2016年5月3日火曜日

伊勢志摩サミットへ:安倍総理!世界経済の主導もいいが、国内経済はどうなっているのか

安倍総理は伊勢志摩サミットで世界経済を主導したく根回しのために関係国への外遊に出かけたが、国内経済への指導力はどうなっているのか。3日朝のニュースでフランスのオランド首相と会談し、テロ対策への行動計画、財政出動、急激な為替変動対策で合意したという。これらの課題は恐らくサミットでの主要なテーマになるだろう。

でも、このくらいの事ならわざわざ、行かなくても分かっていることだ。

安倍総理はまだアベノミクスの成果が期待されていた頃、海外で「buy my ABENOMICS」を訴えたことがあるが、今はそれも破綻しているとの見方が大勢だ。

世界経済の成長を支えるためには財政出動が重要と言うが、我が国の状況はどうなのか。成長分野へ重点的な投資を奨励しているが内需拡大には至っていない。

日銀は異次元の金融緩和と謳って80兆円の金融緩和を継続し、市場にダブダブつくカネを流しているが、消費も増えず一向に物価も上がらない。2年で2%物価目標を掲げたが、今回4度目の先送りで「17年度中」と言うことになった。

経済は政府が干渉しすぎると悪化するが、政府が成すべき事を実行しない場合も悪化するという(「人間が幸福になる経済とは何か」ステイグリッツ著 徳間書店 2003.11)。

デフレ、円高、株安に苦しむ日本経済を再生させようと安倍総理はリフレ派経済学を登用、白川日銀総裁の首を切って黒田総裁を任用し「異次元の金融緩和策」を採用した。

白川総裁の時の「緩やかな量的緩和」から急激に市場にカネを流す結果になった。

既に兆候は現れていたと言うが、円高、株安円安、株高に基調が替わり2年が過ぎたが、内需拡大、物価上昇には至っていない。
追加緩和策にも限界(?)がありマイナス金利の導入になったが、投資機会は増えると言われても成果が出るのはもっと先のようだ。副作用もあるようでメガバンクの経営は苦しくなっているようだ。

それでも黒田総裁は2%物価安定目標に向け、「躊躇なく追加緩和をやる」と市場の期待感を煽る。

でも、今回は決定会合で追加緩和を見送ったために市場は混乱、円高、株安へと安倍政権前の状況に似てきたという。

円高は自動車産業に始まり日本の輸出産業にとっては痛手だ。麻生財務相は「急激な円高阻止に向け介入」を匂わすが、アメリカは為替介入監視を強化し、為替安競争ににらみをきかせると言い出した。

為替介入は時々やっているような感じだが、一国の介入では成果が乏しいことは過去の例で分かっている。でも、複数国の共同介入もしにくくなってきた。

米国大統領予備選で一躍脚光浴びているトランプさんが、「米国の雇用、輸出を守れ」と訴えるためドル安容認しかないのだ。

日銀の期待感を煽る政策だけではダメ、市場にカネを流しても物価は上がらない、内需拡大が出来ないからカネはダブつく、それでいて企業は家計への再分配を嫌う。

日銀も異次元の金融政策も効果が薄いとみて、80兆円の量的緩和から40~50兆円に戻すべきではないか。そして出口戦略を考えるべきだ。出口戦略に向け政策を転換するうちに市場は「見えざる手」で正常化(?)に向かうのではないか。

問題は内需拡大だ。

政府のやるべき規制緩和、構造改革なのだが族議員、官僚、既得権益者の抵抗に遭って思うように行かない。定期的に選挙があるから安倍政権も不人気なことは出来ない。300人という圧倒的多数の国会議員の数を維持するためには改革に手を加えることは禁じ手なのだ。

フランスやイタリアは財政出動に理解を示しているが、ドイツ、イギリスは財政規律を第一に考えている。欧州には年間赤字幅GDPの3%以内と言う規律がある。

それに引き替え日本は毎年赤字を積み重ね国、地方の赤字は1050兆円を越え、GDPの200%に達している。

それでも何かあると、「円は安全資産」と言うことになり、円高で日本経済には厳しい状況が続く。


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