2017年4月4日火曜日

今日の新聞を読んで(71):為替に翻弄され、日銀の出口戦略で沈む日本?

為替に翻弄され異次元の金融緩和政策で沈んでいく日本経済の姿が浮かばないか。安倍総理は「アベノミクスの第2ステージ」と言うが誰も信じてはいない。

3月の日銀短観が発表され新聞は日本経済を展望している。これによると円安で輸出が伸び、経済は堅調で好循環状態だという。トランプ効果でドル高、円安の効果だ。想定為替レート108円のところが実際には110円台だから笑いが止まらないだろう。

一方、国内に目を向ければ個人消費は伸びない。ショッピングセンター、スーパーでは値下げ、安売りブースは繁盛している。セブンイレブンも日用品の値下げをすると言う。ローソンでそのことを店員に言うと「うちは土日にポイントアップ」しているという。

日本経済も欧米で何かあると安全資産の円が買われ円高だ。朝鮮半島で有事に備える必要が出て来たようだ。北朝鮮の核実験、ミサイル発射に米のトランプ政権が制裁行為に出るというニュースが流れている。一時帰国していた大使が急遽帰任した。万一の時は円高だ。

トランプ政権も今後どうなるか。オバマケアの廃止に失敗、法人税減税だってどうなることか。「アメリカ国内で製造しろ」と言うが高い人件費での生産には躊躇する。中国との巨額な貿易赤字解消に会談すると言うが、中国産の安い製品でアメリカ国民は助かっている面もある。米国産での物価高は好ましくなかろう。

一方で、金融政策にも日米の差が出ている。

FRBは金融政策正常化に向け利上げに踏み切った。年に3回のペースであげていくという。FRBは量的緩和で220兆円の国債を買い上げたが今後3年で放出するらしい。そうなると当然に長期金利が上がり投資などに陰りが出て経済は不況色か。ドル安、円高に動くか。

逆に日本はどうか。日銀は出口戦略の「で」の字も言わない。安倍総理に言ったっては国会で野党議員から聞かれた「まだ物価上昇2%に達していない。出口戦略は時期尚早」と言ってのけた。驚くべきノー天気な発言だ。しかし万一出口戦略を口にしようものならアベノミクスの破綻を意味する。安倍総理にとっては絶対避けなければならないのだ。

今、日銀は430兆円の国債残高だ。国債ショックで「日銀は潰れる」という専門家もいるが政府と一体だから大丈夫とも言う。でも日銀は資本金1億円の中央銀行だ。

以前、異次元の金融緩和が話題になったとき、経済財政諮問会議で民間議員が「日銀の経営にも注視しよう」と発言したことがある。

どっち道、世界の政治、経済に翻弄され日銀の出口戦略で沈んでいく日本?



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