2017年1月7日土曜日

トランプさんのトヨタ批判:トヨタの言い分、トランプさんの言い分

トヨタのメキシコ工場建設に当たってトランプさんがツウィッターで批判したが、グローバル派のトヨタにも言い分はあるし、反グローバルのトランプさんにも言い分がある。

新聞報道によると、トヨタが米国向けの「カローラ」をメキシコで生産する事に次期大統領のトランプさんが批判した。トランプさんの言い分は米国向けなら米国で作れという。もしそうでなければ高い「国境税」をかけると言うのだ。

それに対してトヨタはメキシコで生産しても米国の雇用を減少させるわけではないと反論している。今までも米国に10工場を建設し多くの雇用を創出しているというのだ。

トヨタの言い分にも理解出来るが、トランプさんの大国らしからぬ動きに疑問も出てくる。国際的にはWTOにも違反している。

でも、トランプさんにしてみれば以前の国内の工業都市が疲弊し、失業者を多く抱えている。ラストベルトではトランプさんの雇用の創出が大きく支持されている。メキシコで物を作って米国で売ることに批判が大きいのだ。トランプさんは大統領選での公約を守らなければ支持を失いかねないので必死なのだ。

TPPにも反対している。多国間ではなく、2国間での交渉に持っていきたいらしい。比較優位の原則で貿易を進める事は米国にとってはメリットが大きいが保護貿易には各国が批判的だ。自由貿易が国際社会の繁栄に資することとみている。

雇用面を見ると、FRBの利上げの条件に雇用の増加20万人があるが、今は16~18万人でも経済は堅調とみて先に利上げに踏み切った。

なかなか雇用が増えないのだ。だから海外へ生産設備を移す大企業の方針にいちいちクレームを付けている。

過去にも繊維交渉など米国との交渉事はあった。日本も外需に頼らず内需拡大を目指した動きはあったが市場が小さく、企業の儲けを家計に再配分することに企業側が渋った事でうまく行かなかった。
前川レポート、21世紀版前川レポートがことごとく失敗に終わったことでも明らかだ。


トヨタはトランプさんも実情を理解するようになるだろうとみているが相互に理解し合うには時間が掛かりそうだ。寧ろ米国内からトランプ批判が高まるだろう。米国は大国らしさを維持してほしいものだ。

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