2016年1月1日金曜日

高齢者よ くじけるな!:「支えられる側」から日本社会を「支える側」へ

高齢者よ くじけるな!、「支えられる側」ばかりでなく、日本社会を「支える側」へ。予算時期、財政健全化の話になると「支えられる側」として煙たがれるが、なりたくてなったものではない。高齢者だって社会に役立っているし、日本の消費経済を支えているのは高齢者なのだ。今は元気で「高齢化社会をどうだこうだ」と言っている連中もいつかはこの年齢に達し好むと好まないに係わらず「支えられる側」にもなるのだ。

厄介者扱いせず、将来の福祉国家を目指し医療、税制改革をやるべきだろう。しかし今は、高齢者が日本の消費社会を支えているという。

読売新聞(2015.12.29)によると、内閣府が28日に発表した「日本経済2015-2016」によると、60歳以上の高齢者世帯の支出が個人消費の半分を占めるまでになり、その影響力が高まったという。

日本のGDP約490兆円のうち個人消費が6割といわれ、その半分が高齢者の消費だというのだ。その個人消費も3ヶ月マイナスで回復が鈍い。その理由は天候のせいではなく節約しているというのだ。ほとんどの高齢者は低収入だから使わざるを得ないのだろう。

ところが政府は家計調査の仕方がおかしいのではないかと言い、来年から計算方法を改定し精度を高めると言う。今の方法は昼間の家庭訪問での調査のために高齢者や専業主婦世帯の回答が多く、若者の共働き世帯が少ないのではないかと言うのだ。改定すればGDPが伸びるのか。

そのGDPも一人当たりに計算すると日本のランキングは36200ドルでOECD加盟34カ国中20位だ(読売新聞2015.12.26)。ドル・ベースなので円安、ドル高の影響もあるらしい。2位はノールウェー、5位がデンマーク、スウェーデンが6位で福祉固化と言われる北欧諸国が上位を占め、7位がアメリカ、15位ドイツ、英国16位、フランス18位となる。

学生時代のことだが、アメリカはGDPが日本の2倍、人口も2倍で、1人当たりのGDPは日本とアメリカは同じだったと記憶しているが、今は米国のGDPも日本の4倍まで引き離された。デフレ状態が長期間だったせいだろうか。

ところで、私も前期高齢者になるが一体、高齢者とは何歳からだ。国連が1956年に65歳以上と決めたかららしいが、メデイアの意識調査からは70歳以上が妥当ではないかと言う。
一時、「高齢者とは呼ばないで」という動きもあって役所の課名を長寿課とか長生課に変えたところもあるらしいが今はどうなっているか。

確かに、無職、持病、要介護であれば「支えられる側」になる。

消費税10%に向け軽減税率を検討している段階で高齢の低所得者に3万円の給付が決まったが、若者軽視の高齢者優遇措置として批判を浴びている。その背後には参院選に向けた懐柔策が見え見えだが、低所得者だから即消費につながるのではなか。

各年度の予算化では医療費、介護費で社会保障費の高騰が問題視され社会保障費の伸び率を抑制される措置が執られている。

実際に医者に行くと高齢者が目立つ。高齢者による残薬も100億円というバカにならない額に達している。人によっては29種類の薬を飲んでいるというのだから驚くしかない。薬を出せば医者も薬局も儲かる。だから「少し様子を見ましょう」という判断ではなく、「お薬を出しておきます」がほとんどだ。院内処方より院外処方が多いので薬代は高く付く。「かかりつけ薬局」制度を充実しようとしているが、こんなものが役立つはずがない。

医者も薬局も性悪説で当たらなければ間違う。「カネ儲け」なのだ。だから検査値が基準値を超えると即投薬になる。院外薬局も儲かる。

整形外科は儲かるという。確かにリハビリには高齢者が多い。腰に赤外線を当てたりお腹に温かくした枕のようなものを約10分間当て窓口で100円ほど払う。1割負担だから医療費を考えると1000円になる。ほとんど気分的な問題なのだろうが100円だからと言って通うことになる。何故湯たんぽを買って使わないのかと疑問に思う。

残薬は高齢者ばかりではない。皮膚科に行くと軟膏を何本もくれる。眼科に行くと点眼薬もほとんどが残る。湿布薬もほとんど使わない。高脂血症など毎月検査する必要がないのに毎月行かなければ薬がもらえず医療費の無駄遣いだ。

医療費は医者の意識改革が出来なければ削減など不可能だが、選挙、日本医師会など利益者団体の事を考えると根本的解決にはならない。

又、今まで高齢者で持っていた社会が崩れようとしている。

高齢者が従事していた農林業も荒廃してきた。里山、田畑も荒れてきた。古里からの電話で最近空き家が増えてきたという。13軒あった家が6軒になったともいう。限界集落だ。

私の住んでいる東京・大田区久が原も1軒家があったところに3軒の新築がところ狭しと建っている。税金対策で土地を売ったのだろう。その後に若者でも購入できる家が建つ。 若者家族が増えれば街は活況ずくと思うだろうが住環境は確かに悪くなっている。

又、今空き家にも異変が起きている。庭は草ボウボウ、植木は伸び放題で隣の敷地、道路まで延び、蔓状の草が壁や屋根を覆っていた家で明かりが灯りだした。相続税の節税対策で他所に住んでいるに、ここにも住んでいるように見せるためだ。不動産を持つのも大変なことだ。東京にはポケットパークが多いという。街の至る所に公園があるのだが、これは大きな1軒家の跡地なのだ。

一方で少子化が進めば高齢者も仕事をする機会が増えるだろう。出生率1.8にしたって直ぐに生産人口にはならない。その生産人口も8000万人を割るとみられている。

女性や高齢者の社会進出となると企業の意識改革も必要だ。フレックスタイムも重要になるが、北欧は8割が採用になっているのに日本はたったの2割だ。高齢者と言えば年金、医療、社会保障などで悪者扱いだが、何時までもそんな事を言ってはいられない。元気なうちは教育の必要もない技術を持った労働力になるのだ。

収入もあり所得も増えれば個人消費も増え、日本の経済成長に大きく貢献出来ることになるのだ。 


いつかは必ずなる高齢者。今から福祉国家を目指し政策を見直していく必要はないか。

高齢者を粗末にする国の未来はない
2008.6.3 高齢者昼夜座り込み団 自治省前で
当時海外メデイアも「何をしているんですか」と取材に
2008.6.3

0 件のコメント: