2016年1月19日火曜日

安倍内閣の支持率やや上昇:個々の政策には反対なのに何故?

朝日新聞(2016.1.19)の本社世論調査で安倍内閣の支持率がやや上昇したというが、個々の政策に対しては反対も多い。何故こんなことになるのか。朝日新聞は反政府側メデイアとみなされているのでいつも他の新聞に比べて支持率が低いが、今回は前回の38%に対して42%と上昇した。

アンケート先はコンピューターで無作為に作製し、調査員が電話をかけると言う方法らしいが、特に朝日新聞の購読者ではないので他の新聞の調査結果と同じはずだが、調査員の設問のしかたが違っているのか。

調査結果をみると、「安倍内閣を支持する」が42%(支持しない 38%)、政策面で支持するのが41%(逆に支持しない人も政策面で61%)、「首相が安倍さんだから」は13%で特に安倍さんでなければならないわけではない。読売新聞では「他の政権に比べてマシ」という設問もある。

政策面を見ると「参院全体で2/3を占めたほうがよいか」では「占めないほうがよい」が46%で「占めたほうがよい」の33%を大きく引き離している。一強独裁で憲法改正に進むことに抵抗感があるのだ。

「安全保障法関連に賛成か反対か」では賛成が31%、反対が52%だ。新聞などの専門家の評論では安保関連法成立を評価するものも多いが国民は反対なのだ。国会は国権の最高機関であるが民意を反映できないことをどう考えるか。

「3年間の経済政策は成功だと思うか、失敗だと思うか」では成功が37%、失敗が35%で拮抗する。円高→円安、株安→株高へ基調が変わり、政府、日銀が言う「緩やかな回復基調」を信じているのだろう。でも今後は株価の乱高下、円高に進めば評価は違ってくるだろう。

一方、「あなた自身のくらし向きは良くなったか、悪くなったか、変わらないか」では「よくなった」5%、「悪くなった」16%、「変わらない」が76%だ。株高などで資産を増やした人もいるだろうし、IT、金融関係では給料も増えただろう。しかし、年金生活者など低所得者にとっては好ましくない物価高で悪くなったと感じるだろう。

「変わらない」が76%と高率なのはどうしてか。「アベノミクスの恩恵を受けていない」と言う意見も多いし、安倍総理だって「いまだ実感できていない人もいる」ことを認めている。でも政権としては軌道修正できず新3本の矢で国民をだましている。GDP600兆円なんて達成できるはずがない。

アベノミクスの軌道修正は、即安倍政権への信認が失墜し政権がぶっ飛ぶことになる。

それでも政権の支持率が上がったのは「慰安婦問題」に一応の決着をつけたことではないだろうか。韓国内では揉めているようだが、それは韓国内の問題なのだ。

中長期的視点で政権を評価するのではなく、突発的な政策、政局で支持率が大きく動く。だから政権は小手先の政策を打ち出し支持率の向上を図る。

参院選を控えての2015年度補正予算審議を見ていると良く分かる。

世論調査に左右されていては政策も打ち出しにくいが、今はそれしか評価手段がない。安倍総理が評価規準に挙げている株価もアメリカ経済、中国経済、原油価格に大きく影響され安倍政権の政策には無縁ではないか。


私は世論調査の対象になったことはないが、昼間電話をすれば家にいるのは専業主婦、高齢者だろう。働き盛り、独身者の意見が反映されているのか。

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