2015年10月4日日曜日

宅配便の過剰サービス?:生産性向上は「とにかく走ること」

宅配便のサービスに慣れっこになっていたが、新聞報道では「再配達」が社会問題化しているという。宅配便が生活に根付いた頃、新聞記者が宅配便の経験談を新聞記事にしていた。「生産性を上げるのはどうしたら良いんですか」との記者の質問に「とにかく走るんです」という答えが返ってきたという。

宅配便の運転手さん(サービス・ドライバーというらしい)はトラックから小荷物を抱えて戸口から戸口を走り回り荷物を届けている。

群馬に住んでいたとき、宅配業者の委託で地方の軽トラックでの運送会社の従業員が荷物を届けてくれたとき、「競争も激しく大変そうですね」というと「今一回の配達で用が足せるのは6割、残りは再配達になる。ガソリンもかかるし効率が悪く若い者は直ぐ辞めていく」とぼやいていた。

その時は4割が再配達と言っていたが、地方の条件の違いもあるだろうが今は新聞報道によると2割が再配達で運転手不足、再配達によるCO2発生量の増加が問題になっているが、行き届いたサービス(?)のためにサービス・ドライバーの過剰労働なども問題になっているのではないか。

私の住んでいるマンションにも「宅配ボックス」が設置されていて料金引き替えでない限り利用できるのであるが不在票が入り電話で再配達の時間を連絡することになる。これも手間がかかる。よく調べてみると宅配ボックスの使い方がチョット面倒なのか。

確かに宅配便のサービスは過剰とも言える。

東京で早朝に頼めばその日の夜9時頃までには群馬に届く即日配達も利用出来る。

私の住んでいる近くに宅配便の営業所があるが、6時半過ぎには従業員が集まって準備をしているし基幹支店間を結ぶトラック便がもう入っている。早朝便は道も混んでなくて効率よく走れるのだろう。

宅配便の便利さをいろんな人が支えているのだ。でも人口減、効率の悪さで人手不足は免れない。東京は若手が多いようだが地方に行くと年配者が多い。

過当競争でサービスも過剰になってきた。配達時間も夜9時まで2時間刻みで走らなければならない。どこか1社が新しいサービスを加えると他社も追随しなければならず大変だ。

もう何十年も前だが、クロネコが「送ったお客さんの荷物が、今どこを走っているのか確認出来るシステムを構築した」と新聞に載っていたので、そこまでするのかと感心したものだ。

その後、その経営者がテレビの番組に出演し種明かしをしてくれた。

なんてことはないのだ。宅配便のトラックは東名高速を走っていても近くの営業所に、今どこを通過したかを報告することになっているらしい。その情報をコンピューターに打ち込めば全国の支店で情報を共有出来、自分の送った荷物がいつ頃相手先に着くか応えることが出来ると言うのだ。

「何だ業務便を情報として使っているだけではないか」と思ったが、「情報ってそういうもんなんだ」と感心したものだ。

今でも、岡山から東京へ帰る時、夜名神、東名高速を走っているが深夜になると、同じ宅配業者の大型トラックが5~6台と団子状態で走っているのを目撃する。一団が過ぎると又別の一団が過ぎていく。

日本の物流をトラックに頼っている現状がよく分かる。


過剰サービスが宅配業の足かせにならないことを祈るばかりだ。

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