2015年8月23日日曜日

迫り来る桜島大噴火?:予知ができて死者ゼロの避難が可能か

桜島に大正3年の「大正大噴火」に匹敵する大噴火が迫っているのか。北海道の有珠山大噴火時のように予知が出来、死者ゼロの避難が可能なのか。桜島には京大防災研・火山活動研究センター長の井口先生が観測所に常駐し桜島の火山活動を常時観測している。

有珠山大噴火では北大・元岡田所長ら研究者の研究が役立ち事前の避難で死者ゼロで評価を得たが、それには住民が異変を感じて所長に連絡したことが発端だったという。

今回の桜島の大噴火の危険も避難解除で帰宅した住民達の日常の異変を関知する姿勢が大事だと思う。

いつも噴煙を上げ時々小噴火で噴煙が鹿児島市内を襲い 日常生活に支障を来してきた桜島の火山性地震が15日、1023回も発生し今までにない状況下で大規模な噴火の可能性が出て福岡管区気象台は1015分噴火情報(居住地区)で噴火警戒レベル4 火口から3km以内に避難準備を発表した。対象地域の77人が避難所に避難した。

避難から解除までの経過をメデイアの報道で追ってみた。

桜島を常時観測している井口先生が鹿児島市の警戒本部体制会議に出席し、有感地震が4回発生し地震活動の状況から今までにない状況だと指摘、噴火の規模は通常の噴火よりも大きい可能性が有り、今すぐに噴火してもおかしくないと述べた。

1516日にかけて山体は急激に膨らみ火山性地震も多発、200万m3のマグマが入り込んだが16日の火山性地震は前日に較べ71回と急激に減った。

気象庁は17日、山体は膨らんだまま火山活動は高止まり、半径3km以内は引き続き警戒を訴えたが、過去に鹿児島市内に多量の灰を降らせた噴火の際も火山活動が高まってから数日間地震や山体膨張が落ち着いてから噴火した例もあるという。

防災研・井口先生も「寧ろ噴火に近づいたと考えた方が良い」と記者団に語った。昭和火口の映像からも噴出物が蓋のように火口をふさいでいることから内部の圧力は高まっているとみる。

井口先生の日テレ記者会見
18日の日テレで井口先生は、地盤変動の速度低下や落ち着いた状態は噴火が起こらないと言うことではない。早い変動から遅い変動もしくは停滞の状況を経て噴火することが多い。「寧ろ噴火が近づいた」と考えるべきだと主張した。

更に火山性地震、地殻変動が活発化すれば噴火の前兆だという。過去の事例から桜島の噴火の傾向なのだろう。

21日に火山噴火予知連絡機が規模の大きい噴火が起きる可能性は15日の時点に較べて低下している公表した。マグマは上昇したが火口近くまでは至っていないというのだ。だが今後も注意深く監視する必要はあるという。

気象庁は新たなマグマの動きを示す地殻変動がなければレベルの引き下げも考えたいという。

22日には2町に対して早めの避難を促す避難準部情報へ切り替え40人が自宅に帰った。

23日には小規模な噴火が4回観測され噴煙が最大で600mまで上がった。気象台は大きな噴火が起きる可能性は低くなったが引き続き厳重な警戒が必要だと言う。

いつものことだが避難住民は早く帰宅し普通の生活がしたいと願うのは当然で自治体も状況が落ち着けば解除し住民の帰宅希望に応えようとするが決して大噴火の危険が去っているわけではない。

気象庁も気象台も自治体も井口先生も今後も厳重な警戒を訴える。

読売新聞 2015.8.23
読売新聞(2015.8.23)によると、1914年の大正大噴火から1世紀マグマの9割は取り戻しているが今回は従来の火道をではなく岩盤に入り込んだ可能性が近いと予知連が解説した。200万m3に上るがどこから供給されたのかは不明という。


活動が沈静化した後で大噴火の可能性があるとは事前予知の難しさが分かる。有珠山噴火の予知のように地域住民の異変の発見が大事なような気がする。決して気を緩めてはいけない。

噴火の規模によっては東京でも火山灰による被害がでてくるのだ。

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