2017年2月19日日曜日

続く日本海側大雪:雪は私たちに「温暖化を警告」しているのか

今年の冬も山陰、日本海側は大雪を記録した。中谷宇吉郎博士は「雪は天から送られた手紙である」と言った言葉は有名であるが、一体、雪は天から何を私たちに伝えようとしているのか。地球温暖化を警告しているのか。

讀賣新聞(2017.2.19)の「よみほっと日曜版」で「雪は天から送られた手紙」という記事が目に止まった。雪の結晶で有名な中谷宇吉郎博士に関連する記事の内容だった。

今年も大雪で山陰地方では数百台の車が足止めされたという。毎年報じられるシーンだが「地球は温暖化しているのではないか」「それでも寒い冬が増えるのか」と疑問が湧いてくる。専門家は地球温暖化が要因だと指摘する。

子どもの頃、雪の結晶を見て驚いたものだ。虫眼鏡で手に止まった雪を見ようとすると、すぐ消えてしまうが防寒具に止まった雪ははっきり結晶を見る事が出来た。何故上空でこんな結晶が出来るのか。今では41種類が確認されているが、中谷博士は結晶で上空の様子がわかるという。人工結晶でいろんな知見が得られたのだ。

念のため、現代世界大百科事典で雪の結晶の事を開いてみた。それによると氷晶核を核として氷晶ができ雲粒から補給された水蒸気が昇華したのが雪の結晶で雪とは雲から降ってくる降雪のことらしい。

結晶は「あられ」も入れると当時は8種類で、結晶の形は温度、過飽和度によって決まるらしい。今では41種類があると言う。中でも星状結晶がよく見られた。

今冬の大雪の原因は、強い寒気を伴うシベリア高気圧が日本に流れ込んだらしい。エルニーニョ現象の逆の「ラニー二ヤ現象」で赤道付近の海面の水温が平年より低いという。

地球温暖化が問題になっているが、「温暖化でも寒い冬が増えるか」という疑問も湧いてくる。

地球温暖化は中緯度の気候の「ゆらぎ」が激しい偏西風が南北に蛇行し暖かい冬、寒い冬のいずれかが多くなったとみられている。でも現在は世界の平均気温の上昇は停滞している(ハイエスタという)が、CO2濃度は上昇し400ppmを越えているのだ。

エコノミスト誌が2014330日、地球温暖化について、この15年間、世界のCO2排出量は増加しているが、地球表面の平均気温は上昇していないという衝撃的事実を報じた。

地球温暖化は停滞か
黒い太線が気温の実測値、赤と緑の太線が2世代の
CMIPモデルのアンサンブル平均値
JGL、Vol,10,No3,2014
JGL(Vol.10.No.3,2014)でも東大大気海洋研究所の渡辺先生が「近年の地球温暖化の「停滞」」でこの事実を検証している。それによると温暖化は停滞しておらず、複数のデータ解析から気候システムが受け取る余剰な正味の放射エネルギーは海洋の温暖化に使われていることが分かったのだ。

地球温暖化は進んでいるのだ。一方、アメリカのトランプ大統領は環境省長官に地球温暖化懐疑派の人材を登用したらしい。オバマ前大統領は地球温暖化防止でパイプラインの建設を止めたがトランプ大統領は建設を再開するという。中国に次いで世界第2位のCO2排出量を誇る(?)米国がこの調子では地球温暖化対策も停滞すると専門家グループは警鐘を鳴らす。

豪雪、局所的豪雨、干ばつ被害など自然災害は巨大な被害をもたらしている。


我が国における豪雪も「天から送られた警告」ではないのか。

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