2016年11月30日水曜日

生前退位問題:「崩じるまで頑張れ」は酷すぎるのか

天皇が提起された生前退位問題は、天皇も人間、体力の限界はある。俗に言う「崩じるまで」は酷すぎないか。有識者会議が16人の専門家から話を聞いた結果、9人が生前退位容認、7人が反対という。政府は特別立法で切り抜けようとしているようだが、その意に沿った意見集約だったのか。

生前退位という重い課題を軽量の有識者がまとめるのだから官僚の意向が大きく影響する。

改めて古い憲法の教科書を開いてみたが生前退位については、皇室典範のさいに貴族院で論議されたが現行法では何ら規定はないと門前払いの状態だ。また、国民の多数決によって個々の天皇を退位させる事も現行法上認められていないという。

確かに天皇制は無理もある。現憲法では日本は民主制を取り入れ国民主権を謳っている一方、相反する天皇制も制度化した。

旧憲法の弊害もあって天皇の地位も「象徴としての地位」「国家機関としての地位」「人としての私的地位」の3つの地位が規定されている。

国会開会式、外国元首との会見、国内巡幸など象徴としての行為、国事行為など年々増加しているらしい。他にも太平洋戦争での激戦地を慰霊するなど新聞報道でその多忙さは分かる。体調のことを考えると激務だろう。

政府や宮内庁が天皇の激務を軽減する事を考えなければならないし、天皇自身もあれもこれもやりたいでは身が持たないだろう。まずは高齢を考え仕事の量を減らすことだ。やりたいことがあれば皇太子に任せたらどうか。

更に、天皇の機能を他の者に代行させる制度、摂政、委任があるが、摂政は重大な事故があった場合、委任は法律で定めることになっているが該当する法律は未だ制定されていないのだ。

要は「崩じるまで頑張れ」と言うことなのだろうが、天皇も人間の身、体力にあった仕事量に軽減し天皇の地位を全うしてほしいものだ。


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