失脚し緊縮政策推進派の政権が出来、ユーロの支援合意に答えることが出来るか、まだチプラスさんが政権に留まることが出来るとすると次にでてくる裏切り行為はどんなものなのか。

経済の常識からするとギリシャはデフォルト、ユーロ離脱だろう。借金を踏み倒し国民の願いである緊縮政策をやめ独自の成長戦略を目指すことになるのだろう。これがギリシャ人の尊厳を保つことになるのだ。
「際限なく無駄遣いした借り手も悪いが貸し手にも責任がある」、「富んだ国が貧しい国を助けず、逆に貧しい国に押しつける」という感覚の国民に債権国が押しつける構造改革はギリシャ人の尊厳を傷つけるのだ。

支援合意に達したと言うがギリシャから目が離せない。国民のガス抜きは終わっていない。

「緊縮NO」は何だったのかと問うことになる。


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