2017年5月16日火曜日

中国の「一帯一路」の真意?:当面は経済支援でも99年後の支援国の姿は

中国の陸海シルクロード交易路構築を狙った「一帯一路」の構想は、当面は経済支援でも99年後の支援国の姿はどうなっているのだろうか。

中国の習政権の力を見せびらかす巨大な経済圏構想の「一帯一路」の国際会議が開かれ130ヶ国、29ヶ国からは首脳が出席したという。新興国、発展途上国ばかりでなくロシアのプーチン大統領まで出席、中国資金に群がる姿を見せつけた。

中国はリーマンショック後、52兆円という巨額の投資で世界経済をけん引してきたがバブルが弾けると過剰な生産設備、余った鉄鋼製品の山で中国経済は不安定さを増した。この販売先など事態を奪回するために新興国などへの経済援助とともにインフラ整備に取り組み中国に利する政策となった。

TPPへの対抗、AIIBもアメリカに変わる世界戦略と映った。

しかしこの「一帯一路」構想に関連する関係国の規模は、アジア・欧州60ヶ国、総人口は世界の60%だが経済規模は30%で新興国、発展途上国が多く経済発展にはインフラ整備で中国資金(チャイナマネー)は喉から手が出る程欲しい。

関係国の政権トップにとっては自国経済発展の為に中国資金を使ったインフラ整備は打って付けと映ったのだろうが、従来からの中国のやり方に懸念を呈する向きもある。

その懸念を払拭するために中国は「グローバル公共財」を訴えるが、どれだけの国が信用しているか。

ある報道では、広大な港湾施設の周辺の土地を99年間借用できる条件を結んでいるようだが、すでに現地住民からはクレームが起きているという。借金が払えなければ国土を取り上げられる危険があるのだ。海外へ打って出ようとする中国にとっては国土を広げることが出来るので打って付けだ。

中国資金を使った関連国は国土の一部が中国領になる可能性も大なのだ。

海上シルクロードのスリランカ、パキスタンでは巨大な港湾施設を建設したが船の出入りはほとんどなく中国海軍が寄港すれば安全保障の問題が出てくる。

中国は各国の主権と領土の保全で国際法遵守を謳っているがどうなることか。「金貸し」は最後はどうするか分からない。

インフラ整備でも中国のやり方は汚い。インドネシアでは高速鉄道網の建設を日本企業で計画していたが政権が交代、資金援助の条件から中国に寝返った。しかし計画が頓挫し日本側に変更された経緯があるとのニュースを見たことがある。

参加国中でロシアのプーチン大統領も出席したが、中央アジアの開発では中国と思惑に違いがありそうだ。極東開発では日本にも経済支援を訴えているが、大国ロシアも昔の面影はない。

中国だってそうだ。何かあると「発展途上の大国」と責任逃れする。発展途上国が資金援助と共にこんな構想をぶち上げることができるのか。

アメリカに変えて中国が世界経済を牛耳る時が来るのか。中国はアメリカの保護主義に反対し自由貿易を推奨している。これが中国かと驚く始末だ。地球温暖化でもトランプ大統領が批判すると中国は「パリ協定」を遵守するという。

海外支援に巨額の投資をするのであれば自国の大気汚染を改善すべきではないのか。国際会議が開かれる度に開催地の中国の空はきれいだが、周辺の工場が操業を自粛したためで、会議が終わればまた元の汚れた空に帰る。

歪な中国の経済支援に任せっきりにすると「99年後は国土の一部が中国領になる」姿が想像出来ないか。



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