2017年2月27日月曜日

宅配便ピンチ:賃金安、過酷労働でドライバー不足、物流に支障か

最近の新聞報道で賃金安、過酷労働で宅配便のドライバーが不足し、宅配便がピンチにかかっている。荷物が増加している一方で物流に支障を来しているという。

宅配便の内容を見ると、通販などの利用者増で荷物は増加、一方でサービス競争が激しく、再配達、時間指定配達でドライバーの負担は大きい。しかも配達に行っても不在者が全国平均で約2割と言うが、私の済んでいた地方都市では4割だと聞いた。不在者が多いために若者が嫌がりすぐ止めていくという。

宅配便のドライバーは同じ道を何回も走っていることになる。だから時間指定していても指定時間前だと電話がかかってきて「今行っても良いか」と聞かれたこともある。

サ-ビス競争は激しくなるばかりだ。東京を朝1番で出すと群馬までその日のうちに配達される。店で「配達は明日で良いですか」と聞かれて「今日着くはずではないか」というと「今日だと午後8時以降です」と言う。

荷物は増えるが配達単価は落ちている。新聞報道によるとヤマト運輸では平均単価が578円だったのが5年後には31円も下がったという。固定費などを増える取引量で割った価格だろうが、ドライバーが無理をしながら運んでいるのか。

ドライバーを搾取することにより成り立っている宅配業界か。

私の住んでいる近くに宅配便の基幹支店がある。朝は5時半頃からドライバーが集まってその日の午前中の荷物捌きをやっているようだ。書類のようなものは女性が仕分けしてオートバイで配達している。

相当まえだが新聞に宅配便に同乗した記者の体験談が出ていたのを思い出す。
記者が「生産性を上げるにはどうしたら良いのか」と聞くとドライバーは「兎に角、走ることです」と荷物を抱えて走っている。

佐川急便のドライバーを見ると冬でも半袖シャツ姿だ。走るには軽装の方がいいのだろう。

思いだしてみよう。宅配便業は大和運輸小倉さんが三越の宅配をやっていてはダメだと言うことで宅配業を目指したが国の規制が厳しくその緩和交渉に時間を費やされた。大変な仕事だったらしい。規制緩和では何時もこの話が前例として語られる。

最初は1日に1個の荷物だったというが次第に認知され、ヤマト運輸では17年度末で19億個が想定され、全国的には2015年に375000万個だったという。

宅配便ばかりでなく運輸業界はドライバーの高齢化、なり手無しで物流に支障を来せば日本経済にも影響大だ。高速道をトラックが連なって走る自動運転システムの研究が進んでいると言うが専用のレーンが必要らしい。何時になるか。

昨日、アマゾンで本を注文したが、今まで無料だった送料・手数料に300円ほどかかった。何故と思ったらクリックすると有料の理由を説明されるようになっていた。

今のモノの製造、販売、物流システムは誰が儲かっているのか。


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