2016年1月9日土曜日

日銀の出口戦略?:岩田副総裁辞任→黒田総裁辞任→日銀金融緩和政策見直しへ

出口戦略が問われる日本銀行本店
FRBが早々と出口戦略を実施し利上げで金融政策の正常化に向かったが、日銀はどうなのか。出口戦略の「で」の字も出ないが、まず約束通り達成未達で岩田副総裁が辞任し、今年末までに日銀の立場を維持するために黒田総裁が辞任、政策委員の木内さんが臨時の総裁について金融緩和政策の見直し路線に進んだらどうか。

FRBの利上げも最近発表された雇用統計も好調で不安を払拭したが、量的緩和政策を継続する日銀の出口戦略は不透明のままだ。8日の衆院予算委員会での民主党・階さんの質問に岩田副総裁、黒田総裁の答弁内容の要旨が新聞に載っていたが緊張感のない脳天気な内容で驚いた。

新聞報道によると、階さんは「2%物価目標達成期限は2年だったと言っていたが、未だ物価指数は0%近辺で責任をどうとるつもりか」との質問したのに対して岩田副総裁は「目標が達成出来ない場合果たすべきは説明責任であって、説明責任が果たせない場合の責任の取り方が辞職と言った」と就任の際の記者会見での発言の言い訳をした。

私も覚えている。副総裁就任で得意満面の岩田さんが「2年で達成出来なければ職を辞す」と言っていた。

念のために2013.3.22に発表された「日銀総裁、副総裁就任記者会見要旨」を見直すと、岩田さんは「2年くらいで責任を持って達成するとコミットしているわけですが、達成出来なかったときに、「自分たちのせいでは無い。他の要因によるものだ」と、余り言い訳をしないと言うことです。そういう立場に立っていないと市場が金融政策を信用しない。市場が金融政策を信用しない状況でいくら金利を下げたり、量的緩和をしても、余り効き目がない」と自分の立場を説明していた。

ところが今、原油価格の大幅な下落による影響が大きいが、生鮮食品、エネルギーを除く前年比で見ると、26ヶ月連続でプラスを続けている。最近は1.2%で上昇するなど物価の貴重は回復しているも言う。

チョット待った。生鮮食品やエネルギーを除いて何が消費者物価なのだ。自分たちの考えに沿って経済指標を適当にいじくっているだけではないか。

岩田副総裁は明らかに言い訳をしているわけではないか。更に専門家は日銀の金融政策に疑問を呈しだした。
階さんは更に、「日銀の国債保有残高が大幅に増えたがリスクを考えずに2%の目標に拘泥するのは問題だ」と追求した。

黒田総裁は「2年の物価安定目標を2年程度の期間を念頭に置いて早期の実現するという関与を行っている。物価の基調は改善しているがまだ道半ば。2%の目標を早期に実現するために金融緩和を着実に推進していく所存だ」という。

今、日銀は国債保有が30%を越え、確か320兆円にもなっている。巷の専門家は「このままでは限界で、日銀の打つ手はない」という見方も出ている。「今後も量的緩和を継続するには問題があるのではないか」と誰でも思うが、黒田総裁は「問題があるとは思っていない」と最近の講演会で言っている。

一方、経済界には「賃上げ」を要求、賃上げ→消費増→物価高で自らの立場を擁護しようとしているのか。

日銀の政策決定会合の議事録を見ても木内委員が2%物価目標達成時期、量的緩和策で異議を唱えているが、1vs8で常に否決されている。

出口戦略は日本経済の大きな転換点になる。

今、日銀の金融緩和政策を見直すことは、即アベノミクスの失敗と見なされるので政府は強く抵抗するだろう。このままズルズル深沼に入っていき危険がある。

まず、今年半ばに岩田総裁が責任をとって辞任し、次いで日銀の立場を守るために黒田総裁が辞任すべきだ。

そして、金融政策修正のための路線に変えていくべきではないか。

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