2016年1月25日月曜日

何故急ぐ憲法改正:安倍総理に「国のかたち」を決めて欲しくない

安倍総理は急に憲法改正を急ぎだした。「国のかたち」を決める憲法改正を安倍総理に託してはいけない。安倍さんに取って立ちはだかるのは「2018年問題」だろう。自民党総裁の任期が切れるし、日銀の金融政策が行きつまりアベノミクスが信を失い政権がぶっ飛ぶときだ。

新聞、テレビは「安倍総理は憲法改正へ本気で取り組むようだ。具体的な内容は不明確なまま」と不安を隠さない。

「どういうことなのか」と施政方針演説、<全文>を見てみた。 

「はじめに」から読み始めてもどこにも憲法改正の記述がない。嘘じゃないかと思いながら「おわりに」まで読んでいくと、本当に最後に「民主主義の土俵である選挙制度改革、国のかたちを決める憲法改正。国民から負託を受けた私たち国会議員は正々堂々と議論し、逃げることなく答えを出していく」というではないか。

これだけの記述でどうして本腰と見えるのか。本当にやろうと思えば本文中に「憲法改正」の欄を設けて主張すべきではないのか。具体的には緊急事態条項、環境権など具体的に記すべきではないか。

これでは、反対が多いので「今はこの程度しか言えないが、何かの拍子に突き進むぞ」と言っているようなものだ。

緊急事態措置は法律でも対応出来るし、環境権は国民の抵抗が少ないのでやりやすい改正だと思っているのだろうが、自民党憲法改正案しか今のところ参考資料はない。

でも、憲法を無視する一党独裁状況の自民党安倍政権で「国のかたち」を決めて欲しくない。

「国のかたち」はもっと国民の間で広く議論しなければならないし、確固とした考えがあっての「国のかたち」でなければならない。

安倍総理の憲法改正の本丸は憲法第9条だろうが、憲法9条は終戦直後の憲法草案検討時に当時の幣原首相が総司令部のマッカーサーを訪ねた時のマッカーサーの証言がある。

幣原首相は,日本が平和国家として国際社会の中でこれからも存続するためには軍隊を持ってはいけない。日本の新法に日本は軍備をいっさい持たないという条項を入れて欲しいとマッカーサーに懇願したと言うマッカーサーの証言があるのだそうだ(「経済は人々を幸せに出来るか」宇沢弘文 東洋経済新報社 2013.11.7)。

マカーサーの当時置かれている立場からの証言だったのだろうが、幣原首相は戦争の苦い経験から軍備を持たない「国のかたち」を考えていたのだ。

それに較べて安倍総理はどうなんだ。

安倍総理にだけは「国のかたち」を決めて欲しくない。



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