2015年9月7日月曜日

G20,中国に構造改革要求:経済の市場化、共産党独裁の両立で可能なのか

G20財務相・中央銀行総裁会議は中国に構造改革を迫ったが、経済の市場化、共産党独裁政治の両立で可能なのか。日本をはじめ先進国でも内需拡大の構造改革の必要性が叫ばれて久しいが、これと言った成果は見られずG20の共同声明も具体策の乏しいものになった。

中国経済の減速から上海株価市場の急落は世界同時株安になったことで中国経済が注目され、いつもは外部からの批判に対してムキになって反論する中国が今回のG20の中国経済への指摘を素直に認めた。

麻生財務相が記者会見で「中国人民銀行総裁が「はじけた」と3回言ったと」という。中国経済が弾けたと言うことを中国人民銀行総裁が認めたのだ。

でも、中国経済を懸念してのG20の共同声明もどこでも言われていることで新鮮みがない。

読売新聞(2015.9.6)の共同声明のポイントを見る。

世界の経済成長は期待する水準に達していないという。確かに2%にはほど遠い成長率が続いているが中国の7%は信頼性がない。実際には4%位と言われているが本当の数字が出ないのか。

力強い成長のためには構造改革が必要と言う。日本も成長戦略として構造改革の必要性が叫ばれているが既得権益者の抵抗、岩盤規制もあってうまく行っていない。安倍政権は農協の改革に踏み込んだが岩盤規制に風穴を開けるドリルの刃にはなっていない。

中国は政治では共産党一党独裁、経済では「新状態」で市場に委ねる政策をとっているようだが、これらの両立で構造改革が出来るのか。

又、金融政策の決定に当たっては明確にコミュニケーションを行うと言う。確かに米国の利上げがタイミングを狙っている現在、金融政策は一層の慎重さが必要である。日銀は相変わらず量的・質的金融緩和を実施しているが緩和縮小への道を示すべきではないのか。

通貨の競争的な切り下げを回避し、保護主義に対抗とも言う。自国の輸出拡大を狙っての中国が人民元の切り下げを繰り返したことへの警告なのだろう。しかし一国の操作ではあまり効果がないことは今までの日本の経験からも分かっている。

先進国でもうまく行っていない政策を中国が実行できるのか。

中国の経済学は何なのか。中央政府の計画経済で市場ニーズとは関係なしに投資していたものを「新状態」で市場に委ねる方針に変えた。

13億人という巨大な人口(市場)をかかえ社会主義から原始的資本主義、更に完成された資本主義へ、そして近代化へ。こういった過程を通じて市場化へ展開しようとしているのだろう。

そこで問題になるのが、政治は共産党独裁、経済は市場に委ねるような体制で中国は構造改革が出来るのかと言うことだ。

政治面で外部から指摘すると「内政干渉だ」といって強く反論してくるだろう。発表する世界第2位と言われるGDP値、7%と言われる経済成長率など経済指標の信頼性も疑問符が付く。

中国の民間、中小企業のシャドーバンキングからの高利での債務は100兆元(約1900兆円)という不良債権問題も何かあれば一気に問題化する懸念事項だ。

リーマンショック後、中国は4兆元(約76兆円)もの巨額な公共投資をして世界経済の下支えをしたが、中国経済バブルの崩壊、減速が世界経済への影響を最小限にするためにも中国政府は信頼性のある経済指標を提示すべきだ。


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