2015年7月8日水曜日

トヨタ前役員ハンプ容疑者の不起訴処分:薬物撲滅に禍根を残さないか

トヨタの前役員であるハンプ容疑者を東京地検は不起訴(起訴猶予)にするという。危険ドラッグ、麻薬等に関連する事件が社会問題化している状況下で薬物撲滅に禍根を残す処分決定ではないか。

社会的地位にある人間だから見せしめ処分はよくないがもっと厳しい見方をすべきではなかったか。

地検の判断は、違法性の認識はあったが程度が低いという。容疑者は日本での規制薬であることは知っていたが、麻薬とは考えていないという。本人はそういう認識だったとしても本当にそうだったのか。この種の事件では犯罪者は否定するのが常とう手段だ。

入手法、使途に悪質性がうかがえないともいう。膝の痛みの治療として米国で医者から処方された薬物を父親に送ってもらったというのだ。でも膝の鎮痛薬としてオキシコドンを処方するのが適正なのか。それほど痛みを感じていたのか。

また、父親が送ったとしても小荷物の名称、薬剤の分散・梱包には隠す意思、違法性の認識があったのではないか。

また、使途歴も問題だ。朝日新聞(2015.7.8)によると引っ越し荷物の200錠、持ちこみ3錠あったという。相当頻繁に飲んでいることにならないか。常用者だ。

薬物の入手量がまちまちだ。どういう服用法を医師から指示されていたのか。適当な時に飲むでは陶酔感達成のための服用としか思えない。

6月26日、国連薬物犯罪事務所(UNODC)が麻薬報告書でオキシコドンが医療用麻薬の乱用として女性の間で広がっていると発表した。陶酔感達成のためにすでに北米では社会問題化していたのだ。

ハンプ容疑者は「麻薬とは考えていない」と主張するが、この事実をどう見るか。乗用車と見るのが妥当ではないか。

そしてトヨタの役員を辞任しているので社会的制裁を受けたと判断したようだ。こういう見方は多い。でも薬物事件に適用するのはどうか。社会的地位の低い人間は適用のしようがない。

懲役○○、執行猶予○年、国外追放だろうと考えていたので処分には驚く。

不可思議なことも多い薬物時事件だ。

何故、57錠なのか。何故分散し隠すように荷造りしていたのか。何故、日本で正式に医師の診断で処方してもらわないのか。「麻薬とは考えていない」と押し通したようだが犯罪成立条件を考えてのことではなかったのか。

そしてトヨタの社長は先に記者会見で「法を犯す意図がなかったことを証明されることを祈っている」という意味の発言を記者会見でやっていたが、今どう思っているのか。トヨタのコメントが聞きたい。

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