2015年10月8日木曜日

第3次安倍内閣の「1億総活躍」:安倍さんだけには、これ以上活躍して欲しくない?

主要閣僚留任の第3次安倍内閣の改造が終わった。この内閣の目玉政策は「1億総活躍」だという。でも安倍さんだけには活躍して欲しくないと思っている国民は多いのではないか。

安倍総理の記者会見を見るとGDP600兆円を目指し経済政策を一層強化、低迷する出生率を1.4から1.8に上げ、働き盛りの世代を介護を理由に仕事を辞めることのない社会を造るという。これだけでは良く分からない。

人口減少は健全な社会、経済を維持することが出来なくなる。50年後にも人口1億人を維持し、全員が活躍出来る社会を造ろうというのだろう。今、社会問題化している働き盛りであるにもかかわらず親などの介護で退職しなくても良いよう社会福祉を充実するのだろう。

これは大変な仕事だと思ったが、その担当大臣があの百田さんを呼んでの勉強会で「メデイアを黙らせろ」という発言が出た時も出席していた官房副長官だった加藤勝信さんだという。

大丈夫かと思っていたら「これから早急に議論点を詰める」というのだ。なんだいつもの言葉ばかりの政策ではないか。一つか二つぐらいは具体的に何をするかぐらいは言って良いと思うのだが無いらしい。

おまけに加藤さんには担当分野が多く、1億総活躍のほかに女性活躍、再チャレンジ、拉致問題、国土強靱化、男女共同参画と広い。安倍総理がライフワークと言っていた拉致問題は一向に進展しないために家族会からは失望の声が大きいし、国土強靱化などは国土交通相の仕事と思うが何故、加藤さんなのか。うがった見方をすれば国土交通相は公明党に譲ったので利権を確保するには安倍さんの側近にしたのだろう。

今(2015.10.8)、テレビ朝日の報道ステーションで加藤さんの記者会見が報じられ、記者から「その目標の位置づけ自体が達成出来るのか」と素朴な質問を浴びていた。

加藤さんは、「出来る」「出来ない」と言うより、それをきちんと実行していくために政府が動けば申し上げた目標が達成出来るものではない。国民がそういった目標を共有し実現に対して参与していく事も必要だという。

要は「政府笛吹けど国民踊らず」では実効性を上げることは出来ないというのだ。

責任逃れの感じもするが、経済政策でも異次元の金融緩和を継続するが企業家が投資行動に出ず成果が出ていないことも同じことなのだ。

だとすると、政府の目標、政策に何か落ち度があるのではないか。少子高齢化を担当した大臣が、出生率1.8と目標を定めただけではうまく行かない。自ずと財源問題にぶち当たると言っている。

民主党の岡田代表は、「1億総活躍社会」を民主党の「全ての人に居場所と出番のある社会」のパクリだと批判している(読売新聞2015.10.8)。すっかり忘れていたが、そう言えばそういうこともあったっけ。

そうなると早く臨時国会を開いて、安倍政権の「1億総活躍社会」と民主党の「全ての人に居場所と出番のある社会」の政策論争をしたらどうか。

しかし、安倍政権は外交スケジュールを理由に臨時国会の招集をいやがっている。本音は、まだこれと言った具体的政策が見つからないままでの国会審議を避けたいのだろう。

安倍総理はそのほかに、「時代が求める憲法の姿、国の形についても国民的議論を深めていきたい」とも言う。憲法改正を目指すということなのだろうか。

先の安保関連法では閣議での「解釈改憲」、反立憲主義、「憲法違反」と多くの国民が反対したにもかかわらず超保守系総理らしく強行採決した。その直後、別荘近くでゴルフを興じている映像がテレビニュースで流れるのを見て、この総理はあれほど国会前集会で「安倍政権打倒」などとシュプレヒコールされていたのに何という総理なのだと違和感を持った。

このことは、安倍政権寄りの記事が多い読売新聞で特別編集委員の橋本五郎さんが「拝啓 安倍晋三様」で「私には違和感があります」と言い、「総理と距離を置く人たちにも度量を示すことが大事だ」と指摘している(読売新聞2015.10.8)。

確か、谷垣さんも安倍さんが自民党総裁に再選されたときに「忍耐と寛容」をアドバイスした事がある。ハト派(?)だった谷垣さんが安倍総理に従順な姿勢を示しているが最低限の抵抗なのだろう。

それにしても「安倍さんだけには、これ以上活躍して欲しくない」と思うのだが。


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