2016年7月5日火曜日

バングラデッシュ人質テロ事件に見る:先進国のグローバリズムと新興国の矛盾

今回のバングラデッシュ人質テロ事件は先進国が進めるグローバリズムで新興国が突き当たる矛盾をさらけ出したのではないか。我が国の若い技術者、経験を積んだ技術者が「新興国のために技術を生かそう」と希望を抱いて赴任していた矢先での大惨事になった。亡くなった方、怪我をされた方々に心からお悔やみとお見舞い申し上げます。

何でバングラデッシュに我が国企業が進出するかというと「安価な人件費」を求めてのことだ。国内需要が先細りする中で企業が事業拡大するには海外の市場を目指さなければならない。勿論為替問題もあるが海外進出は必須条件なのだ。

「安い人件費」を求めるのであるが、進出先の新興国政府は国内経済発展の為に公共投資、インフラ整備などで国民に力を見せつけたいのだ。

日本政府もODAなどで新興国に援助を与える。如何に多くのカネを取ってくるかが新興国政府の目的にもなる。

その先兵がJICAや協力企業であり、それが推進するプロジェクトだ。バングラデッシュへの援助は2014年で1260億円に達するという。

ところが新興国であるバングラデッシュには、個別の事情があり矛盾を抱えることになる。

格差、それに対する不満、そして与野党対立による政情不安は民主主義の欠如をさらけ出している。

さらにイスラムには似合わない西洋的施設の乱立、進出企業による搾取を批判の的にする若い、優秀な人間が現れてきた。今回も犯人像に高学歴が指摘されている。

先進国と新興国政府とあいまっての身勝手な開発プロジェクト、新興国の身の丈にあった経済発展に大きな矛盾がある事をさらけ出したのではないか。


米国型グローバリズムの見直しの時だ。

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