2015年9月4日金曜日

憲法第81条(最高裁の法令審査権)の解釈改憲を:「主権者たる国民の違憲審査を否定するものではない」と

憲法第81条(最高裁の法令審査権)を解釈改憲すべきで、憲法では法令審査権を最高裁に認めているが、「主権者たる国民の判断を否定するものではない」と解釈すべきである。

憲法第81条では最高裁に法令審査権があり一切の法律、命令、処分が憲法に適合するかどうかを決定する権限を有する終審裁判所と規定しており、今回の政府提案の安保関連法案の違憲、合憲の判断も最終的には最高裁にあり、その砂川判決を「合憲」の根拠にしている。

でも最高裁の法令審査権にもなじまない事例があるのだ。

安保条約のように主権国として我が国の存立の基礎に重大な関係のある高度の政治性を有するものが違憲であるか否かの法的判断は純司法的機能を使命とする司法裁判所の審査には原則としてなじまないという(最判大 昭和34年12月16日)。

これは砂川判決だ。さらに続けて一見極めて明白に違憲無効であると認めっら得ない限り司法審査権の範囲外という(同上)。

だからこそ、主権者たる国民の違憲か合憲かの判断が重要になるのではないか。

また、第79条では最高裁判所の裁判官はその任命後初めて行われる衆議院議員総選挙の際に国民審査に付されその後10年ごとに国民審査に付される。

最高裁裁判官の任命の適否を最終的には国民が判断するのだ。だから今回の安保関連法案が提訴された場合、最高裁の裁判官が合憲か違憲かの判断を下さなければならないが、もしある裁判官が合憲とした場合、国民がその裁判官にNOと言えばその裁判官は罷免される。

最終的には主権者たる国民が「合憲か違憲か」を判断する権限があるのだ。

今回の安保関連法案の合憲の是非を巡って政府は砂川判決をその根拠にしていたが異論が出てひっこめていた。しかしまた砂川判決を根拠に出してきたが、「いいとこどり」の感じがする。

弁護士の資格を持つ自民党首脳も「憲法解釈の最高権威は最高裁、憲法学者や内閣法制局ではない」と都合のいい時だけ憲法を順守した発言をする。

安倍総理も「考え方は砂川判決に沿ったもの」と繰り返す。

でも国民の多くは「違憲」とみている。やるなら解釈会見でなく憲法改正でやるべきだというのだ。正論だ。

違憲か合憲かの判断は主権者たる国民にもある。安倍政権は民意をどう受け止めているのか。誤解を招く砂川判決を根拠にしてはいけない。


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