2016年10月17日月曜日

今日の新聞を読んで(30):新潟県知事選に見る原発稼働の是非の基準は何か

原発稼働の是非の基準は何か。それを改めて問う新潟県知事選が「再稼働慎重派」の米山さんが当選した。安全、情報公開優先か、地方の活性化、国の経済成長か。鹿児島県知事に続いて今回の新潟県知事選は「生活と命を守る」安全、情報公開の重要性を再確認した。

自民、公明党の押す対抗馬の前・長岡市長で有力視された森さんも終盤「言うべきことは言う」と原発に言及したが、原発再稼働に突き進む安倍政権にNOを突きつけたことになる。

この結果から政府の原発政策、再稼働シナリオも替わると言うし、今吹き荒れている解散風も吹き止まる可能性もあるとメデイアは読む。

原発立地県でないと選挙で原発の是非を判断することは難しいが、立地県では候補者が反原発を最上段に掲げるので判断がしやすい。

その立地自治体でも賛否が分かれている。

原発に近い住民でも地域の活性化、雇用を考えると原発稼働賛成だ。しかし少し離れると安全性から反対になる。原発の交付金などにより行政も潤っている面は否定できない。農村、漁村に不釣り合いな建物が建つ。

一方、国や事業者は経済成長、経営面で原発稼働に賛成だ。安倍政権の経済成長路線も原発再稼働が付いてくる。原発事業者も1基稼働させれば1000億円/年のメリットがあると言うから経営難も一気に吹っ飛ぶことになる。

でも考えてみよう。

3040年とも言われている設備寿命40年を越えて再稼働できるようになったのだ。新しい規制基準に合致しているから合格と言うことらしい。

ところが万一の事故に備えての避難計画、避難路の確保が出来ていない原発もある。伊方原発の例だ。

更には、もっと「地震対策に力を」と川内原発が鹿児島県知事から「稼働中止」を要求されたが九州電力は拒否した。数ヶ月後にて定期修理で止めるのが予定されていたためか。

福井県の原発銀座にある高浜原発、美浜原発では万一の事故の際、琵琶湖が汚染されると京都、大阪など関西圏の飲料水が汚染されることになる生活の大きな支障を来す危険があり再稼働が反対されている。ここで福島第一原発のような事故が起きる可能性は少ないだろうが、事故の発生は否定できない。

更には、出てくる放射性廃棄物の最終処分だ。地中深く封じ込めが考えられているがこれだって安全かと問われれば確証は出来ない。

原子炉は沸騰水型、加圧水型の2種類があるようだが福島第一原発は沸騰水型、稼働している川内、伊方原発は加圧水型だ。今まで規制委員会で合格しているのは加圧水型だ。

安全に関係するのだろうか。福島第一原発の事故検証が十分でないという考えには賛成だ。

福島第二原発は無事だったが所員の苦労は並大抵ではなかったようだ。東北電力の女川原発は住民の避難場所にもなった。福島第一原発との違いがどこにあったのか。

今は亡き理論物理学者の武谷三男先生は原発三原則「公開」「民主」「自主」を守れと言っておられた。


その先生が、「「この技術は安全だ」という者の手にかかるほど、その技術は危険になる」とも言う。原子力関係者はもう一度考え直すべきではないか。

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